(未公開)MILLE MILLIARDS DE DOLLARS
(未公開)LE CRABE-TAMBOUR
町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語 CONTE DE LA FOLIE ORDINAIRE

作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE

指揮:ピーター・ナイト、カルロ・サヴィーナ
Conducted by PETER KNIGHT(「CONTE DE LA FOLIE ORDINAIRE」), CARLO SAVINA(「LE CRABE-TAMBOUR」)

演奏:ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony Orchestra(「CONTE DE LA FOLIE ORDINAIRE」)

(仏Music Box Records / MBR-166)

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フランスの作曲家フィリップ・サルド(1945〜)が、アンリ・ヴェルヌイユ監督、マルコ・フェレーリ監督とピエール・シェンデルフェール監督の各作品に作曲したスコアのコンピレーション。「(未公開)MILLE MILLIARDS DE DOLLARS」「町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語」は、1982年に仏Milanレーベルよりこの2作品をカップリングにした全14曲/約34分収録のサントラLP(Milan Records A120146)が出ており、今回のCDは基本それと同じ内容を収録。また、「(未公開)LE CRABE-TAMBOUR」は、公開当時に仏Melbaレーベルから2曲収録のシングル盤(Melba 45 X 140 339)が出ていたが、このCDにはオリジナルセッションテープからリマスターされた全5曲を収録。

「(未公開)MILLE MILLIARDS DE DOLLARS」は、1982年製作のフランス映画(英語題名は「A THOUSAND BILLION DOLLARS」)。製作・監督は「地下室のメロディー」(1963)「ダンケルク」(1964)「シシリアン」(1969)「華麗なる大泥棒」(1971)「エスピオナージ」(1973)「追悼のメロディ」(1976)等のアンリ・ヴェルヌイユ(1920〜2002)。出演はパトリク・ドゥヴェール、メル・ファーラー、ミシェル・オークレール、カロリーヌ・セリエ、シャルル・デネ、アニー・デュプレー、ジャンヌ・モロー、フェルナン・ルドゥー、ジャン・メルキュール、ジャン=ピエール・カルフォン、ジャン=ローラン・コシェ、アンドレ・ファルコン、ジャック・フランソワ、クロード・マルコー、ジャック・モーリー他。ロベール・ラテマックス・ドルディーヴェの原作『Mille milliards de dollars』ローレンス・メイヤーの原作『False Front』を基にアンリ・ヴェルヌイユが脚本を執筆。撮影はジャン=ルイ・ピカヴェ。ジャーナリストのポール・ケルジャン(ドゥヴェール)は、ある政治家の自殺が、実はフランス企業の乗っ取りを企むウイージェン会長(ファーラー)の米国企業G.T.I.による暗殺だったと突き止め、その事実を公表するための証拠を集めようとするが……。

フィリップ・サルドのスコアは、4台のピアノとヴィオラをフィーチャーしており、「Mille milliards de dollars (Petite suite pour 4 pianos et alto)」は、やや気だるいタッチのメインの主題。「G.T.I.」は、ダイナミックなタッチのピアノ曲。「Laura Weber」「Bastien」「Monsieur Holstein」「Kerjean et l'informateur」は、メインの主題のバリエーション。「J.B.L. (Jean-Baptiste Lambert)」は、気だるいタッチの曲。「Kerjean dicte l'article」は、メランコリックなタッチ。「Verneuil mélodie」は、メインの主題のリプライズ。ピアノの演奏はブルーノ・リグット、ジョルジュ・プリュデルマシェ、ジャック・ルーヴィエ、レイモン・アレッサンドリーニとモーリス・ヴァンデール。ヴィオラはブリューノ・パスキエ。

