2重螺旋の恋人 L'AMANT DOUBLE
作曲・指揮:フィリップ・ロンビ
Composed and Conducted by PHILIPPE ROMBI
演奏:ベラルト交響楽団
Performed by Orchestre Symphonique Bell'Arte
(スペインQuartet Records /
QR290)
2017年製作のフランス=ベルギー合作映画(日本公開は2018年8月)。監督は「8人の女たち」(2002)「スイミング・プール」(2003)「エンジェル」(2007)「しあわせの雨傘」(2010)「危険なプロット」(2012)「彼は秘密の女ともだち」(2014)「婚約者の友人」(2016)等のフランソワ・オゾン(1967〜)。出演はマリーヌ・ヴァクト、ジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット、ミリアム・ボワイエ、ドミニク・レイモン、ファニー・サージュ、ジャン=エドゥアール・ボドズィアク、アントワーヌ・ドゥ・ラ・モリネリ、ジャン=ポール・ミュエル、キーズリー・ゴルティエ、チャズ・ゴルティエ、クレマンス・トロク、パスカル・オーベール、ギヨーム・ル・パプ、ブノワ・ジロ他。アメリカの作家ジョイス・キャロル・オーツ(1938〜)の原作『Lives
of the Twins』を基にフランソワ・オゾンとフィリップ・ピアッツォが脚本を執筆。撮影はマニュエル・ダコッス。精神的な要因から腹部に痛みを覚える25歳のクロエ・フォルタン(ヴァクト)は、ハンサムな精神科医ポール(レニエ)の診察を受ける。互いに惹かれあう2人は、同棲するようになるが、やがてポールには、やはり精神科医である双子の兄ルイ(レニエ、二役)がいることがわかり、クロエはルイにも惹かれていく……。ミステリ仕立てだが、あまり論理的でないオチがいかにもフランス的。全編を通して緊張感のある演出はオゾンらしい。2017年度カンヌ国際映画祭のコンペティション出品作品。
音楽はフランソワ・オゾン監督作品の常連作曲家フィリップ・ロンビ(1968〜)。冒頭の「Je
pense à lui」は、マリーヌ・ヴァクトとジェレミー・レニエによる劇中の台詞。「Le baiser de Paul」は、ややミステリアスでドラマティックな曲。「Steep
Hill of Vicodin Tears」は、ダスティン・オハローランとアダム・ウィルツィーによる環境音楽デュオ「A Winged
Victory for the Sullen」の演奏による静かにジェントルな曲。「Trio」は、ダークなサスペンス音楽。「Les
jumeaux miroirs」「Sandra」「Maternité」は、静かにドラマティックな曲。「Rêveries」は、ミステリアスなタッチ。「A
Thousand Stars」は、アメリカの歌手リンダ・スコット(1945〜)による挿入歌。「Cauchemar」「Parasite」は、ダークでダイナミックなサスペンス音楽。「When
The Boys Talk About The Girls」は、アメリカの歌手ヴァレリー・カー(1936〜)による挿入歌。「Les
miroirs」は、不気味なサスペンス音楽。ラストの「La jumelle」は、静かにジェントルなタッチ。ピアノはフィリップ・ロンビ自身の演奏。
(2017年11月)
Philippe Rombi
Soundtrack Reviewに戻る
Copyright (C) 2017 - 2018 Hitoshi Sakagami. All Rights Reserved.