(未公開)BANOVIC STRAHINJA
作曲・指揮:アルフィ・カビリョ
Composed and Conducted by ALFI
KABILJO
演奏:ジャドラン・フィルム混声合唱団・管弦楽団、ザグレブ大学アンサンブル
Performed by Jadran Film Mixed Choir
and
Orchestra,
Ensambles
Universitas Studiorum Zagrabienzis
(マルタKronos
Records / KRONGOLD021)
1981年製作のユーゴスラビア=西ドイツ(いずれも当時)合作映画(英語題名は「THE FALCON」)。監督は「孤独」(1958)「永遠自動車会社」(1961)「日記」(1962)「チフス」(1963)等のアニメーション作品を手がけているクロアチア共和国出身のヴァトロスラフ・ミミツァ(1923〜)。出演はフランコ・ネロ、ゲルト・フレーベ、ドラガン・ニコリッチ、サーニャ・ヴェイノヴィッチ、ラデ・シェルベッジア、ニコラ=コレ・アンゲロフスキー、ペーター・バニチェヴィッチ、ミオドラグ・ラドヴァノヴィッチ、ストーレ・アランジェロヴィッチ、ラドシュ・バイチ、ミルコ・ボーマン、ジゼラ・ファケルデイ、ミラジャナ・カウズラリッチ、ズラトゥコ・マデュニッチ、シャルル・ミロ他。脚本は「ジプシーの唄をきいた」(1967)「(未公開)嵐を呼ぶ女」(1968)等のアレクサンドル・ペトロヴィッチとヴァトロスラフ・ミミツァ。撮影は「奇襲ゼロ攻撃隊」(1962)「ドルバー大攻略戦」(1968)等のブランコ・イワトヴィッチ。1388年のセルビア――セルビア軍がオスマン軍に敗北した1389年のコソボ平原での戦いの前年。地方の領主バノヴィッチ・ストラフィニャ(ネロ)の留守中に、トルコ人のアリジャ(ニコリッチ)率いる盗賊たちが城館を襲撃し、農民たちを虐殺してバノヴィッチの妻アンジャ(ヴェイノヴィッチ)を略奪していく。バノヴィッチは盗賊たちを追い、妻アンジャを奪還しようとするが、アンジャは盗賊の首領アリジャに徐々に心を惹かれていく……。セルビアに古くから伝わる詩に登場する伝説の英雄を描いたドラマ。
音楽は「ガンバス(Sky
Bandits)」(1986)で豪快なアドヴェンチャー・スコアを作曲したクロアチア出身の作曲家アルフィ・カビリョ(1935〜)。「Main
Title」は、オーケストラとコーラスによる中世風でドラマティックなメインタイトルで、フルートによるややメランコリックなタッチのメインの主題が印象的。このメインの主題は「Renaissance
Landscape」「The Falcon」「Green Swamp (Alija and Andja)」「Banovic Strahinja - The
Falcon 2」「Court of Jug Bogdan」「Duel 3 - Time for
Punishment」等でも繰り返される。「Green Flags」「Turkish
Dance」は、パーカッションと民族楽器による躍動的な舞踏曲。「Massacre」は、男声コーラスを加えたダークなタッチの曲。「Deserted
Yard」「Jefimija」は、オーケストラとコーラスによるドラマティックな曲。「Caught in the
Net」は、パーカッションと民族楽器によるアブストラクトなタッチのサスペンス音楽。「The Prayer
1」は、男声コーラスによる荘厳な賛美歌風の曲。「Dervish」「Abdullah Led to the
Stake」は、パーカッションと民族楽器による舞踏音楽風の曲。「Lamentoso」は、男声コーラスによる荘厳なタッチの曲。「Impalement
1」「Impalement 2」「Impalement 3」「Abdullah on Stake」「Ravaged Turkish
Camp」は、パーカッションと民族楽器によるややアブストラクトな曲。「Duel 1」「Duel
2」は、重厚でダークなタッチの曲。「The Prayer
2」は、コーラスによる荘厳な曲。「End
Title」は、メインの主題のリプライズによるエンドタイトル。中世風の民族色豊かなドラマティック・スコア。
アルフィ・カビリョのスコアはこれまで「ガンバス」のサントラ盤しかリリースされていなかったので、これはファンにとっては貴重なリリース。300枚限定プレス。
(2016年4月)
Alfi Kabiljo
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