ジェフリー・バーゴン
  Geoffrey Burgon

Date of Birth: 1941/7/15
Place of Birth: Hambledon, Hampshire, England, UK
Date of Death: 2010/9/21
Mini Biography:
At an early age, Geoffrey Alan Burgon resolved to be a jazz trumpeter, and entered London's Guildhall School of Music when he was 19 to study the instrument with Bernard Brown. Composition lessons with Peter Wishart at the Guildhall were later supplemented by private tuition from Lennox Berkeley; his progress was such that in 1971 he decided to abandon his initial career as a freelance performer in order to devote his energies to composing. His international reputation was secured with two major successes: the acclaimed premieres of his "Requiem" (texts by the Spanish renaissance poet St John of the Cross) at Hereford's Three Choir Festival in 1976, and his music-theatre piece "The Fall of Lucifer", based on the Chester miracle play and first given at the Tilford Back Festival in the following year. He also provided scores for TV programmes such as "Dr. Who"(1975), "Testament of Youth"(1979), John Le Carre's "Tinker, Tailor, Soldier, Spy"(1979) and "Brideshead Revisited"(1981). He has occasionally composed for the cinema, working on projects as diverse as "Monty Python's Life of Brian"(1979) and "The Dogs of War"(1980). In 2001 he received a BAFTA for his score to the channel 4 production "Longitude".

Official website of Geoffrey Burgon: http://www.geoffreyburgon.co.uk

 


(TV)マーティン・チャズルウィッツ  MARTIN CHUZZLEWIT

作曲・指揮:ジェフリー・バーゴン
Composed and Conducted by Geoffrey Burgon

演奏:アラン・メリック・オーケストラ
Performed by Alan Merrick Orchestra

(英Destiny Music / DMUCD 107) 1994

チャールズ・ディケンズの小説 「マーティン・チャズルウィッツ」をイギリスのBBC放送が1994年に映像化したTVミニシリーズ。監督はペドル・ジェームズ 。出演はキース・アレン、ロジャー・アシュトン=グリフィス、リンダ・ベリンガム、デヴィッド・ブラッドレー、エマ・チェンバース、チャーリー・コンドウ、ピーター=ヒューゴ・デイリー、ジュリアン・フェローズ、ポール・フランシス、ジミー・ガードナー、レノックス・グリーヴス、ジョン・ミルズ他。脚本はデヴィッド・ロッジ、撮影はジョン・ケンウェイが担当。サリスベリーの若い建築家マーティン・チャズルウィッツを描いたこの小説は、ディケンズが1843年に書いた第6作目で、彼自身が自作中の最高傑作と考えていた作品らしい。主人公のマーティンの成長の過程に、殺人のミステリを絡めて描いた人間ドラマになっている。

ジェフリー・バーゴンによるスコアは、いかにもイギリスの作曲家らしい繊細で抑制されたタッチが、ディケンズの物語の情景を見事に表現している。冒頭の「Titles」「Young Martin in Love」での極めてジェントルでデリケートな主題や、「The Bird Has Flown」「Jonas' Evil Doing」での舞踏音楽的なスコアが耳に心地よい。同じイギリスの作曲家でも、ジョン・スコットジョージ・フェントンの作風より少し地味な印象を受けるが、ドラマティック・アンダースコアとしては非常に上質な優れた音楽を提供している。

尚、バーゴンの諸作品を集めた以下の2枚のコンピレーションCDが、イギリスのSilva Screenレーベルよりリリースされており、いずれも彼の作風を知る上では好適なアルバムだと思う。

「THE TELEVISION SCORES OF GEOFFREY BURGON」
  Geoffrey Burgon conducting the Philharmonia Orchestra
  (英Silva Screen / FILMCD 117) 1992
    (TV)華麗なる貴族 Brideshead Revisited (6)
    (未公開/TV)Testament of Youth (4)
    (未公開/TV)Bleak House (5)
    (未公開/TV)Tinker, Tailor, Soldier, Spy (2)
    (TV)ナルニア国物語 The Chronicles of Narnia (7)

「CIDER WITH ROSIE: THE TELEVISION SCORES OF GEOFFREY BURGON」
(英Silva Screen / FILMCD 306)1998
    (未公開/TV)Cider with Rosie (13)
    (TV)プライベート・ソルジャー When Trumpets Fade (5)
    (未公開/TV)Silent Witness (11)
    (未公開/TV)Turning World (5)

(2000年7月)

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(TV)フォーサイト家 〜愛とプライド〜  THE FORSYTE SAGA

