GODZILLA ゴジラ GODZILLA

作曲・指揮:アレクサンドル・デスプラ
Composed and Conducted by ALEXANDRE DESPLAT

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Water Tower Music / WTM 39519)

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2014年製作のアメリカ映画。監督は「モンスターズ/地球外生命体」(2010)で注目されたギャレス・エドワーズ。出演はアーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺 謙、ブライアン・クランストン、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、デヴィッド・ストラザーン、カーソン・ボルデ、サリー・ホーキンス、CJ・アダムズ、リチャード・T・ジョーンズ、ヴィクター・ラサック、パトリック・サボンギ、ジャレッド・キーソ、リュック・ロデリック、ジェームズ・ピッチナート他。デヴィッド・キャラハムの原案を基にマックス・ボレンスタインが脚本を執筆。撮影はシーマス・マッガーヴェイ。1999年、フィリピン。採掘現場の調査にやって来た芹沢博士(渡辺)とグレアム博士(ホーキンス)は、謎の巨大生物の痕跡を発見する。同じ頃、科学者のジョー・ブロディ(クランストン)とその妻サンドラ(ビノシュ)が働く日本の原子力発電所で謎の大振動による放射能事故が発生し、サンドラは命を落とす。15年後、ジョーの息子フォード(テイラー=ジョンソン)は米海軍に所属し、妻エリー(オルセン)、息子サム(ボルデ)とサンフランシスコで幸せに暮らしていた。そんなある日、ジョーが立入禁止区域に侵入して逮捕されたとの知らせを受け、急ぎ日本へ向かうフォード。今でも原発事故の謎に取り憑かれているジョーは、真相解明のためにかつての実家に残る15年前のデータが必要とフォードを説得し、2人で立入禁止区域への侵入を図るが……。東宝のゴジラを題材にした2度目のハリウッド大作だが、1998年製作の前作(監督:ローランド・エメリッヒ、音楽:デヴィッド・アーノルド)よりも監督のオリジナルへのリスペクトが感じられる。

音楽はフランス人のアレクサンドル・デスプラ(1961〜)が作曲。「Godzilla!」は、ダークで重厚なイントロから躍動的でダイナミックな主題へと展開するメインタイトル。「Inside the Mines」は、ダークで抑制されたサスペンス音楽から尺八を織り込んだアクション音楽へ。「The Power Plant」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽から後半トラジックなタッチの主題へ。「To Q Zone」は、抑制されたサスペンス音楽。「Back to Janjira」は、メランコリックなピアノとストリングスによる主題から、後半コーラスを織り込んだサスペンスアクション音楽へ。中盤から後半にかけて「Muto Hatch」「In the Jungle」「The Wave」「Airport Attack」「Following Godzilla」「Golden Gate Chaos」「Let Them Fight」「Two Against One」「Last Shot」等、スリリングでダイナミックなアクション音楽が連続する。「Missing Spore」は、ストイックなタッチの主題から重厚なアクション音楽へ。「Vegas Aftermath」「Ford Rescued」は、ダークなサスペンス音楽。「Entering the Nest」は、尺八を織り込んだサスペンスアクション音楽。「Godzilla's Victory」のクライマックスはバーナード・ハーマン調の重厚なタッチ。「Back to the Ocean」は、尺八を織り込んだ静かにジェントルな主題からダイナミックでヒロイックな主題へと展開。怪獣映画的な“センス・オブ・ワンダー”を感じさせるストレートフォワードなアクション・スコアだが、デスプラの個性はあまり感じさせない。
(2014年8月)

Alexandre Desplat

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