(未公開)ゴースト・ストーリー GHOST STORY

作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE

指揮:ピーター・ナイト
Conducted by PETER KNIGHT


(スペインQuartet Records / QR377)

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1981年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済/「ゴースト殺人事件/黒衣の死美人」のタイトルでテレビ放映済)。監督は「戦争の犬たち」(1980)「チャンピオンズ」(1984)「アーノルド・シュワルツェネッガー/ゴリラ」(1986)「ハンバーガー・ヒル」(1987)「ロビン・フッド」(1991)等のジョン・アーヴィン(1940〜)。出演はフレッド・アステア、メルヴィン・ダグラス、ダグラス・フェアバンクス・Jr、ジョン・ハウスマン、クレイグ・ワッソン、パトリシア・ニール、アリス・クリーグ、ジャクリーン・ブルックス、ミゲル・フェルナンデス、ランス・ホルコーム、マーク・チェンバーリン、ティム・コート、カート・ジョンソン、ケン・オリン、ブラッド・サリヴァン他。『ジュリアの館』『シャドウランド』『タリスマン』等のアメリカのホラー作家ピーター・ストラウブ(1943〜)の原作『ゴースト・ストーリー』(1979)を基に「(TV)刑事コロンボ/別れのワイン」(1973)「セルラー」(2004)の原案や「悪魔の赤ちゃん」(1973)「(未公開)空の大怪獣Q」(1982)等の監督・脚本を手がけているラリー・コーエン(1941〜2019)が脚本を執筆。撮影は「アフリカの女王」(1951)「戦争と平和」(1956)「バイキング」(1957)「ナイル殺人事件」(1978)等のジャック・カーディフ(1914〜2009)。特殊メイクは「ゴッドファーザー」(1972)「エクソシスト」(1973)「タクシードライバー」(1976)「アマデウス」(1984)等のディック・スミス(1922〜2014)。ニューイングランドの小さな町で、弁護士のリッキー・ホーソーン(アステア)とその友人のシアーズ・ジェームズ(ハウスマン)、ジョン・ジャフリー(ダグラス)、エドワード・チャールズ・ワンダーリー(フェアバンクス・Jr)の4人の老紳士たちは、“チャウダー・ソサエティ”と名づけたクラブのメンバーとして毎週集まり、ホラー話を語り合っていた。ニューヨークに住むエドワードの息子デヴィッド(ワッソン)が窓から落ちて死に、彼の双子の兄弟ドン(ワッソン、2役)は葬儀で父と再会する。それ以降4人の老人たちは悪夢に悩まされ、エドワードは雪の日に橋から落ちて死ぬ。その死は自殺と見なされたが、残された3人とドンは疑惑を抱くのだった……。4人が若者の頃にその死に関与した女性(クリーグ)が幽霊となって4人に復讐する、というストーリーだが、本作はフレッド・アステア、メルヴィン・ダグラス、ダグラス・フェアバンクス・Jrの最後の映画出演作品で、彼らの若い頃を演じた俳優ティム・コート、マーク・チェンバーリン、カート・ジョンソンは、いずれも60歳に達する前に死亡しているという。

音楽はフランスの作曲家フィリップ・サルド(1948〜)だが、本作の製作者が老夫婦を描いた1971年製作のフランス映画「(未公開)LE CHAT」(監督:ピエール・グラニエ=ドフェール、出演:ジャン・ギャバン、シモーヌ・シニョレ)を見て、そのスコアを担当していたサルドに仕事をオファーしたもので、サルドは旧作の主題を本スコアでも流用している。「Ghost Story」は、ダイナミックでビジーなイントロからドラマティックでややメランコリックな主題(「(未公開)LE CHAT」の引用)へと展開。「Accidents」は、抑制されたサスペンス音楽から中盤ダイナミックに展開。「Mansion」「Old Photograph」「Dreaming」「Strange」「Old Mirror」「Release」等も、抑制されたタッチのサスペンス音楽。「Cemetery」は、静かにドラマティックかつ不吉なタッチ。「Milburn」は、サルドらしいドラマティックな主題。「Love Suite」は、ジェントルでチャーミングなラヴ・テーマ。「Dementia」は、幻想的な女声ヴォーカルをフィーチャーしたサスペンス音楽から後半ジェントルな主題へ。「Fright」は、オルガンをフィーチャーしたダイナミックなサスペンス音楽。「Regression」「Picnic」は、ジェントルでリリカルなタッチ。「Demise」は、ジェントルな主題から後半ダイナミックなサスペンス音楽へ。「Death」も、ダイナミックなサスペンス音楽。「Found」は、ドラマティックなタッチ。ラストの「End Credits」は、サスペンス調からドラマティックな主題へと展開するエンドクレジット。オーケストレーションはピーター・ナイト。

このスコアは公開当時の1981年に米MCAレーベルから全10曲/約35分収録のサントラLPが出ており、その後1990年に米Varese Sarabandeレーベルが同じ内容のCDをリリースしているが、このQuartetレーベルのCDはリミックス/リマスターされた全19曲/約53分収録の拡張盤で、3000枚限定プレス。
(2019年11月)

Philippe Sarde


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