恋愛留学生 TAKE HER, SHE'S MINE

作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス
Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 447)

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1963年製作のアメリカ映画(日本公開は1964年6月)。製作・監督は「ハーヴェイ」(1950)「聖衣」(1953)「裸のマヤ」(1959)「フラワー・ドラム・ソング」(1961)「歌え!ドミニク」(1966)等のヘンリー・コスター(1905〜1988)。出演はジェームズ・ステュワート、サンドラ・ディー、オードリー・メドウズ、ロバート・モーレイ、フィリップ・フォルケ、ジョン・マクガイヴァー、ロバート・デンヴァー、モニカ・モラン、シンシア・ペッパー、ジェニー・マックスウェル、シャーラ・ドハーティ、モーリス・マルサック、マーセル・ヒレール、アイリーン・ツ、ジェームズ・ブローリン他。「栄光何するものぞ」(1952)「足ながおじさん」(1955)等のヘンリー・エフロンフィービー・エフロンの戯曲を基にナナリー・ジョンソンが脚本を執筆。撮影はルシアン・バラード。進歩的な娘を持つ父親の悲哀を描いたコメディ。弁護士フランク・マイケルソン(ステュワート)は、大学生の娘モリー(ディー)の行動を心配する余り、彼女をこっそりと監視する。モリーはインテリの友人たちと学生運動のデモに参加するが、市長に解散を命じられる。市長の高圧的な態度に反感を持ったフランクは、モリーの学生仲間や彼女を慕うフランス人画家アンリ・ボネ(フォルケ)を擁護するようになるが……。ジェームズ・ブローリンの長編デビュー作。製作費は約244万ドル。原作のブロードウェイ戯曲は、ヘンリー・エフロンとその妻フィービーが彼らの大学生の娘ノーラとの文通にヒントを得て執筆したものだが、そのノーラ・エフロン(1941〜2012)は後に「めぐり逢えたら」(1993)「ユー・ガット・メール」(1998)「電話で抱きしめて」(2000)等を監督している。

音楽はジェリー・ゴールドスミス(1930〜2004)で、これは彼がフォックスと契約していたキャリア初期(「七月の女」「秘密殺人計画書」「野のユリ」等と同年)に手掛けたスコアの初CD化。「Take Her, She's Mine (Main Title)」は、軽快でスラプスティックなタッチのイントロから明るいスウィング・ジャズのメインタイトルへと展開。「Art Lesson」は、メインの主題のとぼけたタッチのアレンジメント。「Campus March」は、明るく快活なマーチ。「The Telegram」は、軽快でコミカルな曲。「Late Reading」は、ジェントルなジャズ。「Battle Hymn of the Republic」は、コーラスによる『リパブリック讃歌』(南北戦争での北軍の行軍曲)。「My Little Girl in Paris」は、タンゴやジャズ、カンカン等がカラフルに展開するコミカルな曲。「Young Lovers」は、ジェントルなラヴテーマ。「Paris Drivers」は、パリを描写したアコーディオンによる主題を織り込んだコミカルな曲。「Night Visit」「The Flea Picker」「The Emperor's Lost Pants」は、とぼけたタッチの曲。「False Arrest」は、ビジーでスラプスティックなタッチの曲。「Plaisir D'Amour」は、ヴァイオリン・ソロによる『愛の喜びは』(作曲:ジャン=ポール=エジード・マルティーニ、作詞:ジャン=ピエール・クラリス・ドゥ・フロリアン)。「Take Her, She's Mine (Waltz Arrangement)」は、ヴァイオリン、アコーディオンをフィーチャーしたメインの主題のワルツ版。「Problem Parents」「Mollie's Farewell」は、アコーディオンをフィーチャーしたジェントルなメインの主題。最後の「Chattanooga Choo Choo (Mack Gordon and Harry Warren)」「Jerry's Baby」「Twistin' Baby」は、軽快なダンス・ミュージック。以上20曲(約32分)のステレオ音源に続いて、同じ20曲のモノラル版が収録されている。
ジェリー・ゴールドスミスが初めて手掛けた長編コメディ映画のスコアで、明るくスラプスティックなタッチが楽しい。オーケストレーションは長年ゴールドスミスと組んでいたアーサー・モートン。限定プレス。
(2020年5月)

Jerry Goldsmith

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