イントゥ・ザ・ストーム INTO THE STORM
作曲・指揮:ブライアン・タイラー
Composed and Conducted
by
BRIAN TYLER
演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed
by the Hollywood
Studio Symphony
(米Varese Sarabande /
302 067 292 8) 2014
2014年製作のアメリカ映画。監督はジェームズ・キャメロン監督の「タイタニック」(1997)「アバター」(2009)で第2班監督を務め、「(TV)ファイヤークラッシュ・灼熱のカタストロフ」(2002)「エイリアンズ・オブ・ザ・ディープ」(2005)「ファイナル・デッドブリッジ」(2011)等の監督作があるスティーヴン・クエイル。出演はリチャード・アーミティッジ、サラ・ウェイン・キャリーズ、マット・ウォルシュ、マックス・ディーコン、ネイサン・クレス、アリシア・デブナム=ケアリー、アーレン・エスカーペタ、ジェレミー・サンプター、リー・ウィテカー、カイル・デイヴィス、ジョン・リープ、スコット・ローレンス、デヴィッド・ドラム、ブランドン・ルイター、ジミー・グロース他。脚本はジョン・スウェットナム。撮影はブライアン・ピアソン。巨大竜巻が人々を恐怖に陥れるさまをリアリスティックなCG映像で描くディザスター映画。アメリカ中西部の街シルヴァートンでは、ゲイリー(アーミティッジ)が教頭を務める高校の卒業式が行われようとしていた。一方、竜巻の撮影に執念を燃やすピート(ウォルシュ)が率いるストーム・チェイサー・チームのメンバーで気象学者のアリソン(キャリーズ)は、シルヴァートンの気象状況にかつてない巨大竜巻の可能性を見出す。チームが特別仕様の装甲車タイタスを駆って現地へと向かうと、ついに想像を絶する巨大竜巻が発生し、シルヴァートンの街を襲う。卒業式を中断し、避難する生徒や父兄の誘導に追われるゲイリー。やがてその中にいるはずの息子ドニー(ディーコン)の姿がないことに気づくが……。18年前の1996年にスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮/ヤン・デ・ボン監督/マイケル・クライトン脚本の「ツイスター」という映画があったが、これと似た設定の映画で、ストーリーは安易だが竜巻を再現したヴィジュアル・エフェクツの迫真性が見所の作品。
音楽はスティーヴン・クエイル監督の「ファイナル・デッドブリッジ」(2011)や「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」(2014)「ミュータント・タートルズ」(2014)「ワイルド・スピード SKY
MISSION」(2015)「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(2015)等のブライアン・タイラー。「Into the
Storm」は、静かなイントロから不気味なタッチに盛り上り、ストイックなメインの主題へと展開する曲。「Atonement」「Fate」「Evacuation
and Interception」「Last Words」等も、ストイックでドラマティックな曲。「Titus Versus
the Tornado」「Culmination」「The Fire Tornado」「Multiple
Vortices」は、ダイナミックでビジーなアクション音楽。「Humanity Arising」「Providence」「We
Stand Together」「Remembrance and Regret」は、静かにメランコリックな曲。「Prelude
to Phenomenon」「Readying for Incoming Storm」は、サスペンス音楽。「The
Titus」は、ミリタリスティックなマーチ調のヒロイックな曲。「The Power of
Nature」は、壮大なタッチの曲。「Aurora」は、ギターをフィーチャーした静かにストイックな曲。ブライアン・タイラー自身がピアノ、パーカッション、ギターを演奏。タイラーは派手なアクション映画やホラー映画を得意とする作曲家だが、この作品では独特のストイシズムを帯びた主題が、災害の中で生き延びようとする主人公たちのドラマをうまく盛り上げている。
(2015年6月)
Brian Tyler
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