ノクターナル・アニマルズ  NOCTURNAL ANIMALS

作曲・指揮:アベル・コルジェニオウスキ
Composed and Conducted by ABEL KORZENIOWSKI

(英Silva Screen / SILCD1525)

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2016年製作のアメリカ映画(日本公開は2017年秋)。監督・脚本はアメリカのファッションデザイナーで初監督作「シングルマン」(2009)が第66回ヴェネチア国際映画祭に正式出品されたトム・フォード(1961〜)。出演はエイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン、アイラ・フィッシャー、エリー・バンバー、アーミー・ハマー、カール・グラスマン、ロバート・アラマヨ、ローラ・リニー、アンドレア・ライズボロー、マイケル・シーン、インディア・メヌエズ、イモージェン・ウォーターハウス、フランコ・ヴェガ他。撮影はシーマス・マクガーヴェイ。アメリカの作家オースティン・ライト(1922〜2003)の原作『ミステリ原稿(Tony and Susan)』の映画化。アートキュレーターのスーザン・モロー(アダムス)は、20年以上前に離婚した元夫のエドワード(ギレンホール)から小説の原稿を受け取る。その小説『夜の獣たち(Nocturnal Animals)』は、大学教授のトニー・ヘイスティングス(ギレンホール二役)が妻と娘とドライブ旅行中に暴漢に襲われて2人を惨殺され、自責の念と復讐心にさいなまれるが、やがて警察から連絡のあった犯人と対決する、というストーリーだった……。2016年度アカデミー賞の助演男優賞(マイケル・シャノン)、ゴールデン・グローブの監督賞、脚本賞にノミネートされ、ヴェネチア国際映画祭の審査員大賞(トム・フォード)、ゴールデン・グローブの助演男優賞(アーロン・テイラー=ジョンソン)を受賞している。

音楽はトム・フォード監督の前作「シングルマン」のスコアでゴールデン・グローブの音楽賞にノミネートされたポーランド出身のアベル・コルジェニオウスキ(1972〜)。「Wayward Sisters」は、情感豊かでドラマティックかつパワフルなメインの主題。この主題は「Restless」「City Lights」でも繰り返される。「Exhibition」は、センシュアルな女声を織り込んだドラマティックな曲。「A Solitary Woman」「Table for Two」は、リリカルなピアノとストリングスによるサスペンスフルな曲。「Off the Road」は、ダークなタッチ。「Revenge」「Crossroads」「Mothers」は、ドラマティックかつサスペンスフルな曲。「The Field」「The Field (alt. version)」「Fairy Tale (Bonus Track)」は、繊細かつメランコリックで美しい曲。「シングルマン」に通ずる情感豊かなドラマティック・スコア。アベル・コルジェニオウスキは、最近の作曲家の中でも真に“映画音楽的”な響きをもったスコアを作曲する稀有な才能だと感じる。ヴァイオリン・ソロはガブリエル・レスター、チェロ・ソロはニック・クーパー、ピアノはデイヴ・アーチ、ヴォーカルはミナ・コルジェニオウスキの演奏。
(2017年5月)

Abel Korzeniowski

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