スター・ウォーズ/最後のジェダイ STAR WARS: THE LAST JEDI

作曲:ジョン・ウィリアムス
Composed by JOHN WILLIAMS

指揮:ジョン・ウィリアムス、ウィリアム・ロス
Conducted by JOHN WILLIAMS, WILLIAM ROSS


(米Walt Disney Records / 002714602)

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2017年製作のアメリカ映画。監督・脚本は「BRICK ブリック」(2005)「(TV)ブレイキング・バッド」(2010)「LOOPER/ルーパー」(2012)等のライアン・ジョンソン(1973〜)。出演はマーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライヴァー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、アンディ・サーキス、ルピタ・ニョンゴ、ドーナル・グリーソン、アンソニー・ダニエルズ、グウェンドリン・クリスティー、ケリー・マリー・トラン、ローラ・ダーン、ベニチオ・デル・トロ、フランク・オズ、ヨーナス・スオタモ、ジミー・ヴィー他。撮影はスティーヴ・イェドリン。ディズニーの傘下で再スタートした「スター・ウォーズ」シリーズの新たな3部作における「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015)に続く第2弾(エピソード8)。レイ(リドリー)とチューバッカ(スオタモ)は銀河の運命を決めかねない重要な任務を負っていた。新共和国が樹立して約30年の間に、邪悪な軍隊で銀河の完全な支配を目指すファースト・オーダーが台頭していた。彼らに立ち向かうのは、レイア・オーガナ将軍(フィッシャー)率いるレジスタンスだけだった。そしてレジスタンスは、新共和国の首都星系を一瞬にして消滅させた超兵器、スターキラーの破壊に成功した。だが、ファースト・オーダー軍を戦艦や兵器だけで壊滅させることはできない。闇の力、スノーク最高指導者(サーキス)やカイロ・レン(ドライヴァー)に立ち向かえるのは、ジェダイ以外にはない。レイとチューバッカは、ルーク・スカイウォーカー(ハミル)の相棒だったR2-D2(ヴィー)を連れて、銀河辺境の惑星オクトーへとやってきた。レイアはそこにいる最後のジェダイ、兄であるルークを見つけるようにと、レイを送ったのだった……。

音楽は本シリーズのエピソード1〜7を全て手がけているジョン・ウィリアムス(1932〜)。エピソード4から一貫して採り入れているライトモチーフの手法により、各キャラクターの主題がその登場シーンに流れる形で展開。「Main Title and Escape」は、メインの主題(スター・ウォーズのテーマ)によるお馴染みのオープニングから、ダイナミックなサスペンス音楽、カイロ・レンの主題、ビジーなアクション音楽、レジスタンスのマーチ、ドラマティックな主題へと展開していく。「Ahch-To Island」は、静かにドラマティックなレイの主題からフォースの主題、ルークとレイの関係性を描いたストイックでドラマティックな主題へと展開。「Revisiting Snoke」は、深いコーラスをフィーチャーしたダークなスノークの主題からダース・ベイダーの主題、カイロ・レンの主題へ。「The Supremacy」は、レジスタンスのマーチからビジーなアクション音楽、そしてレイアの主題がドラマティックに盛り上がる(宇宙空間に吹き飛ばされたレイアがフォースによって帰還するシーン)。「Fun with Finn and Rose」は、ジェントルなローズ(トラン)の主題からレジスタンスのマーチ、レイアの主題へ。「Old Friends」は、フォースの主題からメインの主題、レイアの主題へ。「The Rebellion Is Reborn」は、明るくヒロイックなローズの主題からストイックなタッチのマーチへ。「Lesson One」は、静かにドラマティックなレイの主題からフォースの主題へと展開し、後半ドラマティックに盛り上がる。「Canto Bight」は、惑星カントニカにある都市カント・バイトのシーンの音楽で、ブラジルの作曲家アリ・バホーゾ(1903〜1964)によるサンバ「Aquarela Do Brasil」の引用を含む陽気な曲。このサントラ盤には収録されていないが、このシーンではジョン・ウィリアムスが1973年にロバート・アルトマン監督の「ロング・グッドバイ(The Long Goodbye)」に作曲した主題歌のピアノ演奏が流れる。「Who Are You?」は、レイの主題からダークなサスペンス音楽、ダイナミックなアクション音楽へ。「The Fathiers」は、ミリタリスティックなマーチからビジーなアクション音楽、ヒロイックなローズの主題へ。「The Cave」は、レイの主題を織り込んだダークなサスペンス音楽。「The Sacred Jedi Texts」は、フォースの主題から(懐かしい)ヨーダの主題へ。「A New Alliance」は、ダークで不吉な主題からフォースの主題、ダイナミックなアクション音楽へ。「"Chrome Dome"」は、キャプテン・ファズマとの戦闘シーンでのダイナミックでストイックなアクション音楽。「The Battle of Crait」は、フォースの主題からレジスタンスのマーチ、ローズの主題、そしてエピソード4でのTIEファイター攻撃シーンのアクション音楽(「Here They Come」)へと展開。「The Spark」は、フォースの主題からルークとレイアの主題(これはシリーズ全作品中でウィリアムスが作曲した最も美しい主題の1つだろう)、ハン・ソロとレイアの主題へ。「The Last Jedi」は、フォースの主題からカイロ・レンの主題へとコーラス入りでドラマティックに展開。「Peace and Purpose」は、フォースの主題がドラマティックに盛り上がり、レイの主題へと続く。「Finale」は、静かなイントロからフォースの主題が盛り上がって、いつものフレーズではじまるフィナーレ(エンドクレジット)へと移行し、明るくヒロイックなローズの主題、ピアノ・ソロによるレイアの主題(ここで故キャリー・フィッシャーへの「in loving memory of our princess」との追悼クレジットが出る)、ルークとレイの主題、レイの主題、ヨーダの主題等がメドレーで展開して締めくくる。

コーラスはロス・アンジェルス・マスター・コレール(Los Angeles Master Chorale)。ジョン・ウィリアムスは40年前(1977年)の1作目(エピソード4)から本シリーズに継続して参加している(おそらく唯一の)重要なクリエイティヴスタッフで、この新作でも彼のスコアを聴くことができるのはファンにとって素晴らしいことだと言えるだろう。
(2018年1月)

John Williams

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