(未公開)L'OUTSIDER
作曲・指揮:フィリップ・ロンビ
Composed and Conducted
by
PHILIPPE ROMBI
演奏:ベラルト交響楽団
Performed by
l'Orchestre symphonique
Bel Arte
(仏Music
Box Records / MBR-097)
2016年製作のフランス映画(英語題名は「TEAM
SPIRIT」)。監督は「リュミエールの子供たち」(1995)「コーラス」(2004)「幸せはシャンソニア劇場から」(2008)等のクリストフ・バラティエ(1963〜)。出演はアルチュール・デュポン、フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾン、サブリナ・ウアザニ、テューフィク・ジャラブ、トマ・クーマン、ソラン・プレヴォ、フランツ=ルドルフ・ラング、リュック・シルツ、マーメド・アレツキ、アンブローズ・ミシェル、ベンジャミン・ラモン、ステファーヌ・バック、マ・ベルシト、ロビー・スキナシ、スティーヴ・ドリーサン他。ジェローム・ケルヴィエルの原作『L'Engrenage, Mémoires d'un
trader』とジェローム・コルコスの原案を基にクリストフ・バラティエとローラン・テュルネールが脚本を執筆。撮影はジェローム・アルメラ。製作はジャック・ペランとニコラ・モーヴェルネイ。2008年にフランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルに不正トレーディングで49億ユーロ(約7700億円)の損失を与えた行員ジェローム・ケルヴィエル(当時31歳)の自伝を基にしたドラマ。ケルヴィエル(この映画ではデュポンが演じる)は背任罪やシステムへの不正アクセス等の罪状で有罪となり、禁錮5年、損害賠償49億ユーロの判決を受けたが、上訴。2014年3月に出た最高裁判所の判決では禁錮5年(執行猶予2年)、損害賠償金についてはソシエテ・ジェネラル側にも責任の一端があるとして改めて審査となった。
音楽はフランソワ・オゾン監督とのコラボレーションで知られ、クリストフ・バラティエ監督とは「(未公開)LA NOUVELLE GUERRE DES
BOUTONS」でも組んでいるフィリップ・ロンビ(1968〜)。「Ouverture」は、不吉なタッチのイントロからストイックでスリリングなタッチのメインの主題へ展開する序曲。「Les
Tours」「Le Temps Passe」「Sofia」「Lâcher la Terre」「Crise en Haut
Lieu」は、静かにサスペンスフルな曲。「Le Premier Jour」「Nuit sur le Desk」「Buy!
Buy!」は、リズミックでスリリングな曲。「Premier Spiel」「L'Engrenage」「Le Tout pour
le Tout」は、サスペンス音楽。「Évocation 11/09」「Mort du
Père」「Rapprochement」「Le Pardon」「Dernier Week-end」「Révélations」「C'est
Fini」は、静かにメランコリックな曲。ラストの「Final et Générique
fin」は、リズミックでスリリングなメインの主題によるエンドタイトル。ボーナストラックとして荘厳な男声コーラス曲「Tu Che
Mi Fai
Piangere」を収録。フィリップ・サルドやガブリエル・ヤレの犯罪映画スコアを想起させるクールなタッチのスコア。
ヴァイオリン・ソロはアンドレ・ルバック、ピアノ・ソロはフィリップ・ロンビ、チェロ・ソロはアレクサンドル・ジオルダン。
(2016年9月)
Philippe
Rombi
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