ダニエルとマリア  DANIELE E MARIA

作曲:ニコラ・ピオヴァーニ
Composed by NICOLA PIOVANI

指揮:ジャンフランコ・プレニツィオ
Conducted by GIANFRANCO PLENIZIO
 

(スペインQuartet Records / QR149)

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1973年製作のイタリア映画。監督は「戦争と平和」(1956)「ロード島の要塞」(1961)「イタリア式離婚狂想曲」(1961)「アルデンヌの戦い」(1968)「SOS北極.../赤いテント」(1970)等の脚本を手がけ「(未公開)アドルフ・ヒトラー/最後の10日間」(1973)等の監督作があるエンニオ・デ・コンチーニ(1923〜2008)。出演はピーター・ファース、ジュニー・ヴェテュスト、アンジェラ・グッドウィン、ジャンカルロ・バデッシ、ルッゲロ・デ・ダニノス、ジョヴァンナ・マイナルディ、フランチェスカ・ベネデッティ、ガブリエラ・ボッカルド、エンリコ・ラグーサ、ジーノ・ペルニーチェ、ブルーノ・チリーノ他。脚本はエンニオ・デ・コンチーニ、ダーナ・ウィルソンとマリア・ピア・フスコ。撮影はエンニオ・グァルニエリ。ローマを舞台に、政治家の息子で繊細な心を持つダニエルと召使いの娘マリアとの悲恋を描いたラヴ・ストーリー。恵まれた家庭に育った18歳のダニエル(ファース)は、弱々しい神経の持主で、現実から逃避して自分だけの世界に閉じこもっては、好きな音楽に聴き浸るという日々を過ごしていた。ある日彼は、貧しい身なりをした召使いの娘マリア(ヴェテュスト)と出会い、彼女にだけは心を許すようになる。2人は互いに愛し合うようになるが、マリアの義父のカルロは2人の関係を利用し、スキャンダルを恐れるダニエルの両親を脅して金を得ようと企む。ダニエルの両親は2人を別れさせマリアを他の男と結婚させることを条件に金を払うことに合意する。ダニエルは精神科の診療所に入れられ、マリアは貧相な中年男と無理矢理結婚させられるが……。

音楽はニコラ・ピオヴァーニ(1946〜)で、これは彼がキャリアのごく初期に手がけたスコア。「Maria e Daniele」は、フルートをフィーチャーした美しく悲哀感に満ちたメインの主題。「Per mano」は、リズミックかつメランコリックなタッチの曲。「La luce」は、アップビートでクールなバロック風ジャズ。「Ninna nanna per chitarra」は、ギター・ソロによるメランコリックなララバイで、チェコの作曲家アントニン・ドヴォルザーク(1841〜1904)作曲の弦楽四重奏曲第12番『アメリカ』がベースになっている。「Daniele #1」「Daniele #2」は、ダニエルの内向的なキャラクターを象徴する美しい主題で、後者はオルガンと合唱をフィーチャーした荘厳なタッチ。「L'eta di Maria」は、口笛をフィーチャーしたメインの主題のバリエーション。「Daniele e la luce」「Daniele e la musica」も、メインの主題のバリエーション。「Basta vino」は、明るく快活なワルツ調の曲。「Lo prenda in cura」は、監督のエンニオ・デ・コンチーニの歌詞による陽気な歌曲。これ以降は明確な曲名のないシークエンス番号のみの未発表曲が続くが、メインの主題の様々なバリエーションや、少年合唱団による賛美歌風の曲「seq. 6」、ギター・ソロによるメインの主題「seq. 8」、陽気な「Lo prenda in cura」のインストゥルメンタル・バージョン「seq. 9」等を収録。
このスコアは過去にイタリアのBeatレーベルからサントラLP(LPF016)が出ていたが、このQuartetレーベルのCDは未発表曲を追加した初CD化で、500枚限定プレス。
(2014年12月)

Nicola Piovani

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