キング・ダビデ/愛と闘いの伝説 KING DAVID
作曲・指揮:カール・デイヴィス
Composed and Conducted
by
CARL DAVIS
演奏:ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony
Orchestra
(スペインQuartet Records / QR159)
1985年製作のアメリカ=イギリス合作映画(日本公開は1986年1月)。監督は「ロンリー・ハート」(1986)「ドライビング Miss
デイジー」(1989)「グッドマン・イン・アフリカ」(1994)「ダブル・ジョパディー」(1999)「小さな村の小さなダンサー」(2009)等のブルース・ベレスフォード(1940〜)。出演はリチャード・ギア、エドワード・ウッドワード、アリス・クリーグ、デニス・キリー、ニアル・バギー、シェリー・ルンギ、ハード・ハットフィールド、ジャック・クラフ、ジョン・キャッスル、ティム・ウッドワード、デヴィッド・デ・カイザー、イアン・シアーズ、サイモン・ダットン、ジャン=マルク・バール、ジョージ・イーストマン他。旧約聖書の『サムエル記』と『詩篇』をベースにしたジェームズ・コスティガンの原作を基に「オーメン/最後の闘争」(1981)「薔薇の名前」(1986)「ジャンヌ・ダルク」(1999)「パフューム
ある人殺しの物語」(2006)等のアンドリュー・バーキン(1945〜)とジェームズ・コスティガンが脚本を執筆。撮影はドン・マカルパイン。紀元前1000年、動乱と混迷のイスラエルを統一したダビデ王の波乱の生涯を描くスペクタクル映画。預言者サムエル(キリー)により選ばれたエッサイ家の4人兄弟の末息子ダビデ(シアーズ)。彼は初代イスラエル王サウル(ウッドワード)の軍に加わり、ペリシテ軍の剛勇巨人ゴリアテ(イーストマン)に決闘を挑まれ、見事彼を打ち倒す。その優れた勇気と指導力に驚いたサウル王の長男ヨナタン(クラフ)は、彼と友情の絆を結ぶ。十数年後、ダビデ(ギア)は、サウル王のもとで活躍していたが、その民衆からの絶大な評判にサウルは嫉妬する。ダビデとサウル王の娘ミカル(ルンギ)の結婚式の日、ダビデが王座を狙っていると疑うサウル王は部下に監禁を命じるが、ダビデはヨナタンの助けで脱出し逃亡する。その後、ペリシテ王マキシの挑戦に破れたサウル王とヨナタンの戦死で、ダビデがイスラエルの王となるが……。
音楽は「フランス軍中尉の女」(1981)「チャンピオンズ」(1984)「レインボウ」(1989)「(TV)高慢と偏見」(1995)等のカール・デイヴィス(1936〜)。サイレント映画の「ナポレオン」(1927)や「ベン・ハー」(1925)に新たに作曲したシンフォニック・スコアを提供していることでも知られ、本作品のようなスペクタクル映画の音楽は手馴れたもの。「Overture」は、静かにリリカルでジェントルな序曲で、劇中ではラストのダビデの死の場面でエレジーとして流れた。「Rejection
of Saul - Part.I」は、ダークで陰鬱なタッチの曲。「Main Title -
Revised」は、静かなイントロから壮大かつ荘厳なメインの主題へと展開するメインタイトルで、デイヴィスらしいクラシカルなタッチ。「Ritual
of the Stones / David and Light」は、ややサスペンス調の抑制された曲。「Rejection of
Saul - Part.II / Saul, Why Hast Thou Rejected
Me?」は、ダークで抑制されたサスペンス音楽。「Psalm I (The Lord of my
Shepherd)」は、旧約聖書の詩篇23篇を基にしたニコラス・カーティスのヴォーカルによる荘厳な歌曲。「Massacre
of the Philistines」は、メインの主題を織り込んだダイナミックなアクション音楽。「David and
Michal's Bedroom Scene」は、ハープによるジェントルでリリカルな曲。「Saul Confronts
Michal」「Saul Rides to Nob / I Want These Priests
Dead」は、ダークで重厚な曲。「David's Farewell to Jonathan」「Ark of the
Covenant」は、ジェントルでリリカルな曲。「David in the Wilderness / Psalm
II」は、ストイックなタッチの主題から後半は詩篇23篇による荘厳な歌曲へ。「8M2」は、静かに荘厳な曲。「Temple
of Dagon - Revised」「Saul Defies Nathan / Philistines' Chariot
Charge」は、重厚でダイナミックな曲。「First Exodus / Second
Exodus」は、ストイックなタッチの主題。「How are the Mighty Fallen (Psalm
III)」は、重厚なティンパニによるイントロからストイックでドラマティックな主題へ。「David's Entry Into
Jerusalem」は、メインの主題を織り込んだパーカッシヴで躍動的な舞踏音楽。「10M2」「Model of the
Temple / More
Bathsheba」は、メインの主題のバリエーション。「Bathsheba」は、ややメランコリックで静かに美しいバテシバ(クリーグ)の主題。「Absalom
Into Exile」は、メランコリックでドラマティックな曲。「Uriah's Wife / Massive Guilt /
Model Temple (Thoughts of Absalom) / Is He Your
Enemy?」は、ダークでメランコリックな曲。「Joab Chases and Kills
Absalom」は、ダイナミックでパーカッシヴなアクション音楽。「Death of Absalom / Destruction
of the Temple」は、メランコリックな主題から、後半は荘厳でダイナミックな主題へ。「End
Title」は、メランコリックでドラマティックな主題によるエンドタイトル。
このスコアの初アルバム化で、CD2枚組となっており、1枚目にオリジナル・スコア、2枚目には劇中の舞踏音楽、歌曲と代替バージョンを収録。1000枚限定プレス。
(2014年11月)
Carl Davis
Soundtrack
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