マチルダ 禁断の恋  MATHILDE

作曲:マルコ・ベルトラミ
Composed by MARCO BELTRAMI

指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
Conducted by VALERY GERGIEV

演奏:マリインスキー劇場管弦楽団
Performed by the Mariinsky Theatre Symphony Orchestra

(スペインQuartet Records - MovieScore Media / QR318)

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2017年製作のロシア映画(日本公開は2018年12月)。監督は「(未公開)His Wife's Diary(作家の妻の日記)」(2000)「宇宙を夢見て」(2005)「(未公開)チェチェン包囲網」(2008)「(未公開)爆走機関車 シベリア・デッドヒート」(2010)等を手がけたロシア出身のアレクセイ・ウチーチェリ(1951〜)。出演はミハリーナ・オルシャインスカ、ラース・アイディンガー、ルイーズ・ウォルフラム、ダニーラ・コズロフスキー、セルゲイ・ガルマッシュ、インゲボルガ・ダプコナイテ、グリゴリー・ドブリギン、トーマス・オスターマイアー、エフゲニー・ミロノフ、ヴィタリー・キシュチェンコ他。脚本はアレクサンドル・テレコフ。撮影はユリー・クリメンコ。ロマノフ朝第14代にして最後のロシア皇帝であるニコライ2世(ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ/1868〜1918)と、ロシアで初めてバレリーナの最高位であるプリマ・バレリーナ・アッソルータとなったマチルダ・フェリクソヴナ・クシェシンスカヤ(1872〜1971)とのロマンスを描いた歴史ドラマ。1890年、当時22歳だったニコライ(アイディンガー)と18歳だったマチルダ(オルシャインスカ)の出会いから、1896年のニコライ2世と皇后アレクサンドラの戴冠式に至るまでの2人の愛人関係を描く。ここではマチルダは非常に狡猾で計算高い女性として描かれている。製作費は約1500万ドル。

音楽は「スノーピアサー」(2013)「ファンタスティック・フォー」(2015)「ロスト・バケーション」(2016)「キング・オブ・エジプト」(2016)「ベン・ハー」(2016)「LOGAN/ローガン」(2017)等のマルコ・ベルトラミ(1966〜)。「Twilight of the Empire」は、ビジーなストリングスによるイントロから重厚でサスペンスフルな主題へ展開。「Mathilde and the Balloon Ride」は、メランコリックなピアノからオーケストラによるドラマティックなメインの主題(マチルダのテーマ)へ。この印象的な主題は「Exposed」「Train Kiss」「Dance Fight」「Ten Neckless」「Dark Coronation」等でも繰り返し登場する。「Church Chase and Train Crash」「Tent Attack」「Bear Attack」は、重厚なサスペンス音楽。「Obstacle Course」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Seance」は、不吉なタッチの曲。「Fishel's Holograph」「Coronation」は、ダークでドラマティックな曲。「To Moscow」「The Fall」「Happiness」は、メランコリックなタッチの曲。「Dress Reversal」は、メインの主題を織り込んだサスペンス音楽。「Gassing the Raft」は、不気味なサスペンス音楽から後半メインの主題へ。「Running Away」は、ドラマティックでパワフルな曲。「Dream Kiss」は、メランコリックなタッチからメインの主題へ。「End Credits」「Mathilde's Theme」は、メインの主題によるエンドクレジットとマチルダのテーマ。クラシカルでドラマティックなオーケストラル・スコア。

演奏のマリインスキー劇場管弦楽団は、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場付属のオーケストラ(旧称キーロフ管弦楽団)で、ピョートル1世により1860年に創設されたロシアで最も古い音楽団体。指揮のヴァレリー・ゲルギエフは、1988年にオペラの芸術監督に選出され、1996年にはロシア議会よりマリインスキー劇場の芸術監督および総裁に任命されている。ヴァイオリン・ソロはアシャ・ソルシュネヴァ、ピアノ・ソロはタチアナ・アニキナの演奏。500枚限定プレス。
(2018年6月)

Marco Beltrami

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