KUBO/クボ 二本の弦の秘密 KUBO AND THE TWO STRINGS
作曲・指揮:ダリオ・マリアネッリ
Composed and Conducted by DARIO MARIANELLI
(米Warner Bros. / 556454-2)
2016年製作のアメリカのアニメーション映画(日本公開は2017年11月)で、「コララインとボタンの魔女
3D」(2009)「パラノーマン ブライス・ホローの謎」(2012)「(未公開)THE BOXTROLLS」(2014)等のアニメ製作会社ライカ・エンターテインメントが手がけたストップモーション・アニメによるファンタジー映画。製作・監督は「パラノーマン
ブライス・ホローの謎」(2012)等を製作したトラヴィス・ナイト(ライカのCEO/1973〜)。声の出演(及び日本語吹替)は、アート・パーキンソン(矢島晶子/クボ役)、シャーリーズ・セロン(田中敦子/サル役)、レイフ・ファインズ(羽佐間道夫/月の帝役)、ルーニー・マーラ(川栄李奈/闇の姉妹役)、マシュー・マコノヒー(ピエール瀧/クワガタ役)、ジョージ・タケイ(佐野康之/ホサト役)、ケイリー=ヒロユキ・タガワ(さかき孝輔/ハシ役)、ブレンダ・ヴァッカロ(小林幸子/カメヨ役)、メイリック・マーフィ(杉山あいり/マリ役)他。シャノン・ティンドルとマーク・ヘイムズの原案を基にマーク・ヘイムズとクリス・バトラーが脚本を執筆。撮影はフランク・パッシンガム。三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操る不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、彼を助けようとした父親は命を落とした。その時、片目を奪われたクボは、母と一緒に最果ての地まで逃れたものの、更なる闇の刺客によってその母までも失ってしまう。追手である闇の魔力から逃れつつ、父母の仇を討つ準備を進めるクボ。その道中、面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタを仲間に加える。やがて、闇の魔力から執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知る……。2016年度アカデミー賞の長編アニメ賞と視覚効果賞、同年のゴールデン・グローブのアニメーション作品賞にノミネートされ、同年の英国アカデミー賞の長編アニメ賞を受賞している。
音楽は「(未公開)THE BOXTROLLS」(2014)のスコアも手がけているイタリア出身の作曲家ダリオ・マリアネッリ(1963〜)。日本を舞台にしたストーリーに合わせ、津軽三味線、琴、尺八といった和楽器を加えたオーケストラによる演奏で、全体にオリエンタルなタッチ。「The
Impossible Waves」は、ダークで重厚かつドラマティックな曲。「Kubo Goes to Town」は、ジェントルな主題から後半躍動的なタッチへ。「Story
Time」は、三味線をフィーチャーしたダイナミックなアクション音楽。「Ancestors」「The Galleon
Restored」は、ジェントルな曲。「Meet the Sisters!」は、不気味なサスペンス調からダイナミックなアクション音楽へ。「Origami
Birds」は、三味線をフィーチャーした明るく躍動的な曲で、ちょっと中国風。「The Giant
Skeleton」「Above and Below」「United-Divided」は、ダイナミックでビジーなサスペンスアクション音楽。「The
Leafy Galleon」「Monkey's Story」も、三味線をフィーチャーしたジェントルな曲。「Hanzo's
Fortress」は、ドラマティックな曲。「Showdown with Grandfather」は、ダークなタッチから後半大らかな主題へ。「Rebirth」は、ジェントルな主題から大らかに盛り上がる。ラストの「While
My Guitar Gently Weeps」は、ビートルズの楽曲(作詞・作曲:ジョージ・ハリスン)をロシア出身でアメリカを拠点とするシンガーソングライターのレジーナ・スペクター(1980〜)が歌っている。
三味線はケヴィン・マサヤ・メッツ(http://ja.bachido.com/instructor-bios/kevin-kmetz)と一川
響(https://www.hibikishamisen.com/)の演奏。尺八はクライヴ・ベル、琴はメリッサ・ホールディング、ソロ・ヴォーカルはメラニー・パッペンハイム。合唱はDoublefvoices(ロブ・ファーデルが運営する歌手のエージェンシー)と、ロバート・プライズマン指揮の少年合唱団リベラ(https://libera-records.com/)。
尚、国内盤サントラCDにはボーナストラックとして吉田兄弟の三味線の演奏による「While My Guitar Gently Weeps」が収録されている。
(2018年1月)
Dario Marianelli
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