作曲・指揮:ジェフリー・バーゴン
Composed and Conducted by GEOFFREY BURGON

(英Universal / 472 275-2) 2002

2002年にイギリスのグラナダ・テレビが製作・放映したミニシリーズ(各90分×6回)。監督はクリストファー・メノールデヴィッド・ムーア。出演はダミアン・ルイス、ルパート・グレイヴス、ジーナ・マッキー、イオーン・グルファッド、コリン・レッドグレイヴ、ベン・マイルズ、アマンダ・ルート、バーバラ・フリン、ジョン・カーリスル、ジリアン・キーアニー、ジェニファー・アーミテージ、アン・ベル、パトリック・ブリッジマン、ジュディ・キャンベル、エミリー・カンフォー=デュマ、マーク・チャッタートン、ウェンディ・クレイグ、ジョアンナ・デヴィッド、マギー・フォックス、トビー・ハドーク他。ジョン・ガルスウォーシーの小説を基にスティーブン・マラトラットとジャン・マックヴェリーが脚本を執筆。製作はシータ・ウィリアムス、製作総指揮はアンディ・ハリーズ、撮影はスー・ギブソンが担当。イギリス中流階級のフォーサイト家の三世代にわたるドラマを、ソームズ・フォーサイト(ルイス)と彼の妻アイリーン(マッキー)との関係を軸に描いたクラシック小説の映像化。

このTVシリーズのスコアは、イギリスのクラシック音楽作曲家でTVや映画の音楽も手がけているジェフリー・バーゴンが担当している。冒頭の「Irene's Song」はワルツ調のややトラジックなタッチの美しい主題で、「June Heartbroken」「Two death」等でも登場する。7曲目の「Iren's Song (vocals)」は同じ主題のヴォーカル版で、ブライアン・ターフェルによる力強い熱唱が感動的。「Introducing Dartie」は陽気で牧歌的なタッチの曲。「June's Song」シッセルのヴォーカルによる非常に透明感のある美しい挿入歌で、17曲目ではオーケストラ、21曲目ではヴォカリーズにより演奏される。「Irene in Love」はピアノ(イアン・ブラウン)とオーケストラによるリリカルなタッチの曲。「Robin Hill」はこの作曲家らしい優雅で繊細でイギリス的なオーケストラ音楽。「Old Jolyon & Irene」「Irene's Story」も情感豊かで美しい。最後の「Finale - A New Beginning」も感動的に締めくくる。全体としてバーゴンの個性がよく出た繊細でドラマティックなスコアで、個人的には非常に楽しめた。

ジェフリー・バーゴンが手がけた作品には
「(未公開/TV)W. Somerset Maugham - The Letter」(1969)
「(未公開/TV)Treasure of Abbot Thomas」(1974)
「(未公開/TV)As You Like It」(1978)
「モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン(Life of Brian)」(1979)
「(未公開/TV)Tinker, Tailor, Soldier, Spy」(1979)
「(未公開/TV)Testament of Youth」(1979)
「戦争の犬たち(The Dogs of War)」(1980)
「(TV)華麗なる貴族(Brideshead Revisited)」(1981)
「(TV)あの頃に帰りたい(How Many Miles to Babylon?)」(1982)
「(未公開/TV)Objects of Affection - Rolling Home, - Marks」(1982)
「(未公開/TV)Play for Today - Soft Targets, - Z for Zachariah」(1982〜1984)
「(未公開/TV)Bewitched」(1983)
「(未公開/TV)The Death of a Heart」(1985)
「(未公開/TV)Masterpiece Theatre: Bleak House」(1985)
「(未公開)海に帰る日(Turtle Diary)」(1985)
「(未公開/TV)The Happy Valley」(1987)
「(未公開/TV)Sophia and Constance」(1988)
「(TV)ナルニア国物語(The Lion, the Witch, & the Wardrobe)」(1988)
「(TV)ナルニア国物語(Prince Caspian and the Voyage of the Dawn Treader)」(1989)
「(未公開/TV)The Silver Chair」(1990)
「ロビン・フッド(Robin Hood)」(1991)
「(TV)ノルマンディーの黄昏(Screen One - A Foreign Field)」(1993)
「(TV)マーティン・チャズルウィッツ(Martin Chuzzlewit)」(1994)
「(未公開/TV)Turning World」(1996)
「(未公開/TV)Silent Witness」(1996)
「(TV)プライベート・ソルジャー(When Trumpets Fade)」(1998)
「(未公開/TV)Cider with Rosie」(1998)
「(未公開/TV)Longitude」(2000)
「(未公開/TV)Ghost Stories for Christmas」(2000)
「(TV)フォーサイト家 〜愛とプライド〜(The Forsyte Saga)」(2002)
「(未公開/TV)The Forsyte Saga, Series II」(2003)
「(未公開/TV)Island at War」(2004)
等がある。
ジェフリー・バーゴンは1982年に「(TV)華麗なる貴族」、1995年に「(TV)マーティン・チャズルウィッツ」で英国アカデミー賞のテレビ音楽賞にノミネートされ、2001年に「(未公開/TV)Longitude」、2002年に「(TV)フォーサイト家 〜愛とプライド〜」で同賞を受賞している。

バーゴンはTVや映画の音楽以外にもコンサート用のスコアを積極的に発表しており、ピアノ協奏曲、クラリネット五重奏、歌曲、合唱曲等を作曲している。
(2002年6月)
(2010年10月)

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