追跡者 U.S. MARSHALS

作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス
Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Varese Sarabande / VCL 1115 1198)

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1998年製作のアメリカ映画。監督は「オーメン」(1976)「スーパーマン」(1977)「アウトランド」(1981)「リーサル・ウェポン」(1985)「ダイ・ハード2」(1989)「007/カジノ・ロワイヤル」(2006)「復讐捜査線」(2010)「007 スカイフォール」(2012)「トゥームレイダー ファースト・ミッション」(2017)等の編集を担当し、「エグゼクティブ・デシジョン」(1996)「ネメシス/S.T.X」(2002)の監督も手がけているイギリス出身のステュアート・ベアード(1947〜)。出演はトミー・リー・ジョーンズ、ウェズリー・スナイプス、ロバート・ダウニー・Jr、ジョー・パントリアーノ、ダニエル・ローバック、トム・ウッド、ラターニャ・リチャードソン、イレーヌ・ジャコブ、ケイト・ネリガン、パトリック・マラハイド、リック・スナイダー、マイケル・ポール・チャン、ジョニー・リー・ダヴェンポート、ドナルド・リー、マーク・ヴァン他。脚本はジョン・ポーグ。撮影はアンジェイ・バートコウィアク。ハリソン・フォード主演の「逃亡者」(1993)で主人公の医師を追うジェラード保安官を演じてアカデミー賞の助演男優賞を受賞したトミー・リー・ジョーンズが、同じジェラード役で主演したサスペンス・アクション。シカゴからニューヨークへ犯罪者を運ぶ護送機がオハイオ川に墜落。機に乗り合わせたサミュエル・ジェラード連邦筆頭副保安官(ジョーンズ)は、逃走した囚人マーク・シェリダン(スナイプス)を部下と共に追跡することに。元CIAの特殊工作員で、連邦捜査官殺害の容疑者であるシェリダンを追うため、外交保安局捜査官のジョン・ロイス(ダウニー・Jr)が捜査に加わる。一方、シェリダンは捜査網をかいくぐり、恋人のマリー(ジャコブ)の協力を得て、自らの冤罪を晴らそうと行動を開始する……。製作費は約6000万ドル。全世界興行収入は約1億237万ドル。

音楽は、ステュアート・ベアードが編集を担当した「オーメン」(1976)「アウトランド」(1981)や、監督した「エグゼクティブ・デシジョン」(1996)「ネメシス/S.T.X」(2002)のスコアも手がけているジェリー・ゴールドスミス(1930〜2004)。このスコアは公開当時の1998年にVarese Sarabandeレーベルが全9曲/29:44収録のサントラCDをリリースしていたが、同じVareseレーベルが今回リリースした「The Deluxe Edition」は全39曲/75:28と大幅に収録曲が増えたエクスパンデッド盤。

「The Set Down」は、静かに抑制されたタッチからミリタリスティックでヒロイックなメインのフレーズに展開。この簡潔でインパクトのあるメインの主題がスコア全体を通してアクセントのように何度も登場する。「Nuggets and Bullets」「Prison Plane」「Consider Him Dangerous」「The Pen」「Airport Locker」は、メインの主題を含むサスペンス音楽。「Broken Glasses」「Zip Gun」「Listen to Me」「The Humidor」「Take It All」「Gym of the Living Dead」「Eyes on the City」「The Consulate」「Got You」「Cemetery Watch」「Across the Cemetery」「Turn Around」「We Lost Him」「The Great Sam」「Mark's Wounded」「The Glock」「Trying to Escape」は、抑制されたタッチのサスペンス音楽。「Almost Down」「Heading for the Swamp」は、ダイナミックで重厚なサスペンスアクション音楽。「Sinking Plane」「Swamp Search」「Following Chen」「The Front Gate」は、メインの主題を含むサスペンスアクション音楽。「At Knife Point」は、短いサスペンス音楽。「Dead in the Shower」は、ビジーなアクション音楽からメインの主題を含むサスペンス音楽へ。「Funeral Ambush」「Mark and Royce Fight」「Ship Fight」も、ビジーなアクション音楽。「Up the Stairs」は、メインの主題を含むパーカッシヴなサスペンスアクション音楽。「Into the Building」は、不気味なサスペンス音楽。「The Wrapper」は、メインの主題の静かなタッチ。「Free to Go」は、メインの主題のジェントルなバリエーションから大らかに盛り上がって締めくくる。ラストの「End Credits」は、メインの主題によるエンドクレジット。
ミリタリスティックなパーカッションと金管楽器のアタックが小気味よい職人芸的なサスペンスアクション・スコア。3000枚限定プレス。
(2020年6月)

Jerry Goldsmith

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