(未公開)キャンドルシュー/セント・エドモンドの秘宝  CANDLESHOE

作曲・指揮:ロン・グッドウィン
Composed and Conducted by RON GOODWIN

(米Intrada / Intrada Special Collection Vol.326)

 ★TOWER.JPで購入


1977年製作のアメリカ=イギリス合作映画(日本では劇場未公開でビデオ発売/テレビ放映済)。監督は「最高にしあわせ」(1967)「雪だるま超特急」(1972)「(未公開)チビッ子ギャング台風」(1975)「(未公開)スペースキャット」(1978)等のノーマン・トーカー(1919〜1979)。出演はデヴィッド・ニーヴン、ヘレン・ヘイズ、ジョディ・フォスター、レオ・マッカーン、ヴェロニカ・クインラン、イアン・シャロック、サラ・タマクニ、デヴィッド・サミュエルズ、ジョン・アルダーソン、ミルドレッド・シェイ、マイケル・バルフォア、シドニー・ブロムリー、マイケル・シーガル、ヴィヴィアン・ピックルズ、ボブ・アンダーソン他。マイケル・イネスの原作『Christmas at Candleshoe』を基に「ポリアンナ」(1960)「罠にかかったパパとママ」(1961)「努力しないで出世する方法」(1967)等の監督・脚本を手がけたデヴィッド・スウィフト「(TV)ミストラルの娘」(1984)「(TV)インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」(1992〜1993)等のローズマリー・アン・シッソンが脚本を執筆。撮影はポール・ビーソン。詐欺師のハリー・バンデイジ(マッカーン)の策略でロス・アンジェルスのダウンタウンからイギリスの片田舎に連れて来られた孤児の不良娘ケイシー・ブラウン(フォスター、撮影当時14歳)。彼女は、キャンドルシューと呼ばれる屋敷に住むセント・エドモンド夫人(ヘイズ)の孫娘で、幼い頃にロスで行方不明になったマーガレットによく似ており、身体の同じ場所に傷があった。バンデイジはケイシーをマーガレットに仕立て上げ、屋敷のどこかに隠されている財宝の在処を捜し出そうとする。夫人の他に執事プライオリー(ニーヴン)と身寄りのない3人の子供たちしかいない屋敷に潜り込んだケイシーは、財宝の場所を捜索するが、夫人が実は既に破産している事を知る……。

音楽は、1970年代にディズニー製作の劇場映画とテレビ映画を何本か手がけているイギリスの作曲家ロン・グッドウィン(1925〜2003)。「Main Titles (Retake)」は、明るく快活でリズミックなメインタイトルで、一発で憶えられるキャッチーな主題はグッドウィンの真骨頂。「Casey Is Carried Off」「Casey Is Apprehended in the Library」「Casey in the Churchyard」「Casey Gets Knocked Out」は、サスペンス音楽。「Casey Arrives in London」は、ファンファーレからコミカルなタッチの主題へ展開。「Bundage Writes a Letter / Casey Comes to Candleshoe」「Casey Explores Candleshoe」は、メインの主題のバリエーション。「Tea with Lady St. Edmund」は、ややコミカルなタッチのサスペンス音楽。「Lady St. Edmund Welcomes Casey」は、イングランドの有名な民謡「グリーンスリーヴス」が口笛からオーケストラへの演奏へと展開。「Lady St. Edmund Dismisses Gipping」「The Treasure Is Found」は、明るく快活な曲。「Casey Takes a Walk with Lady St. Edmund」は、ややメランコリックなタッチ。「Casey Finds the First Clue」は、メインの主題の荘厳でエレガントなタッチのバリエーション。「A Fight in the Family」は、マーチ調の明るく快活でダイナミックな曲。「Colonel Dennis at the Gallop」は、グッドウィンの得意とする明るく勇壮なミリタリスティックマーチ。「Market Day」は、メインの主題のバリエーションから快活なマーチへ。「Candleshoe Waltz (Film Mix)」は、優雅なワルツ。「Catching the 12:20 Train」は、ダイナミックで躍動的な曲。「The Big Fight at Candleshoe」「Bundage Comes Back for More」は、ダイナミックでパワフルなアクション音楽で、歯切れの良いブラスの響きがグッドウィンらしい。「End Title」は、メインの主題の荘厳なアレンジメントが大らかに盛り上がって締めくくる。最後にエクストラとしてメインタイトルの別テイク、「Greensleeves」のピアノによる演奏、「Candleshoe Waltz」の別バージョン等の7曲を収録。
明るくパワフルな“グッドウィン節”が堪能できる傑作。このスコアは1980年にグッドウィン自身がボーンマス交響楽団を指揮して録音したコンピレーション「DRAKE 400」(英Chandos / CHAN 8811)にメインタイトルのみが収録されていたが、このIntradaレーベルのCDはサントラ音源によるコンプリート・スコアの初リリースで、限定プレス。
(2015年10月)

Ron Goodwin

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2015  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.