リーインカーネーション THE REINCARNATION OF PETER PROUD
作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス
Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH
(米Intrada / Intrada Special
Collection Volume 421)
1975年製作のアメリカ映画(日本公開は1977年2月)。監督は「ナバロンの要塞」(1961)「恐怖の岬」(1962)「隊長ブーリバ」(1962)「マッケンナの黄金」(1969)「セント・アイブス」(1976)「(未公開)ザ・パッセージ/ピレネー突破口」(1978)「バトルガンM-16」(1989)等のJ・リー・トンプソン(1914〜2002)。出演はマイケル・サラザン、ジェニファー・オニール、マーゴット・キダー、コーネリア・シャープ、ポール・ヘクト、トニー・ステファーノ(ステュアート・トーマス)、ノーマン・バートン、アン・アイヴス、デブラリー・スコット、ジョン・リチャーズ、スティーヴ・フランケン、フレッド・スタスマン、レスター・フレッチャー、ポール・ニーヴンズ、ブリアンア・ベンジャミン他。原作・脚本は「六年目の疑惑」(1961)「赤ちゃんよ永遠に」(1972)等のマックス・アーリッヒ(1909〜1983)。撮影はヴィクター・J・ケンパー。輪廻転生を題材にしたスリラー。カリフォルニアの大学教授ピーター・プラウド(サラザン)は、毎晩同じ悪夢にうなされていた。暗闇の湖で裸で泳いでいると、女にオールで殴り殺されるのだ。女を止めようと「マーシャ!」と叫ぶピーター。ある日テレビのドキュメンタリー番組でマサチューセッツ州のある町の風景を見たピーターは、そこが夢に登場する場所であると気づく。その町、スプリングフィールドを訪れたピーターは、新聞社で過去の殺人事件を調べる。そこでジェフ・カーティス(ステファーノ)という銀行頭取の養子が水泳中に溺死した記事を見つけ、未亡人マーシャ(キダー)と遺児アン(オニール)が今も生存していることを知る。アンと知り合って、彼女とデートをするまでの仲になったピーターは、マーシャにも会う。彼女は、ピーターが酒を飲みながらグラスを指で叩くのを見て、それがジェフの癖であったことに気づくが……。
音楽はジェリー・ゴールドスミス(1930〜2004)が作曲しており、これは彼の作品中でも正規盤サントラが長らく出ていなかったスコアで、ファンとしては貴重なリリース。オーケストラとシンセサイザーを組み合わせたサスペンス・スコアを展開。「Main
Title」は、フルートとストリングス、ピアノによるメランコリックでリリカルなメインの主題で、エレクトロニック・キーボードが不気味なタッチを加えている。「After
Thoughts」「Night Studies」「Enough Suffering」「The Church Pt. 2」「“Who Am I?”」「First
Date」「Good Shot!」「The Cottage」「Search for Mom」は、不吉なタッチの曲。「Old
Lovers」「Classic Cars」「Short Changed」「No Dreams」「Occult Academy」「More Discoveries
Pt. A」「More Discoveries Pt. B」「More Discoveries Pt. C & Pt. D」「More Discoveries
Pt. E」「How Did It Happen?」は、メインの主題を織り込んだ不気味なサスペンス音楽。「12-String
Guitar Source / Late Show」は、リリカルでジェントルなギターの主題(演奏はアルトン・ヘンドリックソン)から、後半不吉なタッチへ展開。「The
Search Begins」「The Search Continues」「Ann & Tennis」は、メインの主題の明るいタッチのバリエーション。「The
Church Pt. 1」「Home at Last」「Fantasy Pt. 2」も、メインの主題のバリエーション。「The
Statue」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「The Picnic」は、フルートをフィーチャーしたリリカルな主題。「Where
Have You Been?」は、ピアノによるメランコリックな主題。「The Lovers」は、ピアノとストリングスによるリリカルで美しい主題。「Fantasy
Pt. 1」は、不吉なタッチから後半はゴールドスミスの個性が強く出たダイナミックなサスペンス音楽へ。「Who Are
You?」も、ダイナミックなサスペンス音楽。ラストの「Final Confrontation」は、サスペンス音楽からメインの主題のリプライズに展開し、締めくくる。音源のマスターテープが永年発見されていなかったため、さすがに音質はあまり良くない。
このスコアは、過去にレオン・ハーバート・オーケストラのカバー演奏によるシングル盤がイタリア(Cinevox / MDF 089)と日本(Victor /
VIP 2515)で出ていたほか、米Monogramレーベルから「海流のなかの島々」とカップリングのブートレッグLP、米Soundtrack
Libraryレーベルから全35曲/約61分収録のブートレッグCDが出ていたが、このIntradaレーベルのCDは全36曲/約64分収録の初の正規盤で、限定プレス。
(2019年3月)
Jerry Goldsmith
Soundtrack Reviewに戻る
Copyright (C) 2019 Hitoshi Sakagami. All Rights Reserved.