ロダン カミーユと永遠のアトリエ RODIN
作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE
(仏BOriginal / BO 038)
2017年製作のフランス=アメリカ=ベルギー合作映画。監督・脚本は「小さな赤いビー玉」(1975)「ラ・ピラート」(1984)「女の復讐」(1989)「ポネット」(1996)「ラブバトル」(2013)等のジャック・ドワイヨン(1944〜)。出演はヴァンサン・ランドン、イジア・イジュラン、セヴリーヌ・カネル、ベルナール・ヴェルレイ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、アルチュール・ノーズィシエル、ローラン・ポワトルノー、オリヴィエ・カディオ、アレクサンドル・オーレ、ルイーズ・ル・パープ、モルガーヌ・ドゥ・ヴァルガ、ニア・アコスタ、ポーリーヌ・クースティ、サンドリーヌ・グールバン、ギィレーヌ・ペアン他。撮影はクリルトフ・ボーカルヌ。『地獄の門』『考える人』等の作品で知られるフランスの彫刻家フランソワ=オーギュスト=ルネ・ロダン(1840〜1917)の半生を、没後100年を記念してパリ・ロダン美術館全面協力のもとに描いた伝記ドラマ。42歳になった彫刻家ロダン(ランドン)は弟子入りを切望するカミーユ・クローデル(イジュラン)と出会い、やがて激しく愛し合う関係になる。しかし、彫刻家として野心を抱くカミーユは次第にロダンを拒絶するようになり、一方のロダンはカミーユに対する思いを発散させるかのように、モデルたちと奔放な日々を繰り返す……。2017年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出されている。
音楽はジャック・ドワイヨン監督と「小さな赤いビー玉」(1975)「ラ・ピラート」(1984)「イザベルの誘惑」(1985)「ふたりだけの舞台」(1987)「ピストルと少年」(1990)「(未公開)若きウェルテル」(1993)「ポネット」(1996)でも組んでいるフィリップ・サルド(1948〜)。「Auguste
Rodin」は、ストリングスとピアノによる繊細で美しくドラマティックな曲で、物憂げなタッチがサルドらしい。「L'atelier」は、ストリングスによるクラシカルなタッチの曲。「Rose
et Auguste」は、ピアノとストリングスによる静かにドラマティックな曲。「La robe de chambre」は、躍動的でダイナミックなピアノ曲。「Victor
Hugo et Balzac」は、ストリングスとピアノによる繊細なタッチの曲。「Chez Camille」は、ピアノによる美しくややメランコリックな曲。「Dialogue
avec le visage de Camille」は、チェロ・ソロをフィーチャーした静かにドラマティックな曲。「La
cathédrale」は、ストリングスとピアノによるメランコリックな曲。「La porte de l'enfer」は、ピアノによる繊細で美しい曲。
全編32分ほどの短いスコアだが、フィリップ・サルドの個性が強く出た作品で、ファンとしてはその健在ぶりが嬉しい。オーケストレーションはドミニク・スパニョーロ。ピアノはハワード・シェリー、ヴァイオリンはマイケル・デイヴィス、チェロはスーザン・モンクスとリチャード・レスターの演奏。
尚、1996年にフランスのEMIレーベルからジャック・ドワイヨン監督とフィリップ・サルドのコラボレーション作品を集めた以下のコンピレーションCDが出ている。
「Hommage à Jacques Doillon」
(仏EMI Music / 854684-2)
<収録作品>
・「ポネット(Ponette)」(3曲)
・「ピストルと少年(Le petit criminel)」(2曲)
・「ふたりだけの舞台(Comédie!)」(2曲)
・「ラ・ピラート(La pirate)」(2曲)
・「(未公開)若きウェルテル(Le jeune Werther)」(1曲)
・「イザベルの誘惑(La tentation d'Isabelle)」(3曲)
・「小さな赤いビー玉(Un sac de billes)」(1曲)
(2017年9月)
Philippe Sarde
Soundtrack Reviewに戻る
Copyright (C) 2017 Hitoshi Sakagami. All Rights Reserved.