(未公開)ジョゼフ・アンドリュースの華麗な冒険 JOSEPH ANDREWS
作曲・指揮:ジョン・アディスン
Composed and Conducted
by JOHN ADDISON
(米Kritzerland / KR 20027-5)
1977年製作のイギリス映画(日本では劇場未公開でテレビ放映済み)。監督は「蜜の味」(1961)「長距離ランナーの孤独」(1962)「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963)「ラブド・ワン」(1965)「遥かなる戦場」(1968)「ボーダー」(1981)等のトニー・リチャードソン(1928〜1991)。出演はアン=マーグレット、ピーター・ファース、マイケル・ホーダーン、ベリル・リード、ジム・デイル、ナタリー・オーグル、ピーター・ブル、ケネス・クランハム、カレン・ドットリス、ジェームズ・ヴィリアーズ、ペギー・アシュクロフト、ティモシー・ウエスト、ジョン・ギールガッド、ヒュー・グリフィス、スティーヴン・バーコフ他。「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963)等のヘンリー・フィールディング(1707〜1754)の原作を基にアラン・スコット、クリス・ブライアントとトニー・リチャードソンが脚本を執筆。撮影はデヴィッド・ワトキン。トニー・リチャードソン監督がアカデミー賞を受賞した「トム・ジョーンズの華麗な冒険」の成功を再現しようと、同じヘンリー・フィールディングの原作を映画化したロマンティック・コメディ。パメラ・アンドリュース(ドットリス)の弟で若くハンサムなジョゼフ(ファース)は、姉の結婚相手ブービー氏(ヴィリアーズ)の叔父夫婦の元に奉公に出ていたが、当主のトーマス・ブービー卿(ブル)が死ぬと、ブービー夫人(アン=マーグレット)からの求愛を受けてしまう。ジョゼフに拒絶されたブービー夫人は、やはり彼に横恋慕している小間使のスリップスロップ夫人(リード)の口添えもあり、ジョゼフを屋敷から追放する。旅に出たジョゼフは、アダムス牧師(ホーダーン)、愛するファニー・グッドウィル(オーグル)と共に苦難を乗り越えて無事ブービー屋敷に帰還し、最後は姉の助けもあってファニーと結婚するのだった。
音楽はトニー・リチャードソン監督と「(未公開)寄席芸人」(1960)「蜜の味」(1961)「長距離ランナーの孤独」(1962)「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963)「みどりの瞳」(1964)「ラブド・ワン」(1965)「遥かなる戦場」(1968)「(未公開)ハムレット」(1969)「大本命」(1974)「僕は殺していない」(1978)「(TV)ファントム・オブ・オペラ」(1990)でも組んでいるジョン・アディスン(1920〜1998)で、彼は「トム・ジョーンズの華麗な冒険」のスコアで1963年度アカデミー賞の作曲賞を受賞している。「Love
Theme from Joseph
Andrews」は、サスペンス調のイントロからとぼけったタッチの主題、アディスンらしい明るく陽気なメインの主題、大らかな主題へと展開。「Parson
Adams Intercedes」は、大らかな主題から快活でコミカルなマーチへ。「Dawn
Departure」「Lover's Meeting / Fanny's Doubts」「Love
Interrupted」は、ジェントルで大らかな主題。「Moatrack」は、牧歌的なタッチの曲。「Poor
Sir Thomas」「Drowned / Slipslop Repulsed 1 &
2」は、コミカルかつストイックな曲。「Lady Booby Repulsed」「Ghost」「Bedroom
Farce」は、明るく快活なタッチの曲。「Joseph Dismissed」「Betty and Joseph」「Barn
Fight」等は、メインの主題のバリエーション。「Bloodying
Scene」は、ミリタリスティックなサスペンス音楽から後半明るくビジーなマーチへ。「Greasy
Fellow」は、明るくダイナミックなマーチ風の曲。「Marriage Plans」「Belle / The
Strawberry Mark」は、とぼけたタッチのサスペンス音楽。「Pedlar Pays the
Bill」は、メランコリックなサスペンス調の曲。「Mr.Wilson's Story (Stolen
Baby)」は、牧歌的で快活な曲。「Saved by the
Pedlar」は、サスペンス音楽。「Returning to Bath /
Mr.Didapper」は、コミカルなマーチ風の曲。「Victory and
Love」は、ダイナミックでビジーなアクション音楽。「Saved From Drowning / Pedlar and
Adams / Bad News」は、明るいファンファーレから不気味なサスペンス音楽へ。「The Real Parents /
Wedding and End
Titles」は、コミカルなタッチから大らかな主題へと展開するエンドタイトル。「トム・ジョーンズの華麗な冒険」のスコアに通ずる明るくヴィヴィッドなタッチが楽しい。このスコアは、過去に米Tony
Thomasレーベルよりプロモーション用のサントラLPが出ていたが、これは初CD化で1000枚限定プレス。
(2014年3月)
John Addison
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