スターシップ・トゥルーパーズ  STARSHIP TROOPERS (The Deluxe Edition)

作曲・指揮:ベーシル・ポールドゥーリス
Composed and Conducted by BASIL POLEDOURIS

指揮:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

 
(米Varese Sarabande / VCL 0516 1168)

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1997年製作のアメリカ映画(日本公開は1998年5月)。監督は「ロボコップ」(1987)「トータル・リコール」(1990)「氷の微笑」(1992)「ショーガール」(1995)「インビジブル」(2000)「ブラックブック」(2006)「ポール・ヴァーホーヴェン/トリック」(2012)等のオランダ出身のポール・ヴァーホーヴェン(1938〜)。出演はキャスパー・ヴァン・ディーン、ディナ・メイヤー、デニース・リチャーズ、ジェイク・ビューシイ、ニール・パトリック・ハリス、クランシー・ブラウン、パトリック・マルドゥーン、マイケル・アイアンサイド、マーシャル・ベル、セス・ギリアム、ルー・マクラナハン、デイル・ダイ、ブレイク・リンズレイ、エリック・ブラスコッター、ブレンダ・ストロング他。『宇宙船ガリレオ号』(1947)『夏への扉』(1957)『異星の客』(1961)等の名作で知られるアメリカのSF作家ロバート・A・ハインライン(1907〜1988)の原作『宇宙の戦士』を基にエド・ニューマイヤーが脚本を執筆。撮影はヨスト・ヴァカーノ。特撮監修はフィル・ティペット。“アラクニド種”と呼ばれる昆虫型異星生物(バグス)との戦争状態にある未来の地球では、地球連邦政府の支配の下、市民権を得るために軍隊に志願し兵役につく必要があった。ブエノスアイレスのハイスクールを卒業したジョニー・リコ(ヴァン・ディーン)は、宇宙軍のパイロットを目指す恋人のカルメン・イバネス(リチャーズ)、俊才にしてエスパーのカール(パトリック・ハリス)と共に軍隊に志願した。最も苛酷な機動歩兵部隊に配属されたリコは、鬼教官ズィム軍曹(ブラウン)の下、彼に恋する同級生のディジー(メイヤー)と猛訓練の日々を経て優れた兵士に成長した。実弾訓練中の事故の責任を取って一度は軍を離れようとしたジョニーだったが、その矢先にバグスの襲撃が始まる。故郷ブエノスアイレスの壊滅を知ったジョニーは、仲間たちと戦地のクレンダス星へと向かう……。グラフィックで残虐な戦闘描写と、プロパガンダ映画のパロディのようなタッチの組み合わせでエイリアンとの死闘を描いたヴァーホーヴェン監督の痛快作。1997年度アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされている。
その後シリーズ化され、実写映画の「スターシップ・トゥルーパーズ2(STARSHIP TROOPERS 2: HERO OF THE FEDERATION)」(2003/監督:フィル・ティペット、出演:リチャード・バージ、コリーン・ポーチ、音楽:ジョン・モーガン、ウィリアム・T・ストロンバーグ)、「スターシップ・トゥルーパーズ3(STARSHIP TROOPERS 3: MARAUDER)」(2008/監督:エド・ニューマイヤー、出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、ジョリーン・ブラロック、音楽:クラウス・バデルト、イーアン・ハニーマン、アンドリュー・レイハー)、TVアニメ・シリーズの「(TV)スターシップ・トゥルーパーズ(STARSHIP TROOPERS: THE SERIES)」(1999/製作:オード・ペイデン、声の出演:クランシー・ブラウン、E・G・デイリー、音楽:ウェイン・ブーン、ジム・レイサム)、CGアニメ映画の「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン(STARSHIP TROOPERS: INVASION)」(2012/監督:荒牧伸志、声の出演:デヴィッド・マトランガ、ルーシー・クリスチャン、音楽:高橋哲也)が製作されている。

