(未公開)黄金の針 GOLDEN NEEDLES
作曲・指揮:ラロ・シフリン
Composed and Conducted
by LALO SCHIFRIN
(仏Music Box Records / MBR-050)
1974年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「燃えよドラゴン」(1973)「黒帯ドラゴン」(1974)「SF最後の巨人」(1975)「(未公開)アムステルダム・キル」(1976)「ブルース・リー/死亡遊戯」(1978)「バトルクリーク・ブロー」(1980)等のロバート・クローズ(1928〜1997)。出演はジョー・ドン・ベイカー、エリザベス・アシュレイ、アン・サザーン、ジム・ケリー、バージェス・メレディス、ロイ・チャオ、フランシス・フォン、クン・ウー・ホアン、アリス・フォン、ソニー・バーンズ、パット・E・ジョンソン、エドガー・ジャスティス、シウ・ホン・チャム、ティエ・ウー・チュー、ユエン・ファン他。脚本はS・リー・ポゴスティンとシルヴィア・シュネブル。撮影はギルバート・ハッブス。香港で古物商を開業しているアメリカ人のダン(ベイカー)は、フェリシティ(アシュレイ)という謎の女性から、古代中国の黄金の像を盗むように依頼される。その像には鍼治療のように数本の黄金の針が刺さっており、その針を像と同じパターンで人間の身体に刺すと性的能力が飛躍的に向上する(パターンを間違えると激痛を伴って死ぬ)ことから、フェリシティの雇い主である億万長者のウィンターズ(メレディス)や中国マフィアのボス(チャオ)たちが手に入れようと争奪戦を繰り広げていた……。監督のロバート・クローズ、製作のフレッド・ワイントローブとポール・ヘラー、撮影のギルバート・ハッブス、音楽のラロ・シフリン、共演のジム・ケリーは、ブルース・リー主演で大ヒットした「燃えよドラゴン(ENTER THE
DRAGON)」(1973)と共通で、その成功にあやかろうと当時多数製作されていたマーシャルアーツ系アクション映画の1つ。
ラロ・シフリンのスコアは、彼の代表作の1つである「燃えよドラゴン」の翌年に作曲されており、同様の作風のアクション・スコアとなっている。「The
Golden Statue」は、エキゾチックなタッチのイントロダクション。「Golden Needles (Main
Title)」は、アップビートでヒロイックなメインタイトル。「Acupuncture #1」「Flames / Lin
Toa」「Winters' Mansion / Winters / It's Time」「Antique Shop / Health
Club」「Acupuncture #2」「Heavies Approach / Harbor
Sequence」等は、サスペンス音楽。「Love
Theme」は、ジェントルなタッチのラヴ・テーマ。「Fortune Teller / Snake Shop /
Snakes」は、サスペンス調から後半アップビートなアクション音楽へ。「Felicity」「Mongolian
Supper」「Chinese Paintings」は、ジェントルなジャズ。「Empty Hangers / Attack
on Kwan / Chinese Cemetery」「Airports / Street Fight」「Taxi」「Health Club
Fight」「Harbor Chase / Crowds /
Conclusion」は、シフリンの本領発揮であるダイナミックなサスペンスアクション音楽で、このアルバムのハイライト。「Golden
Needles (End Titles)」は、メインの主題のリプライズによるエンドタイトル。その後に「Finzie's
Piano #1」「Chinese Street Source」「Finzie's Piano
#2」といったソース音楽と、ラヴ・テーマのピアノ・ソロによる演奏「Golden Needles of
Love」を収録。
このスコアの初CD化で、1000枚限定プレス。2000年にシフリンがリリースしたジャズ・アルバム「Jazz
Goes To Hollywood」にメインタイトルの新録音のみが収録されていた。
(2014年8月)
Lalo Schifrin
Soundtrack
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