恐竜伝説ベイビー BABY: SECRET OF THE LOST LEGEND
作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス
Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH
(米Intrada / Intrada Special
Collection Volume 403)
1983年製作のアメリカ映画(日本公開は1986年3月)。監督は「NAM/地獄の突破口」(1987)「(TV)ヘラクレス/魔境の女戦士」(1994)「(TV)バフィー〜恋する十字架〜」(2001〜2002)「(TV)ザ・ユニット
米軍極秘部隊」(2006)等のB・W・L・ノートン。出演はウィリアム・カット、ショーン・ヤング、パトリック・マクグーハン、ジュリアン・フェロウズ、キャロ・マティヴォ、ヒュー・クァーシー、オル・ジェイコブス、エディー・タゴー、エドワード・ハードウィック、ジュリアン・カリー、アレクシス・メレス、スージー・ノッティンガム、ステファーヌ・クローラ、アンソニー・サーフォー、ジャノット・バニー他。デヴィッド・リー・ミラーの原案を基にクリフォード・グリーンとエレン・グリーンが脚本を執筆。撮影はジョン・オルコット。製作総指揮は「アンダー・ファイア」(1983)「影なき男」(1987)「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997)「シックス・デイ」(2000)等の監督ロジャー・スポティスウッド。失業中のスポーツ記者のジョージ・ルーミス(カット)は、古生物学者である妻のスーザン(ヤング)と共に古生物の研究調査隊に加わり、アフリカへと旅に出た。ジャングルの奥地で原住民と遭遇した2人は、酋長セフー(マティヴォ)の信頼を得て、彼らの協力によりブロントサウルスの親子を発見する。一方、調査隊の隊長エリック・キヴィアット博士(マクグーハン)と同僚のナイジェル・ジェンキンズ(フェロウズ)は、近代兵器で武装した軍隊を引き連れ、父親の恐竜を殺して母親を生け捕りにしてしまう。体長3メートルほどの子供恐竜のベイビーは、エリック博士たちの目を逃れてジョージとスーザンの所にやって来る。彼らはベイビーを博士から守ろうと決意するが……。「ジュラシック・パーク」(1993)より10年前、CG技術がまだ未熟だった時期に、ストップモーションアニメ技術は使わず、実物大の気ぐるみを2人の操者が動かして恐竜を演じた作品。
音楽は「アンダー・ファイア」(1983)で本作品のプロデューサーであるロジャー・スポティスウッドと組んでいるジェリー・ゴールドスミス(1930〜2004)。「The
Drawing」は、シンセサイザーをフィーチャーしたダークなタッチの曲。「No Problem」「A Little Joke」は、エキゾチックなタッチ。「The
River」は、サスペンスフルな曲。「Picture Party」「Papa's Death」「The Captive」は、パーカッシヴなサスペンス音楽。「The
Family」は、ダイナミックなサスペンス音楽から中盤明るく軽快で親しみやすいベイビーの主題へ展開。この主題は「Papa's
Gone」「Baby And Monkeys」「Food Time」「No Play」「Where's Baby?」等でも繰り返し登場する。「The
Cave」「Baby's Gone」「Mother Is Free」は、ゴールドスミスが本領を発揮したダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Baby's
Alive」は、サスペンスアクション音楽からベイビーの主題へと展開して締めくくる。最後にエクストラとして、これまで未発表だったパーカッションによる民族音楽トラック「Native
Funeral」「Kaleri Night Party」と、ジョエル・ゴールドスミス(ジェリーの息子)が作曲したソース曲「Back
Stabber」「Hot Love」「Warm Body」を収録。
このスコアは2008年に米Intradaレーベルが全16曲/約52分収録のサントラCDを出しているが、3000枚限定プレスだったこのCDは即完売。この際の音源は何世代かコピーされたものだったため、いくつかのトラックでピッチに不具合が生じていたが、今回同じIntradaレーベルがリリースしたCDは初期音源から新たにリマスターされており、上記エクストラを追加した全22曲/約66分収録で、限定プレス。
(2018年7月)
Jerry Goldsmith
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