ペギー・スーの結婚 PEGGY SUE GOT MARRIED
 作曲・指揮:ジョン・バリー
 
  Composed and Conducted
 
  by 
JOHN BARRY
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  (米Varese Sarabande 
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  /                                     VCL 1114 1152)
1986年製作のアメリカ映画(日本公開は1987年4月)。監督は「ゴッドファーザー」(1972)「カンバセーション…盗聴…」(1973)「ゴッドファーザーPART 
II」(1974)「地獄の黙示録」(1979)「ワン・フロム・ザ・ハート」(1982)「ランブルフィッシュ」(1983)「コットンクラブ」(1984)「ドラキュラ」(1992)「レインメーカー」(1997)「Virginia/ヴァージニア」(2011)等のフランシス・フォード・コッポラ(1939〜)。出演はキャスリーン・ターナー、ニコラス・ケイジ、バリー・ミラー、キャサリン・ヒックス、ジョーン・アレン、ケヴィン・J・オコナー、ジム・キャリー、リサ・ジェーン・パースキー、ルシンダ・ジェニー、ウィル・シュライナー、バーバラ・ハリス、ドン・マレー、ソフィア・コッポラ、モーリン・オサリヴァン、レオン・エイムズ、ヘレン・ハント、ジョン・キャラディーン、サチ・パーカー他。脚本はジェリー・レイクトリングとアーリーン・サーナー。撮影はジョーダン・クローネンウェス。42歳のペギー・スー(ターナー)は、チャーリー・ボデル(ケイジ)と結婚して2児に恵まれたものの、夫は家業の電気屋に忙しく外に女を作って別居中だった。ハイスクールの同窓会に出かけたペギーは、親友のキャロル(ヒックス)たちと再会し、青春の日々へと一気に引きこまれる思いだった。当時のようにキングとクイーンを選ぶメイン・イベントでクイーンに選ばれた彼女は、興奮してその場で卒倒してしまう。気がつくと、ペギーは25年前にタイム・スリップしていた。家に帰るとママ(ハリス)とパパ(マレー)、妹(ソフィア・コッポラ)がいた。失われた青春をやり直そうと考えたペギーは、学校でチャーリーと会うが、同じ轍を踏むまいと彼を避けるようにする……。タイムトラベルものの佳作。コッポラ監督の甥であるニコラス・ケイジがチャーリーを演じ、娘で後に「ヴァージン・スーサイズ」(1999)「ロスト・イン・トランスレーション」(2003)「マリー・アントワネット」(2006)「ブリングリング」(2013)等を監督するソフィア・コッポラがペギー・スーの妹を演じている。ホラー映画等で知られる名優ジョン・キャラディーンの遺作。1986年度アカデミー賞の主演女優賞(キャスリーン・ターナー)、撮影賞、衣装デザイン賞、同年のゴールデン・グローブの作品賞(コメディ/ミュージカル)、女優賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされている。
音楽はフランシス・フォード・コッポラ監督と「コットンクラブ」(1984)でも組んでいるイギリスの作曲家ジョン・バリー(1933〜2011)。冒頭の「Peggy Sue Got 
Married」は、バディ・ホリーの作曲・ヴォーカルによる主題歌。「Blood Drive 
1960」は、抑制されたサスペンス音楽。「Peggy Sue's 
Homecoming」は、静かにジェントルなタッチから、リリカルで美しい“バリー節”のメインの主題へと展開。この主題は「Grandmother 
Calls」「Peggy Sue Visits Grandparents」「Charlie's 
Proposal」等でも繰り返され、「Peggy Sue with 
Michael」で最も明確な形で演奏される。名曲。「Sleep, Baby」「The Silent 
Treatment」「Charlie's Unplayed 
Guitar」は、ギターをフィーチャーしたジェントルな曲。「Time Is Like a 
Burrito」は、静かにジェントルな曲。「Date with 
Charlie」も、サックスをフィーチャーしたジェントルで美しい曲。「Did We Break Up [Extended 
Version]」は、抑制されたサスペンス音楽から後半ややメランコリックなタッチの主題へ。「The 
Ritual」は、ダークなサスペンス音楽。「Charlie, I Had the Strangest 
Experience」は、ジェントルでドラマティックな主題からサックスをフィーチャーしたメインの主題へと展開。最後に劇中の挿入歌「I 
Wonder Why」「He Don't Love You」「A Teenager In Love」「You Belong To 
Me」と、アレクサンドル・ボロディン作曲の「ポーロヴェツの娘たちの踊り(Dance of The Polovtsian 
Maidens)」、代替テイク3曲を収録。
このスコアは公開当時にVarese 
Sarabandeレーベルから全9曲(約28分)収録のサントラLPとCDがリリースされていたが、今回同じVareseレーベルのCD 
ClubからリリースされたCDは全23曲収録のThe Deluxe Editionで、2000枚限定プレス。
(2015年1月)
John Barry
Soundtrack 
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