レッド・スパロー RED SPARROW

作曲:ジェームズ・ニュートン・ハワード
Composed by JAMES NEWTON HOWARD

指揮:ピート・アンソニー、エサ=ペッカ・サロネン
Conducted by PETE ANTHONY, ESA-PEKKA SALONEN (Overture and End Titles)

(米Sony Classical / 19075842092)

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2018年製作のアメリカ映画。監督は「コンスタンティン」(2005)「アイ・アム・レジェンド」(2007)「ハンガー・ゲーム2」(2013)「ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス」(2014)「ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション」(2015)等を手がけたオーストリア出身のフランシス・ローレンス(1971〜)。出演はジェニファー・ローレンス、ジョエル・エドガートン、マティアス・スーナールツ、シャーロット・ランプリング、メアリー=ルイーズ・パーカー、キーラン・ハインズ、ジョエリー・リチャードソン、ビル・キャンプ、ジェレミー・アイアンズ、セクラ・ルーテン、ダグラス・ホッジ、サキナ・ジャフリー、セルゲイ・ポルーニン、サーシャ・フロロヴァ、セバスチャン・フルク他。元CIA諜報員ジェイソン・マシューズ(1951〜)によるスパイ小説を基にジャスティン・ヘイスが脚本を執筆。撮影はジョー・ウィレムズ。製作は「オブリビオン」(2013)「ドリーム」(2016)「猿の惑星:聖戦記」(2017)「グレイテスト・ショーマン」(2017)等のピーター・チャーニン「シンドラーのリスト」(1993)「ミッション:インポッシブル」(1996)「ブラックホーク・ダウン」(2001)「マネーボール」(2011)等の脚本を手がけたスティーヴン・ザイリアン他。事故によりバレリーナの道を絶たれてしまったドミニカ・エゴロワ(ローレンス)は、病気の母ニーナ(リチャードソン)の治療と引き換えに、叔父ワーニャ(スーナールツ)の仲介でロシア諜報機関の一員となる。彼女は極秘施設に送り込まれ、監督官(ランプリング)から自らの肉体を使った誘惑や心理操作などを駆使して情報を盗み出す女スパイ“スパロー”になるための訓練を受ける。持ち前の美貌と明晰な頭脳で頭角を現したドミニカは、ロシア諜報機関の内部に潜むアメリカの二重スパイを突き止めるという重要任務を与えられ、CIA工作員ネイト・ナッシュ(エドガートン)に近づく。2人は互いに惹かれ合いながらも、騙し合いの連鎖へと陥っていくが……。原作者のマシューズによると、劇中に登場する“スパロー”の養成所は旧ソ連のカザンに実在したという。製作費は約6900万ドル、2018年6月時点の全世界興行収入は約1億5023万ドル。

音楽は「アイ・アム・レジェンド」(2007)「ハンガー・ゲーム2」(2013)等でもフランシス・ローレンス監督と組んでいるジェームズ・ニュートン・ハワード(1951〜)。「Overture」は、静かなオープニングからロシア風の主題、ドラマティックで躍動的な主題へと展開する11分超の序曲で、冒頭のバレエシーンで流れる曲。後半はサスペンス音楽へと展開。「The Steam Room」「Training」「Anya, Come Here」「There's a Car Waiting to Take You to Moscow」「Follow the Trail Wherever It Leads You」「Telephone Code」「Searching Nate's Apartment」「Can I Trust You?」「So What Next?」は、抑制されたサスペンス音楽。「One Night Is All I Ask」「When Did You First Notice the Tail?」は、ダークなタッチ。「Take Off Your Dress」は、徐々に盛り上がっていく重厚なサスペンス音楽。「Arriving at Sparrow School」は、静かにドラマティックな曲。「Blonde Suits You」は、抑制されたタッチからドラマティックな主題へと展開。「Searching Marta's Room」「Switching Disks」は、不気味なタッチ。「Ticket to Vienna」は、ドラマティックな曲。「Didn't I Do Well?」は、クライマックスのコーラスをフィーチャーしたドラマティックでストイックなタッチの曲で、力強く感動的。「End Titles」は、冒頭の序曲と同様のダイナミックでクラシカルな曲。全体に暗く抑制されたタッチのサスペンス・スコアだが、冒頭の「Overture」とラストの「Didn't I Do Well?」「End Titles」のドラマティックでパワフルなシンフォニーが秀逸。コーラスはロンドン・ヴォイシーズ。

「Overture」と「End Titles」を指揮しているエサ=ペッカ・サロネン(1958〜)は、フィンランド出身の作曲家・指揮者で、スウェーデン放送交響楽団の首席指揮者、ロス・アンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督・首席指揮者、フィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者・芸術顧問を歴任しているほか、2005年にロス・アンジェルス・フィルを指揮して録音したバーナード・ハーマンの映画音楽集CDをリリースしている。
(2018年9月)

James Newton Howard

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