(未公開)EL PUEBLO DEL SOL

作曲:リー・ホールドリッジ
Composed by LEE HOLDRIDGE

演奏:ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony Orchestra

(米Dragon's Domain Records / DDR624)2017

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1983年製作のアメリカ=メキシコ合作による上映時間20分の短編ドキュメンタリー映画(英語題名は「People of the Sun」)。監督は、1968年にメキシコで開催された第19回オリンピック大会の公式記録映画「太陽のオリンピア−メキシコ1968−(Olimpiada en México)」(第42回アカデミー賞のドキュメンタリー長編賞にノミネート)等を手がけているアルベルト・イサーク(1923〜1998)で、イサーク自身1948年と1952年のオリンピックに出場している水泳選手だった。製作はリカルド・サンチェス・グアダラマ。メキシコのティファナ文化センターの開設(1982年)を記念して、同センター常設のIMAXシアターでの上映用に製作された短編ドキュメンタリー。コントイ島、チワワ州のカッパー・キャニオン、パリクティン火山、エンセナーダ港といったメキシコの名所の紹介とともに、人々の日々の生活の情景も描いている。

音楽は「(TV)エデンの東」(1981)「ミラクルマスター/七つの大冒険」(1982)「スプラッシュ」(1984)「私が愛したグリンゴ」(1989)「(未公開)ロング ウェイ ホーム 遥かなる故郷 イスラエル建国の道」(1997)「(TV)アヴァロンの霧」(2001)等のスコアを手がけているハイチ出身の作曲家リー・ホールドリッジ(1944〜)。ロンドン交響楽団を高らかに鳴らしたダイナミックでドラマティックな交響詩を展開している。「Fiesta Del Sol (Festival of the Sun)」は、栄光に満ちたファンファーレで始まる壮大で美しい曲で、アドヴェンチャー映画のオープニングのようなタッチ。「Latir de Progresso (Pulse of Progress)」は、躍動的な曲。「Paisajes (Landscapes): Haciendas / Naturaleza (Nature) / Industria (Industry)」は、大らかでドラマティックな主題からメインの主題へと展開。「Culturas Antiguas (Ancient Cultures)」「Interludio (Interlude)」「Orígines (Origins)」は、静かに幻想的な曲。「Mosaico Turístico (Mosaic of Tourism)」「La Gran Tenochtitlan」は、ラテン色を帯びた躍動的な曲。「Sueños (Dreams)」は、明るくジェントルなタッチ。「Estampas Históricas (Historic Moments): La Independencia (Independence) / Intervenciones Extranjeras (Foreign Interventions) / El Porfiriato - Vals (The Era of Porfirio - Waltz)」は、重厚なマーチからダイナミックなタッチの主題、優雅なワルツへと展開する曲。「Cuadro Final (Final Scene): Cielos Misteriosos (Mysterious Skies) / Serenata Nostálgica (Nostalgic Serenade) / Allegro Vigoroso (Vigorous Allegro) / Fiesta Del Sol」は、幻想的なタッチから大らかな主題、メインの主題へと展開。
全編で42分ほどの作品だが、リー・ホールドリッジの豊かな才気が凝縮されたカラフルでダイナミックなオーケストラル・スコアとなっている。

このスコアは1991年に米Bay CitiesレーベルがCD(BCD 1031)をリリースしているが、このDragon's Domain RecordsレーベルのCDは作曲家自身の監修によりデジタル・リマスターされた再リリースで、1000枚限定プレス。
(2019年5月)

Lee Holdridge


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