クリストゥス CHRISTUS

作曲・指揮:マルコ・フリシナ
Composed and Conducted by MARCO FRISINA

(マルタKronos Records / KRONCD067)


1916年製作のイタリアのサイレント映画(日本では1921年1月20日に劇場公開されているらしい)。監督は「ピノッキオ」(1911)等のジュリオ・アンタモーロ(1877〜1945)。出演はアルベルト・パスクアリ、レダ・ジース、アムレット・ノヴェッリ、アウグスト・マストリピエトリ、アマリア・カタネオ、マリア・カセリーニ、アウレリア・カッタネオ、リナ・デ・キエーザ、イグナチオ・ルピ、アウグスト・ポッジオーリ、エルマンノ・ロヴェリ、レナート・ヴィスカ他。ファウスト・サルヴァトーリの詩を基にジュリオ・アンタモーロ、イグナチオ・ルピとマウリス・V・サミュエルが脚本を執筆。撮影はレナート・カルトーニ。イタリア無声映画全盛期に製作されたイエス・キリスト(パスクアリ)の生涯を描く歴史大作。エジプトやパレスチナでのロケーション撮影も行なわれたという。イタリアの老舗映画会社ティタヌスの社長だったゴッフレード・ロンバルド(1920〜2005)によってレストレーションが行われ、2000年開催の第57回ヴェネチア国際映画祭で上映されている。

このCDに収録されている音楽は「(TV)ソドムとゴモラ」(1994)「(TV)十戒」(1996)「(TV)ボルケーノ in ポンペイ 都市が消えた日」(2007)等のスコアを作曲しているイタリアの聖職者・学者・作曲家マルコ・フリシナ(1954〜)が1999年に本映画に作曲したもの。「Prologo del Christus」は、コーラスとオーケストラによる荘厳でドラマティックな前奏曲。「Giuseppe e Maria」「I Magi」「Due Civilta」「Rinnegamento di Pietro」「Giuda a Sinedrio」「Via Crucis, Tra la Folla」は、ドラマティックかつストイックな曲。「Natale」「Ingresso in Gerusalemme」「Davanti a Pilato」「La Croce sul Golgota」「La Resurrezione dal Sepolcro」は、コーラスをフィーチャーした荘厳で美しい曲。「Erode」「Strage degli Innocenti」は、躍動的なタッチの曲。「Fuga in Egitto」「L'infanzia di Gesu」「Maddalena」「L'ultima Cena」「Getsemani」「L'ascensione sul Monte degli Ulivi」は、ジェントルで美しい曲。「Le Tentazioni」は、ダークなタッチからジェントルな主題へ。「In Galilea」「La Deposizione della Croce」は、荘厳で美しい曲。
オーケストラとコーラスによる非常に上質でドラマティックなスコア。300枚限定プレス。マルコ・フリシナはカトリック教会の高位聖職者モンシニョール(Monsignor)でもある。
(2019年4月)

Marco Frisina

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