二ノ国  NINOKUNI

作曲・指揮:久石 譲
Composed and Conducted by JOE HISAISHI

(Universal Sigma / UMCK-1637) 2019

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2019年製作の日本映画。レベルファイブの人気RPG『二ノ国』シリーズを原作とする劇場用アニメーション。監督は「千と千尋の神隠し」(2001)「ゲド戦記」(2006)の原画や「ギブリーズ episode 2」(2002)「ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―」(2018)等の監督を手がけている百瀬義行1953〜)。声の出演は山ア賢人(ユウ)、新田真剣佑(ハル)、永野芽郁(コトナ/アーシャ)、宮野真守(ヨキ)、坂本真綾(サキ/ヴェルサ)、梶裕貴(ダンパ)、津田健次郎(ガバラス)、山寺宏一(バルトン)、伊武雅刀(フランダー王)、ムロツヨシ(不思議なお爺さん)他。製作総指揮・原案・脚本は、レベルファイブの創業者で『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』『イナズマイレブン』『妖怪ウォッチ』等のゲームを製作し、ゲームを原作としたアニメ作品の脚本も手がけている日野晃博(1968〜)。とある事件をきっかけに、現実世界と魔法世界を行き来できるようになった男子高校生の親友2人が、それぞれの愛する人を救うために残酷な命の選択を迫られる姿を描いた青春ファンタジー。ある日、突然現実と隣り合わせの魔法の世界“二ノ国”に迷い込んだ高校生のユウと親友のハルは、そこで2人の幼なじみの少女コトナと瓜二つの姿をしたアーシャ姫と出会う。二ノ国には、現実世界(一ノ国)と命の繋がったもう1人の自分が存在することを知ったユウとハル。しかしアーシャ姫には死の呪いがかけられており、もし彼女の命を救えば一ノ国のコトナが犠牲になってしまうという残酷なルールが存在していた。やがて、アーシャ姫に想いを寄せるユウと、コトナの恋人であるハルは、愛する人を救うために究極の選択を迫られていく……。

音楽は、ゲーム『二ノ国』も手がけている久石 譲(1950〜)。「不思議なお爺さん」は、静かに幻想的なタッチの主題。「おだやかな日常」は、明るく躍動的な曲。「忍び寄る危機」は、静かにジェントルなタッチの曲。「二ノ国へ」は、スリリングなタッチの主題から大らかな主題へ展開。「未知なる異世界」は、明るく快活な曲。「酒場」は、フィドルをフィーチャーした躍動的な舞踏音楽風の曲。「侵食する呪い」は、ダークで不吉なタッチ。「エスタバニア城」「仕組まれた入場」は、ヒロイックなマーチ調の曲。「険悪なムード」は、ピアノをフィーチャーした静かなサスペンス音楽。「募る思い」は、ピアノによるリリカルなタッチの曲で、久石らしい情感豊かで美しいこの主題は「思いがけない出会い」「姫の心」「別れ」にも登場する。「空のランデブー」は、明るく高揚感のある曲。「清めの舞」「異世界への旅立ち」「守る覚悟」は、ジェントルでリリカルな曲。「コロシアムの戦い」は、躍動的なサスペンス音楽。「決死の賭け」「黒の侵攻」「襲撃」は、ダイナミックでパーカッシヴなサスペンスアクション音楽。「ふたつの道」「悲しき過去」「ガバラスとの戦い」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「命のゆくえ」「受け継がれるもの」は、リリカルでドラマティックな曲。「激しい攻防」「決着の時」は、ヒロイックかつダイナミックな曲。「命をかけた戦闘」は、ダイナミックなマーチ調の曲。「届かぬ思い」は、パーカッシヴで躍動的な曲。「マリオネット」は、不吉なサスペンス音楽。「伝説の勇者」は、荘厳なコーラスをフィーチャーしたドラマティックな主題から後半ダイナミックなアクション音楽へ。ラストの「似た者同士」は、静かにリリカルなタッチの曲。ドラマティックなオーケストラル・スコア。
(2020年5月)

久石 譲

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