(未公開)LES DEUX AMIS
(未公開)アンニュイ 〜倦怠の季節〜 E LA CHIAMANO ESTATE

作曲: フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE

指揮:
ドミニク・スパニョーロ
Conducted by DOMINIQUE SPAGNOLO

演奏: ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony Orchestra (E LA CHIAMANO ESTATE)


(スペインQuartet Records / QR201)

 ★TOWER.JPで購入


フランスのベテラン作曲家フィリップ・サルド(1945〜)が2015年と2012年に手がけたスコアをカップリングにしたCD。

「(未公開)LES DEUX AMIS」は2015年製作のフランス映画(英語題名は「TWO FRIENDS」)。「ドリーマーズ」(2003)「灼熱の肌」(2011)「ジェラシー」(2013)「SAINT LAURENT/サンローラン」(2014)等の出演作のあるルイ・ガレル(1983〜)の長編監督デビュー作で、出演もしている。共演はゴルシフテ・ファラハニ、ヴァンサン・マケーニュ、マオー・アダム、ピエール・メレ、クリステル・ドゥローズ、リズレーヌ・エル・コーエン、イェン・トラム・レ・タイ、ヒトミ・リョーケ・デュラン、ユリシーズ・コロリツキー、ローラン・ラファルグ、リシッド・ハミ、エマニュエル・マット、マノン・コーム、ピエール・ドゥヴェリーヌ他。脚本はルイ・ガレルとクリストフ・オノレ。撮影はクレール・マトン。映画のエキストラの仕事をしているヴァンサン(マケーニュ)は、駅のパン屋で働く美しいモナ(ファラハニ)に一目惚れし、彼女をデートに誘うが、モナはヴァンサンの親友で、ガソリンスタンドで働くアベル(ガレル)の方に惹かれていた。モナは実は刑務所の囚人で、昼間の間だけ街で働くことが許されており、夜には必ず刑務所に戻る必要があった……。2015年度カンヌ国際映画祭のカメラ・ドール(新人監督賞)とクィア・パルムにノミネートされている。

監督のルイ・ガレル「恋人たちの失われた革命」(2005)「愛の残像」(2008)等のフィリップ・ガレル監督の息子)は、かつてのクロード・ソーテ監督やアンドレ・テシネ監督作品にフィリップ・サルドが作曲したような私的で親密なスコアを求めており、サルドはその希望に応える美しいスコアを提供している。「Sortie de prison」は、ややメランコリックなイントロからピアノとストリングスによる快活でリリカルなタッチの主題へと展開。「Les douches」「L'oiseau」は、繊細で美しい曲。「Les baisers」は、リリカルなピアノ曲。「Mai 68」は、ピアノとストリングスによるメランコリックな曲。「Le tournage」「L'attente」「La course」は、ピアノとストリングスによる快活でリリカルなタッチの曲。「La lettre」「A la porte」「Retour en prison」は、メランコリックで繊細なタッチの曲。「Le malaise」「Le cafe」は、明るくジェントルな曲。ピアノはエリザベス・バーレイ、ハープはスカイラ・カンガ、クラリネットはアンドリュー・マリナーの演奏。

「(未公開)アンニュイ 〜倦怠の季節〜(E LA CHIAMANO ESTATE)」は、2012年製作のイタリア映画(日本では劇場未公開でDVD発売済み/英語題名は「AND THEY CALL IT SUMMER」)。監督は「(未公開)見つめる女」(2004)等のパオロ・フランキ(1969〜)。出演はジャン=マルク・バール、イザベラ・フェラーリ、ルカ・アルジェンテーロ、フィリッポ・ニグロ、ジャン=ピエール・ロリ、マウリツィオ・ドナドーニ、ロミーナ・カルリシ・Jr、アニータ・クラヴォス、エヴァ・リッコボーノ、クリスチャン・ブルアーノ他。パオロ・フランキの原案を基にパオロ・フランキ、ダニエラ・チェゼッリ、リナルド・ロッコとハイドラン・シュリーフが脚本を執筆。撮影はチェーザレ・アチェッタとヴィンチェンツォ・カルピネータ。深く愛し合いながらも肉体関係を持とうとしないディノ(バール)とアンナ(フェラーリ)。ディノはアンナに触れられない苦しみから、娼婦たちとの愛のない関係に溺れるが……。

フィリップ・サルドの音楽はロンドン交響楽団の流麗な演奏による6楽章から構成されたスコア。「E la chiamano Estate - Mouv.I」は、情感豊かで美しい曲。「Mouv.II」「Mouv.III」「Mouv.V」「Mouv.VI」は、静かにメランコリックでドラマティックな曲。「Mouv.IV」は、ややダークなタッチの曲。サルド独特の繊細さと深みを持った美しくドラマティックなスコア。
(2015年11月)

Philippe Sarde

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2015  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.