(未公開)ああ月旅行 JULES VERNE'S ROCKET TO THE MOON
作曲・指揮:ジョン・スコット
Composed and Conducted by JOHN SCOTT
(米Kritzerland / KR 20032-0)
1967年製作のイギリス映画(日本では劇場未公開でテレビ放映済。放映時の別タイトルは「SF騒動記・宇宙ロケット発進!」)。監督は「海賊船悪魔号」(1964)「怪人フー・マンチュー」(1964)「白夜の陰獣」(1965)「怒りの日」(1975)「(未公開)39階段」(1978)「オーロラ殺人事件」(1979)等のドン・シャープ(1921〜2011)。出演はバール・アイヴス、ジミー・クリセロー、テリー=トーマス、グレアム・スターク、ゲルト・フレーベ、ライオネル・ジェフリーズ、デニス・プライス、トロイ・ドナヒュー、ダリア・ラヴィ、エドワード・デ・スーザ、ハーマイオニー・ジンゴールド、ジュディ・コーンウェル、レネイト・フォン・ホルト、モーリス・デンハム他。ピーター・ウェルベック(ハリー・アラン・タワーズ)の原案を基にデイヴ・フリーマンが脚本を執筆。撮影はレグ・ワイヤー。SFXはレス・ボウイとパット・ムーア。製作は「(未公開)吸血のデアボリカ」(1970)「そして誰もいなくなった」(1974)「(TV)新シャーロック・ホームズ/ホームズとプリマドンナ」(1990)「(TV)国際諜報員ハリー・パーマー/三重取引」(1994)等のハリー・アラン・タワーズ(1920〜2009)。アメリカ人の興行主フィニーズ・T・バーナム(アイヴス)と仲間たちは、ウェールズにある山の側面に建造した巨大な砲塔から弾丸のように発射するロケットを開発し、初の月旅行を成し遂げようとしていたが、資金面でのトラブルやスパイ、妨害者たちにより計画は難航する……。1960年代のイギリスのコメディ俳優陣が共演した作品。
音楽はドン・シャープ監督と「怒りの日」(1975)でも組んでいるイギリスの作曲家ジョン・スコット(1930〜)。「Opening
Titles / Queen Victoria at Barsett House」は、勇壮なファンファーレから明るく快活なワルツ調のメインテーマ、荘厳なマーチへと展開。「The
Start of a Magnificent Adventure」は、抑制されたサスペンス調から優雅な主題へ。「The
Balloon Goes Up - The Balloon Goes Down」は、サスペンス音楽。「Proposal in
the Park」は、牧歌的なワルツ。「Enter the Villains」「Barnum Burns His
Fingers」「The Great Gas Car Chase」は、コミカルなタッチの曲。「Madeline in
Distress」は、ヴァイオリン・ソロをフィーチャーしたサスペンス調からクラシカルなタッチ、コミカルなタッチへと展開。「The
Bride to Be and The Despicable Cad」は、重厚でダークなタッチから「結婚行進曲」の主題へ。「A
Barrel of Bulovite」は、ダイナミックなアクション音楽。「Von Bulow St.arts His
Experiments」は、ストイックなサスペンス音楽。「The Moonship on Display」は、陽気で快活なマーチ。「The
Queen at the Launching」は、勇壮なマーチ。「Flight of the Moonship」は、ダイナミックで勇壮なアクション音楽から明るく快活なメインテーマのリプライズで締めくくる。ロン・グッドウィン作曲の「素晴らしきヒコーキ野郎」(1965)や「モンテカルロ・ラリー」(1969)に通ずるカラフルなオーケストラル・スコア。
このスコアは公開当時にイギリスのPolydorレーベルからサントラLP(Polydor 583
013)が出ていたが、これは同内容の初CD化で、1000枚限定プレス。
(2017年6月)
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