音楽は「(未公開)グレート・ウォリアーズ/欲望の剣」(1985)「ロボコップ」(1987)でもポール・ヴァーホーヴェン監督と組んでいるベーシル・ポールドゥーリス(1945〜2006)。「Fed-Net #1 / Bug Attack on Newsman」は、ミリタリスティックなスネアドラムのフレーズ、ファンファーレに続いて勇壮なマーチへと展開するオープニングから戦闘シーンのサスペンスアクション音楽へ。「Kiss in the Park (unused)」は、フルート・ソロをフィーチャーしたジェントルな曲。「Telepathy Practice / Carl Orders Cyrano」「Fed-Net #4」は、抑制されたサスペンス音楽。「Friends Forever」「Transporting」「Dear John」「Johnny and Dizzy」は、ジェントルなタッチの曲。「Fed-Net #2 / Crime and Punishment」は、ファンファーレからマーチに展開。「Carmen's Shuttle Ride」は、ジェントルで快活な曲。「Undocking」は、抑制されたタッチからヒロイックな主題へ。「Teamwork」は、躍動的な曲。「Breckinridge Killed」は、ミリタリスティックなサスペンス音楽。「Punishment / Asteroid Grazing」は、ダークなサスペンス音楽からジェントルな主題、ダイナミックなサスペンスアクション音楽へと展開。「Call to War / Bad News from Home」は、リズミックでダイナミックなサスペンス音楽。「War!!」は、ポールドゥーリス節のストイックなマーチ。「Fed-Net #3 / Countdown to Victory」は、ややコミカルなタッチのマーチからヒロイックな主題へ。「Klendathu Drop」は、ストイックかつパワフルなミリタリック・アクション音楽で痛快。「Klendathu Battle (unused)」は、アブストラクトなイントロからダイナミックなサスペンスアクション音楽へ展開。「The Fleet Limps Home (partially unused)」は、ダークでストイックなタッチの曲。「Battle Ready」は、ヒロイックなファンファーレ。「Rasczak's Roughnecks」は、ダークでダイナミックなマーチ風の曲。「Tango Urilla」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Hopper Canyon / Mess Hall Mess」は、ダークなサスペンス音楽からビジーなアクション音楽へ。「“Bugs!!!”」は、不吉なイントロからダイナミックでパワフルなアクション音楽へと展開する曲で、ポールドゥーリスの本領発揮。「Radio Shack / Whiskey Outpost Pt. 2 / Death of Dizzy」は、ストイックでヒロイックなアクション音楽。「Dizzy's Funeral」は、ドラマティックな曲。「Rico's Roughnecks / Destruction of The Rodger Young / Bug City」は、ミリタリスティックなサスペンス音楽からビジーでダイナミックなアクション音楽へ。「Brainbug / Cave Nuke」は、メランコリックなタッチからストイックなサスペンス音楽へ。「They Will Win」は、ヒロイックなマーチからダイナミックなサスペンスアクション音楽へ。「End Titles」は、ストイックかつパワフルな「Klendathu Drop」の主題、ヒロイックな主題、ダークな主題、ダイナミックな「“Bugs!!!”」の主題へと展開するエンドタイトル。ボーナス・トラックとしてベーシルの娘ゾーイ・ポールドゥーリスの作曲・作詞・ヴォーカルによる挿入歌2曲「Into It」「I Have Not Been to Oxford Town」及び「Klendathu Battle(Version 1)(unused)」「“Bugs!!!”(Version 1)(unused)」の別バージョンを収録しているが、後者2曲は更にパワーアップしたアレンジで、痛快無比。ベーシル・ポールドゥーリスの作品中では「コナン・ザ・グレート」(1982)「ロボコップ」(1987)と並ぶ“燃える”系のパワフル・スコア。

このスコアは公開当時に米Varese Sarabandeレーベルから11曲/約36分収録のサントラCDが出ていたが、今回同じVareseレーベルがリリースした「The Deluxe Edition」はCD2枚組で、全35曲/約104分を収録。3000枚限定プレス。

過去のリリースと今回の「The Deluxe Edition」の収録曲は以下の通り。

<The Deluxe Edition>

Disc One

1. Fed-Net #1 / Bug Attack on Newsman (2:52)
2. Kiss in the Park (unused) (1:01)
3. Telepathy Practice / Carl Orders Cyrano (:43)
4. Friends Forever (:44)
5. Transporting (1:20)
6. Fed-Net #2 / Crime and Punishment (:19)
7. Carmen's Shuttle Ride (1:40)
8. Undocking (1:55)
9. Teamwork (:46)
10. Dear John (1:03)
11. Breckinridge Killed (1:03)
12. Punishment / Asteroid Grazing (5:36)
13. Call to War / Bad News from Home (2:25)
14. War!! (:53)
15. Fed-Net #3 / Countdown to Victory (:39)
16. Klendathu Drop (4:45)
17. Klendathu Battle (unused) (3:59)
18. Fed-Net #4 (:59)
19. The Fleet Limps Home (partially unused) (3:07)
20. Battle Ready (:36)
21. Rasczak's Roughnecks (:53)
22. Tango Urilla (5:12)
23. Johnny and Dizzy (1:30)
24. Hopper Canyon / Mess Hall Mess (4:12)

Disc Two

1. “Bugs!!!” (3:00)
2. Radio Shack / Whiskey Outpost Pt. 2 / Death of Dizzy (7:25)
3. Dizzy's Funeral (1:16)
4. Rico's Roughnecks / Destruction of the Rodger Young / Bug City (9:33)
5. Brainbug / Cave Nuke (3:57)
6. They Will Win (3:59)
7. End Titles (10:03)

Bonus Tracks:

8. Into It Performed by Zoe Poledouris (4:32)
9. I Have Not Been to Oxford Town Performed by Zoe Poledouris (3:48)
10. Klendathu Battle (Version 1) (unused) (4:14)
11. “Bugs!!!” (Version 1) (unused) (2:59)

Total Duration: 01:43:58

<Original CD / Varese Sarabande VSD-5877>

1. Fed Net March (:49)
2. Klendathu Drop (4:29)
3. Punishment / Asteroid Grazing (4:50)
4. Tango Urilla (3:50)
5. Hopper Canyon (2:44)
6. Bugs!! (02:20)
7. Dizzy's Funeral (1:18)
8. Destruction of Roger Young (3:27)
9. Brainbug (3:59)
10. They Will Win (4:01)
11. Into It (4:36) Music and Lyrics by Zoe Poledouris 

Total Duration: 00:36:23

(2016年7月)

Basil Poledouris  


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