「町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語(CONTE DE LA FOLIE ORDINAIRE)」は、1981年製作のイタリア=フランス合作映画(日本初公開は1995年11月。イタリア語題名は「STORIE DI ORDINARIA FOLLIA」、英語題名は「TALES OF ORDINARY MADNESS」)。監督は「ひきしお」(1971)「最後の晩餐」(1973)「ピエラ・愛の遍歴」(1983)「未来は女のものである」(1984)等のマルコ・フェレーリ(1928〜1997)。出演はベン・ギャザラ、オルネラ・ムーティ、スーザン・ティレル、タニヤ・ロペール、ロイ・ブロックスミス、カティア・バーガー、ホープ・キャメロン、ジュディス・ドレイク、パトリック・ヒューズ、ウェンディ・ウェルズ、ストラットン・レオポールド、アンソニー・ピティロ、ジェイ・ジュリアン、ピーター・ジャーヴィス他。「つめたく冷えた月」(1991)等のアメリカの作家・詩人チャールズ・ブコウスキー(1920〜1994)の原作を基にマルコ・フェレーリとセルジオ・アミディが脚本を執筆。撮影はトニーノ・デリ・コリ。飲んだくれの詩人チャールズ・サーキング(ギャザラ)と娼婦キャス(ムーティ)との恋愛を描くドラマ。日本では「ありきたりな狂気の物語」のタイトルでテレビ放映済みだったが、原作者ブコウスキーの人気上昇に伴って1995年に劇場公開された。

フィリップ・サルドのスコアは「Conte de la folie ordinaire」が、メランコリックなタッチのギターをフィーチャーした曲。「Blue Grass」は、カントリー調の陽気な曲。「Ornella (Traditionnel mexicain)」は、メインの主題のメランコリックな女声ヴォーカル版。「La plus belle fille de la ville」は、メインの主題のオーケストラ版。ピーター・ナイト指揮のロンドン交響楽団の演奏。

「(未公開)LE CRABE-TAMBOUR」は1977年製作のフランス映画(英語題名は「DRUMMER-CRAB」)。監督は「愛と戦火の大地」(1992)等のピエール・シェンデルフェール(1928〜2012)。出演はジャン・ロッシュフォール、クロード・リッシュ、オーロール・クレマン、オディール・ヴェルソワ、ピエール・ルーソー、ジャック・デュフィロ、ジャック・ペラン、ヤン・ブラヌレック、ジャン・シャンピオン、グェン・ロン・クウン、フランソワ・ディレク、ジャン・アンノー、イヴ・モルガン=ジョーンズ、ブリューノ・クレメール他。ピエール・シェンデルフェールの原作を基にピエール・シェンデルフェールとジャン=フランソワ・ショーヴェルが脚本を執筆。撮影はラウール・クタール。ジャック・ペラン演じるアルザス地方出身で仏領インドシナ(現在のベトナム・ラオス・カンボジア)等で活躍した歴戦の勇士ウィルスドルフ中尉(実在のフランス海軍将校ピエール・ギヨームがモデル)と、彼を20年前に裏切ったフランス海軍フリゲート艦の艦長(ロッシュフォール)との関係を描く戦争ドラマ。1978年度セザール賞の作品賞、監督賞、作曲賞にノミネートされ、主演男優賞(ロッシュフォール)、助演男優賞(デュフィロ)、撮影賞を受賞している。

フィリップ・サルドのスコアは「Le Crabe-tambour」が、ダークでエキゾチックなタッチのサスペンスフルな曲。「Willsdorff Terre-Neuve」「Roulis」「Jauréguiberry」「Les fantômes du Mékong」は、ヴェトナムの単弦の撥弦楽器ダン・バウ(Vietnamese monochord zither)と狩猟ホルン(Cor de chasse)をフィーチャーしたアブストラクトなタッチの曲。オーケストラの指揮はカルロ・サヴィーナ。ダン・バウの演奏はトラン・カン・ハイ、狩猟ホルンの演奏はミシェル・ガルサン=マルー。

これらのスコアの初CD化で、500枚限定プレス。
(2020年2月)

Philippe Sarde

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