BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント  THE BFG

作曲・指揮:ジョン・ウィリアムス
Composed and Conducted by JOHN WILLIAMS

(米Walt Disney Records / D002236202)

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2016年製作のアメリカ=イギリス=カナダ合作映画(日本公開は2016年9月17日)。監督は「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」(2011)「戦火の馬」(2011)「リンカーン」(2012)「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015)等のスティーヴン・スピルバーグ(1946〜)。出演はマーク・ライランス、ルビー・バーンヒル、ペネロープ・ウィルトン、ジェマイン・クレメント、レベッカ・ホール、レイフ・スポール、ビル・ヘイダー、オラフル・ダッリ・オラフソン、アダム・ゴッドリー、マイケル・アダムスウェイト、ダニエル・ベーコン、ジョナサン・ホームズ、クリス・ギブス、ポール・モニッツ・デ・サ、マリリン・ノリー他。「36時間」(1964)「(TV)ロアルド・ダール劇場/予期せぬ出来事」(1979〜1988)「チャーリーとチョコレート工場」(2005)「ファンタスティック Mr.FOX」(2009)等の原作や「007は二度死ぬ」(1967)「チキ・チキ・バン・バン」(1968)等の脚本で知られるイギリスのミステリ作家ロアルド・ダール(1916〜1990)の児童文学『オ・ヤサシ巨人BFG』を基に「ワイルド・ブラック/少年の黒い馬」(1979)「マジック・ボーイ」(1982)「E.T.」(1982)「トワイライトゾーン/超次元の体験」(1983)等のメリッサ・マシスン(1950〜2015)が脚本を執筆(この映画は昨年他界した彼女に捧げられている)。撮影はヤヌス・カミンスキー。ロンドンの児童養護施設で暮らす10歳の少女ソフィー(バーンヒル)は、ある夜ひとりで起きていると、町を行く体長24フィートの巨大な男(ライランス)と目が合ってしまう。するとその巨人は手を伸ばしてソフィーを掴み、巨人の国へと連れ去る。彼は、夜な夜な子どもたちに夢を届けている心優しい巨人BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)だった。次第に心を通わせていく2人に、奇想天外な冒険が待ち受けていた……。

音楽はスピルバーグ監督と永年コラボレーションを続けているジョン・ウィリアムス(1932〜)。「Overture」は、明るく快活でエレガントなメインの主題による序曲。この主題は「Building Trust」「Sophie's Future」「There Was a Boy」等でも登場する。「The Witching Hour」は、静かにミステリアスでメランコリックなタッチから後半ダイナミックなアクション音楽へ。「To Giant Country」は、躍動的でダイナミックな曲。「Dream Country」は、ジェントルな主題から軽快なタッチ、サスペンス音楽へと展開する曲。「Sophie's Nightmare」「The Queen's Dream」は、ビジーで不吉なタッチのサスペンス音楽。「Fleshlumpeater」は、ややコミカルなタッチのダークなマーチ調の曲。「Dream Jars」は、軽快なタッチのサスペンス音楽。「Frolic」は、ダークなサスペンス調から明るく躍動的なタッチへ。「Blowing Dreams」は、ジェントルな曲。「Snorting and Sniffing」「Giants Netted」は、メインの主題を織り込んだ躍動的なサスペンス音楽。「The Boy's Drawings」は、メインの主題から大らかな主題へと展開。「Meeting the Queen」は、ジェントルで荘厳な曲。「Finale」は、ピアノによるメインの主題のフィナーレ。ラストの「Sophie and the BFG」は、メインの主題から不吉なタッチの主題、ジェントルな主題等がメドレーで展開する曲。メインの主題のインパクトが少し弱いが、ベテランらしい安定感のあるファンタジー・スコア。
(2016年8月)

John Williams

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