戦争の犬たち THE DOGS OF WAR
作曲・指揮:ジェフリー・バーゴン
Composed and Conducted by GEOFFREY
BURGON
(米La-La Land Records / LLLCD 1343)
1980年製作のイギリス映画(日本公開は1981年3月)。監督は「チャンピオンズ」(1984)「アーノルド・シュワルツェネッガー/ゴリラ」(1986)「ハンバーガー・ヒル」(1987)「ロビン・フッド」(1991)「(未公開)ガーデン・オブ・エデン
〜失楽園の3人〜」(2010)等のジョン・アーヴィン(1940〜)。出演はクリストファー・ウォーケン、トム・ベレンジャー、コリン・ブレイクリー、ヒュー・ミレース、ポール・フリーマン、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ジョベス・ウィリアムズ、ロバート・アークハート、ウィンストン・ヌシュナ、ペドロ・アルメンダリス・Jr、ハーラン・ケアリー・ポー、シェーン・リマー、テレンス・リグビー、ジム・ブロードベント、ヴィクトリア・テナント他。「ジャッカルの日」(1973)「オデッサ・ファイル」(1974)「(未公開)第四の核」(1986)「(TV)アヴェンジャー/復讐の犬たち」(2006)等のフレデリック・フォーサイス(1938〜)の原作を基にゲイリー・ディヴォアとジョージ・マルコが脚本を執筆。撮影は「赤い靴」(1948)「戦争と平和」(1956)「バイキング」(1957)「ナイル殺人事件」(1978)「ランボー/怒りの脱出」(1985)等のジャック・カーディフ(1914〜2009)。製作総指揮に「夜の大捜査線」(1967)「華麗なる賭け」(1968)「ジーザス・クライスト・スーパースター」(1973)「ローラーボール」(1975)等の監督であるノーマン・ジュイソン(1926〜)が参加している(当初は彼が監督する予定だった)。西アフリカの架空の独裁国を舞台に、現政権の転覆を目論むイギリスの大資本から雇われた4人の戦争プロフェッショナルたちの活躍を描く戦争アクション。傭兵のジェイミー・シャノン(ウォーケン)は、イギリスの鉱山会社マンソンの代理人であるエンディーン(ミレース)という男から、西アフリカの独裁国ザンガロに渡り、クーデターの実行可否について調査する仕事を引き受ける。シャノンは現地で宿泊したホテルで、大統領の恐怖政治を暴こうと取材を続けてきたジャーナリストのノース(ブレイクリー)から独立時の秘話を聞く。シャノンは首都クラレンスのあらゆる施設を調べるが、警察に捕えられてしまい拷問を受ける。出獄して帰国したシャノンを再びエンディーンが訪れ、10万ドルの報酬でザンガロに軍事クーデターを起こすことを依頼するが……。舞台や設定が、本作の撮影監督であるジャック・カーディフが監督した「戦争プロフェッショナル」(1968)や、アンドリュー・V・マクラグレン監督の「ワイルド・ギース」(1978)に似ている。
音楽は、「(未公開/TV)Tinker, Tailor, Soldier,
Spy」(1979)「(未公開)海に帰る日」(1986)「ロビン・フッド」(1991)「(TV)プライベート・ソルジャー」(1998)でもジョン・アーヴィン監督と組んでいるイギリスの作曲家ジェフリー・バーゴン(1941〜2010)。「The Dogs of War -
Main Title / Fiery Flight / The
Apartment」は、ミリタリスティックでダイナミックなメインタイトルからサスペンス音楽へ展開。「Washington
Heights」は、ジェントルな主題。「Endean Calls」「Doctor's Visit」「The Entryway
/ Arming」「Stalking / The Toscana」「Checkpoint」「Glass / The Desk Lamp / To the
Hotel」「Embarcadero」は、抑制されたサスペンス音楽。「A Godfather / I Always Come
Back」「Gabrielle / Around
Clarence」は、ジェントルな主題から抑制されたサスペンス音楽へ。「Welcome to Zangaro / Lift
Into Town」「Through the Lens / Exploring」「The
Jungle」は、不気味なタッチのサスペンス音楽。「Unrest」は、重厚なサスペンス音楽。「Captured」は、抑制されたタッチから後半ドラマティックに盛り上がる。「Deportation
/ What They Took From You」「Seeking
Jessie」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「Considerate
Plans」は、静かに荘厳な主題からややメランコリックな主題へ。「Gathering the Team」「Swiss Bank
/ Welding」「Local Help」「The Operation Begins」「The Approach」「Into
Position」は、ストイックなタッチのサスペンス音楽。「The
Hit」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Reunion」は、ドラマティックなタッチ。「Epitaph
on an Army of
Mercenaries」は、イギリスのフォーク歌手ジリアン・マクファーソンのヴォーカルによるメランコリックでストイックなタッチの主題歌で、中盤オーケストラによりドラマティックに盛り上がる。ラストの「Epilogue」は、前曲の主題歌と同じ主題のミリタリスティックなマーチ調によるエピローグで、悲壮感を帯びたタッチが印象的。最後に追加トラックとして代替テイク、ソース曲等3曲を収録。バーゴンはドラマ作品での繊細なタッチのスコアを得意とする作曲家のせいか、アクションよりもドラマに重点を置いたスコアとなっている。
このスコアの初サントラ・リリースで1200枚限定プレス。
(2015年5月)
Geoffrey Burgon
Soundtrack
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