料理長殿、ご用心  WHO IS KILLING THE GREAT CHEFS OF EUROPE?

作曲・指揮:ヘンリー・マンシーニ
Composed and Conducted by HENRY MANCINI

演奏:ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
Performed by the National Philharmonic Orchestra

(米Varese Sarabande / 302 067 268 8)

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1978年製作のアメリカ=フランス=イタリア=ドイツ合作映画(日本初公開は1979年5月)。監督は「おかしな泥棒ディック&ジェーン」(1977)「ノース・ダラス40」(1979)「ランボー」(1982)「地獄の7人」(1983)「スイッチング・チャンネル」(1988)「(TV)ラスト コップ 血塗られた狼」(1995)「(TV)LAW & ORDER:性犯罪特捜班」(1999〜2000)等のテッド・コッチェフ(1931〜)。出演はジョージ・シーガル、ジャクリーン・ビセット、ロバート・モーレイ、ジャン=ピエール・カッセル、フィリップ・ノワレ、ジャン・ロシュフォール、ルイジ・プロイエッティ、ステファノ・サッタ・フローレス、マッジ・ライアン、フランク・ウィンザー、ピーター・サリス、ティム・バーロウ、ジョン・ル・メスリール、ジョス・アックランド、ジャック・マラン他。ナン&アイヴァン・ライオンズの原作を基に「シャレード」(1963)「蜃気楼」(1965)「アラベスク」(1966)「サブウェイ・パニック」(1974)「(TV)他人の向う側/私の家に見知らぬもう一人の妻がいる」(1975)「理由」(1995)等のミステリの名手ピーター・ストーン(1930〜2003)が脚本を執筆。撮影はジョン・オルコット。豪華な料理がたくさん登場するコミカルなタッチのミステリ映画で、ヨーロッパの名優たちの共演も見所。料理雑誌を主宰し美食家として知られるマックス・ヴァンデヴェアー(モーレイ)は、減食しなければあと半年の生命と主治医から指摘され、ショックを受ける。彼が主催したバッキンガム宮殿での王室晩餐では、ルイ・コーナー(カッセル)が調理したハトの包み焼きと、ニューヨークのパティシエ、ナターシャ(ビセット)による巨大なアイスクリームのデザート「ボンブ・リシュリュー」がサーヴされ、好評を得る。マックスが彼の雑誌で選んだ「世界四大シェフ」は、ルイとナターシャ、そして「ロブスター・カルチオフィ風」のファウスト・ゾッピ(フローレス)、「プレスド・ダック」のムーリノー(ノワレ)だったが、まずルイが、そして次にゾッピが彼らの得意とする料理と同じ手法で殺されてしまう。次は自分と怯えるナターシャの元に、別れた夫のロビー・ロス(シーガル)があることを相談しにやって来るが……。ロバート・モーレイが1978年度全米批評家協会賞の助演男優賞と、同年のLA批評家協会賞の助演男優賞を受賞。日本でテレビ放映された際の日本語吹替はジョージ・シーガル(黒沢 良)、ジャクリーン・ビセット(鈴木弘子)、ロバート・モーレイ(滝口順平)、ジャン=ピエール・カッセル(阪 脩)、フィリップ・ノワレ(小林 修)、ジャン・ロッシュフォール(大塚周夫)、ルイジ・プロイエッティ(安原義人)、マッジ・ライアン(京田尚子)、フランク・ウィンザー(大木民夫)、ピーター・サリス(筈見 純)他だった。

音楽は、ピーター・ストーンが脚本を担当した「シャレード」と同じヘンリー・マンシーニ(1924〜1994)で、これは長年CD化が望まれていたスコア。「Theme from Who Is Killing the Great Chefs of Europe? (Main Title)」は、明るく快活でクラシカルなマーチ調のメインタイトルで、実に楽しい。「Well Done Louis」は、ルイが殺されるシーンの、ナターシャの主題を織り込んだサスペンス音楽。「Pesce!」は、とぼけったタッチの曲。「Bombe Richelieu (Natasha's Theme)」は、ロマンティックなナターシャの主題で、都会的なタッチがいかにもマンシーニらしい。「Italian Soup」は、ゾッピが殺されるシーンの不気味なサスペンス音楽。「They Hang Chefs, Don't They?」は、ヒロイックなタッチのイントロからサスペンス音楽へ。「Bombes Away / Natasha in Venice (Natasha's Theme)」は、不気味なサスペンス音楽からナターシャの主題へ。「Natasha's Theme」は、マンシーニ自身のピアノによるナターシャの主題。「The Movable Feast」は、劇中の料理番組のテーマ曲で、軽快で洒落たタッチがまさにマンシーニ節。「Late Night Call / The Gathering (Theme from Who Is Killing the Great Chefs of Europe?)」は、躍動的なタッチのサスペンス音楽からメインの主題のバリエーションへ。「Fiery Finale (Who Is Killing the Great Chefs of Europe?)」は、メインの主題を織り込んだサスペンス音楽。「The Final Feast / The Confession」は、最後の謎解きのシーンでのメランコリックでドラマティックな曲。ラストの「Natasha's Theme (End Title)」は、ナターシャの主題によるエンドタイトル。
このスコアは公開当時に米EpicレーベルからサントラLPが出ていたが、これはそのLPと同内容の初CD化で、限定プレス。
(2014年5月)

Henry Mancini

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