シェイクスピアの庭 ALL IS TRUE

作曲・指揮:パトリック・ドイル
Composed and Conducted by PATRICK DOYLE

(英Sony Classical / 19075930552)

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2018年製作のイギリス映画(日本公開は2020年3月)。監督・主演は「スルース」(2007)「マイティ・ソー」(2011)「エージェント:ライアン」(2014)「シンデレラ」(2015)「オリエント急行殺人事件」(2017)等のケネス・ブラナー(1960〜)。共演はジュディ・デンチ、イアン・マッケラン、ノンソー・アノジー、ロリータ・チャクラバーティ、ダリル・クラーク、ジャック・コルグレイヴ・ハースト、ダグ・コーリング、ジョン・ダグリーシュ、エレノア・ディ・ローハン、クララ・ドゥチマル、フィル・ダンスター、フリーヤ・ダーカン、サム・エリス、キャスリン・ワイルダー他。脚本は「(TV)シン・ブルー・ライン」(1995)「(TV)アップスタート・クロウ」(2016)等のベン・エルトン。撮影はザック・ニコルソン。イギリスの劇作家・詩人ウィリアム・シェイクスピア(1564〜1616)の晩年を描いた伝記映画。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで最年少のヘンリー五世を演じ、映画版の「ヘンリー五世」(1989)「から騒ぎ」(1993)「ハムレット」(1996)等の監督・主演も手がけているサー・ケネス・ブラナーがシェイクスピアを演じている。1613年のロンドン。舞台『ヘンリー八世』の上演中にグローブ座が火事で全焼。シェイクスピア(ブラナー)は、妻のアン・ハサウェイ(デンチ)と共に故郷であるストラットフォードの家族の元に戻ることになる。そこで彼は、唯一の息子ハムネット(エリス)の死、妻や娘ジュディス(ワイルダー)との関係修復といった問題と直面していく……。デイム・ジュディ・デンチと並ぶ著名なシェイクスピア役者のサー・イアン・マッケランが、シェイクスピアのパトロンだった第3代サウサンプトン伯爵ヘンリー・リズリー(1573〜1624)を演じる。原題名の「ALL IS TRUE」(全ては真実)はシェイクスピア作の「ヘンリー八世」の当初の題名だったもの。全世界興行収入は約302万ドル。

音楽はケネス・ブラナー監督作品の常連作曲家であるパトリック・ドイル(1953〜)。「The Globe」は、ピアノとオーケストラによるややメランコリックなタッチの曲。「Hamnet's Grave」「The Trial」「It Grieves Me」「Plague」「What You Deserved」も、ピアノをフィーチャーしたメランコリックな曲。「Ten Thousand More」は、抑制されたタッチの曲。「The Visitation」「A Little Boy」は、ダークでドラマティックな曲。「Southampton」「Stay a Moment」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルな曲。「Love, Not Ambition」は、ピアノとオーケストラによるリリカルな曲。「Clever Lad」「The Ovation」は、ジェントルでドラマティックな曲。「Fear No More」は、アビゲイル・ドイル(パトリック・ドイルの娘)のヴォーカルによるジェントルなタッチの主題歌で、シェイクスピアの文章にドイルが音楽をつけたもの。「I Know a Bank」「Fear No More (Reprise)」は、ピアノ・ソロによるジェントルな曲。映画の題材にふさわしい内省的でパーソナルなタッチのスコア。ピアノはパトリック・ドイルの演奏。
(2019年11月)

Patrick Doyle

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