たかが世界の終わり JUSTE LA FIN DU MONDE
作曲:ガブリエル・ヤレ
Composed by GABRIEL YARED
指揮:ジェフ・アトマジアン
Conducted by JEFF ATMAJIAN
(スペインQuartet Records /
QR247) 2016
2016年製作のカナダ=フランス合作映画(英語題名は「IT'S
ONLY THE END OF THE WORLD」/日本公開は2017年2月)。製作・監督・編集は「マイ・マザー」(2009)「わたしはロランス」(2012)「トム・アット・ザ・ファーム」(2013)「Mommy/マミー」(2014)等のカナダ出身のグザヴィエ・ドラン(1989〜)。出演はギャスパー・ウリエル、レア・セドゥ、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、ナタリー・バイ、アントワーヌ・デロシェール、ウィリアム・ボイス、サーシャ・サマール、アルチュール・クーイヤール、エミール・ロンドー、テオドール・ペルラン、ジャンヤンヌ・プロヴァンシェール他。38歳で亡くなったフランスの劇作家ジャン=リュック・ラガルス(1957〜1995)の戯曲『まさに世界の終り』を基にグザヴィエ・ドランが脚本を執筆。撮影はアンドレ・テュルパン。自らの死を告げるために帰郷した34歳の主人公と、彼を迎える家族の葛藤を描いたドラマ。人気作家のルイ(ウリエル)は12年ぶりに帰郷し、疎遠になっていた家族と久々に顔を合わせる。それは、不治の病に冒され死期が迫っていることを伝えるためだった。幼い頃に別れたきりの妹シュザンヌ(セドゥ)は兄との再会に胸躍らせ、母マルティーヌ(バイ)は息子の大好きな料理で歓迎する。一方、兄のアントワーヌ(カッセル)はひたすら刺々しく、その妻カトリーヌ(コティヤール)は初対面の義弟に気を遣いつつも戸惑いを隠せない。ぎこちない会話が続く中、ルイはデザートの頃に打ち明けようと決意。しかしアントワーヌの激しい言葉を皮切りに、それぞれの胸の内にあった感情が噴出するのだった……。2016年度カンヌ国際映画祭のグランプリを受賞している他、同年のセザール賞の助演男優賞(ヴァンサン・カッセル)、助演女優賞(ナタリー・バイ)、外国映画賞にノミネートされ、同賞の監督賞、主演男優賞(ギャスパー・ウリエル)、編集賞を受賞している。
音楽は「トム・アット・ザ・ファーム」(2013)でもグザヴィエ・ドラン監督と組んでいるガブリエル・ヤレ(1949〜)。「Après
Toutes Ces Années-Là」「Par Nostalgie」は、ピアノによるメランコリックなタッチの曲。「Là,
Tous Ensemble」は、静かに叙情的な曲。「Louis et Catherine」「Louis et sa Mère」は、繊細でドラマティックな曲。「L'étreinte」「Souvenirs」「Louis
et Antoine」「Louis」は、繊細で美しい曲。「Avant L'Orage」は、ドラマティックでスリリングに盛り上がる。「Valse
d'adieu」は、叙情的でメランコリックな曲。内省的かつドラマティックで美しいスコア。首席ヴァイオリン奏者はトーマス・ボウズ、チェロ・ソロはキャロライン・デイル、ピアノはガブリエル・ヤレの演奏。
アンダースコアに挟まって、フランスの女性歌手カミーユ(1978〜)による「Home is where
it hurts」、アメリカのポップ・パンク・バンド、ブリンク 182による「I miss
you」、カナダの女性ソロアーティスト、グライムスによる「Genesis」、フランスの歌手フランソワーズ・アルディ(1944〜)が歌った「Une
Miss s'immisce」のエキゾチカ(ジュリアン・ガルナーとクララ・コメッティによる男女ユニット)によるカヴァー、アメリカのミュージシャン、モービー(1965〜)による「Natural
Blues」を収録。
(2018年7月)
Gabriel Yared
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