ジョーンの秘密 RED JOAN

作曲・指揮:ジョージ・フェントン
Composed and Conducted by GEORGE FENTON

(スペインQuartet Records / QR386)

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2018年製作のイギリス映画(日本公開は2020年8月7日)。監督は「(未公開)レディ・ジェーン/愛と運命のふたり」(1985)「十二夜」(1996)等のトレヴァー・ナン(1940〜)。出演はジュディ・デンチ、ニーナ・ソサーニャ、ローレンス・スペルマン、ニコラ・スローン、ソフィー・クックソン、テレーザ・スルボーヴァ、フレディ・ガミナラ、ラジ・スウォミー、トム・ヒューズ、エイドリアン・ホィーラー、ベン・マイルズ、ルル・マイスナー、フィル・ラングホーン、マイク・サイクス、スティーヴン・キャンベル・ムーア他。ジェニー・ルーニーの原作を基にリンゼイ・シャペロが脚本を執筆。撮影はザック・ニコルソン。イギリスの非鉄金属研究協会で秘書として働きつつ、当時のソヴィエト連邦に核兵器の開発に関する秘密情報を流していたメリタ・ノーウッド(1912〜2005)の実話をベースにしたフィクション(ノーウッドのスパイ行為は1999年になって初めて暴露された)。イギリス人の公務員ジョーン・スタンリーは、1930年代にKGBに雇われてスパイ活動を行い、50年以上にわたりその正体を見破られなかった。ストーリーは80歳を超えて郊外で静かに暮らすジョーン(デンチ)がイギリス保安局(MI5)に突然拘束され、過去のスパイ活動について尋問されるシーンと、若きジョーン(クックソン)のフラッシュバックにより語られる。1938年、ケンブリッジ大の学生として物理学を学ぶジョーンは、友人のソーニャ(スルボーヴァ)とレオ(ヒューズ)の影響で共産主義へと傾倒していく……。

音楽は「ガンジー」(1982)「狼の血族」(1984)「遠い夜明け」(1987)「永遠の愛に生きて」(1993)「アンナと王様」(1999)「ディープ・ブルー」(2003)「アース」(2007)「(TV)フローズン プラネット」(2011〜2012)「スノー・ロワイヤル」(2019)等のイギリスの作曲家ジョージ・フェントン(1950〜)。「Red Joan Theme (Prelude)」は、メランコリックなタッチのピアノ・ソロをフィーチャーしたメインテーマ。「You're Under Arrest」「Back to Cambridge」「The Ghost of Matter」は、メランコリックかつドラマティックな曲。「My Little Comrade」「Restraining Order」は、ダークでドラマティックなタッチ。「The Tower」は、コーラスをフィーチャーしたサスペンスフルな曲。「Good at Drawing」「Inspection」「Special Branch」「Max in Jail」は、重厚でドラマティックなサスペンス音楽。「Leo's Arrest」「Agent Lotto」「The Locket」「Leo's Destiny」「Two Copies」は、ダークなタッチのサスペンス音楽。「Making Land Tomorrow」は、ドラマティックな曲。「Maybe One Day」は、ジェントルな曲。「The University」「Hiroshima」は、チェロ・ソロをフィーチャーしたドラマティックでサスペンスフルな曲。「Photo Secrets」は、メランコリックなタッチから後半サスペンス音楽へ。「I'm Not a Traitor」は、ピアノによるメインの主題。「End Titles」は、ドラマティックなタッチからサスペンス調、メインの主題へと展開するエンドタイトル。「Red Joan Theme (Postlude)」は、ピアノ・ソロによるメインテーマのリプライズ。

ベテランのフェントンらしいドラマティックでサスペンスフルなオーケストラル・スコア。ピアノ・ソロはサイモン・チェンバーレイン、チェロ・ソロはキャロライン・デイル、フレンチホルン・ソロはリチャード・ワトキンズの演奏。500枚限定プレス。
(2019年8月)

George Fenton

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