史上最大の作戦 THE LONGEST DAY

作曲:モーリス・ジャール、ポール・アンカ
Composed by MAURICE JARRE, PAUL ANKA

指揮:モーリス・ジャール
Conducted by MAURICE JARRE

(仏Milan / 399 485-2) 2013

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1962年製作のアメリカ映画(フランス語題名は「LE JOUR LE PLUS LONG」)。監督は「素晴らしきヒコーキ野郎」(1965)「バルジ大作戦」(1965)「モンテカルロ・ラリー」(1969)「太陽にかける橋/ペーパー・タイガー」(1975)等のケン・アナキン(1914〜2009/イギリス軍のシーンを担当)、「橋」(1959)「訪れ」(1964)「モリツリ/南太平洋爆破作戦」(1965)等のベルンハルト・ヴィッキ(1919〜2000/ドイツ軍のシーンを担当)と、「第八ジェット戦闘機隊」(1954)「大突撃」(1964)「海底世界一周」(1965)等のアンドリュー・マートン(1904〜1992/アメリカ軍のシーンを担当)。出演は、アメリカからジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、ロバート・ミッチャム、ロバート・ライアン、ロッド・スタイガー、ロバート・ワグナー、ジェフリー・ハンター、リチャード・ベイマー、エディ・アルバート、エドモンド・オブライエン、メル・ファーラー、ポール・アンカ、トミー・サンズ、フェビアン、サル・ミネオ、ステュアート・ホイットマン、ロディ・マクドウォール、レッド・バトンズ、スティーヴ・フォレスト、トム・トライオン、フランキー・アヴァロン、ブラッドフォード・ディルマン、マーク・ダモン、レイ・ダントン、ジョージ・シーガル、ジョン・クロフォード他、イギリスからリチャード・バートン、ショーン・コネリー、ケネス・モア、リチャード・トッド、ピーター・ローフォード、レオ・ゲン、ロン・ランゲル、ジョン・グレグソン、ドナルド・ヒューストン、アレクサンダー・ノックス、レスリー・フィリップス、フランク・フィンレイ、リチャード・ドーソン、バーナード・フォックス、シアン・フィリップス他、フランスからジャン=ルイ・バロー、アルレッティ、ブールヴィル、クリスチャン・マルカン、イリナ・デミック、マドレーヌ・ルノー、フランソワーズ・ロゼー、フェルナン・ルドー、ジャン・セルヴェ、ジョルジュ・ウィルソン、ミシェル・デュショーソワ、ベルナール・フレッソン他、ドイツからクルト・ユルゲンス、ウェルナー・ハインツ、ゲルト・フレーベ、ハンス・クリスチャン・ブレヒ、ヴォルフガング・プライス、ヴォルフガング・ブットナー、パウル・ハルトマン、ペーター・ヴァン・アイク他。コーネリアス・ライアンの原作(ノンフィクション)を基にコーネリアス・ライアン、ジェームズ・ジョーンズ、ロマン・ギャリー、デヴィッド・パーソールとジャック・セッドンが脚本を執筆。撮影はジャン・ブールゴワン、ワルター・ウォティッツとアンリ・ペルサン。製作は「怒りの葡萄」(1940)「イヴの総て」(1950)「革命児サパタ」(1952)「キリマンジャロの雪」(1952)「トラ・トラ・トラ!」(1970)等のダリル・F・ザナック(1902〜1979)とエルモ・ウィリアムズ。第二次大戦における連合軍勝利の転機となった1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦を、当時としては巨額の1000万ドルの製作費を投じ、米・英・仏・独のオールスターキャストにより描いた戦争スペクタクル。水平線に無数の船団が姿を現すショットや、フランス軍による市街戦を長回しでとらえたショット、連合軍兵士たちが上陸中の海岸を2機のドイツ軍機が機銃掃射していくショット等が素晴らしい(今ならほとんどCGになってしまうが、実際に大量のエキストラを動員して撮影している)。1962年度アカデミー賞の作品賞、美術監督・装置賞(白黒)、編集賞にノミネートされ、同賞の撮影賞(白黒)、特殊効果賞を受賞。

音楽はフランスの作曲家モーリス・ジャール(1924〜2009)がスコアを担当しているが、有名な「史上最大の作戦マーチ」は本作に出演もしているカナダ出身の歌手ポール・アンカ(1941〜)が作曲。「Le jour le plus long (Marche)」は、ミッチ・ミラー合唱団・オーケストラの演奏によるメインのマーチで、この口笛とオーケストラによる演奏は当時日本でもシングル盤がリリースされていた。「Le jour le plus long (Marche - Percussions)」も、同じマーチだがミッチ・ミラー合唱団によるコーラス入りで、当時はこのアレンジメントがミッチ・ミラーのアルバムにも収録されており、最も有名だった。実に懐かしい。「Yankee Doodle - The Girl I Left Behind Me (Marche)」「Dixie」は、トラディッショナルのミッチ・ミラー合唱団・オーケストラによる演奏。「Don't Fence Me In」「Harmonica solo (Theme)」「Scene du radar」「Le debarquement a Omaha Beach」は、モーリス・ジャール指揮のオーケストラによるメインのマーチのアレンジメントで、上陸シーンの前後に流れる曲。「B.B.C. Drums」は、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の有名なイントロをモチーフにしたティンパニによるフレーズで、劇中で何度も繰り返されて印象に残る曲(編曲はジャール)。「Les cornemuses de Lord Lovat」は、バグパイプの演奏によるトラディッショナル(編曲はジャール)。

以上10曲は「史上最大の作戦」の音楽だが、11〜20曲目にはボーナス・トラックとして「地獄の決死隊(UN TAXI POUR TOBROUK)」(1962/監督:ドニス・ド・ラ・パトリエール、出演:リノ・ヴァンチュラ、ハーディ・クリューガー、シャルル・アズナヴール他、音楽:ジョルジュ・ガルヴァランツ)から2曲、「パリは燃えているか(PARIS BRULE-T-IL?)」(1966/監督:ルネ・クレマン、出演:ジャン=ポール・ベルモンド、アラン・ドロン、イヴ・モンタン、カーク・ダグラス、アンソニー・パーキンス他、音楽:モーリス・ジャール)から6分の組曲、「鉄路の闘い(LA BATAILLE DU RAIL)」(1945/監督:ルネ・クレマン、出演:トニ・ローラン、リュシアン・ドゥザニョオ他、音楽:イヴ・ボードリエ)から1曲、「(未公開)LE PERE TRANQUILLE」(1946/監督:ルネ・クレマン、出演:ノエル=ノエル、モーリス・シェヴィ他、音楽:ルネ・クロエレック)から1曲、「禁じられた遊び(JEUX INTERDITS)」(1952/監督:ルネ・クレマン、出演:ブリジット・フォッセー、ジョルジュ・プージュリイ他、音楽:ナルシソ・イエペス)から5曲を収録。戦争をテーマにした映画のコンピレーションになっている。
(2014年7月)

Maurice Jarre

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