(未公開)私立探偵モーゼス THE BIG FIX

作曲・指揮:ビル・コンティ
Composed and Conducted by BILL CONTI

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Varese Sarabande / VCL 0320 1200)

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1978年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でテレビ放映済)。監督は「(TV)刑事コロンボ/アリバイのダイヤル」(1972)「幸福の旅路」(1977)「(未公開)スティング2」(1983)「ロズウェル」(1994)「(TV)TAKEN テイクン」(2002)等のジェレミー・ポール・ケイガン(1945〜)。出演はリチャード・ドレイファス、スーザン・アンスパッチ、ボニー・ベデリア、ジョン・リスゴー、オフェーリア・メディーナ、ニコラス・コスター、F・マーレイ・エイブラハム、フリッツ・ウィーヴァー、ホルヘ・セルヴェラ・Jr、マイケル・ハーシュー、リタ・カリン、ロン・リフキン、ラリー・ビショップ、マンディ・パティンキン、デヴィッド・ローランズ他。原作・脚本はロジャー・L・サイモン。撮影はフランク・スタンリー。1960年代にUCバークレーで学生運動家だったモーゼス・ワイン(ドレイファス)は、妻スザンヌ(ベデリア)と離婚して子供2人の親権も取られ、今はしがない私立探偵を稼業にしていた。10年ぶりに学生時代のガールフレンドだったリーラ・シアー(アンスパッチ)から連絡を受けたモーゼスは、彼女の勤務先であるホーソーン候補の選挙事務所でサム・セバスチャン(リスゴー)を紹介され、候補を貶める悪質なデマ広告の調査を依頼されるが……。劇中でモーゼスが右手首にずっとギプスをしているのは、撮影開始直前にリチャード・ドレイファスが骨折したためで、撮影スケジュールを遅らせたくなかった監督は劇中でも怪我をしている設定に変更したという。製作費は約380万ドル。全世界興行収入は約1306万ドル。

音楽はビル・コンティ(1942〜)で、これは彼が「ロッキー」(1976)の成功の後、「結婚しない女」(1978)「フィスト」(1978)「パラダイス・アレイ」(1978)「ふたりでスロー・ダンスを」(1978)「アンクル・ジョー」(1978)といった多数の作品を手がけていたキャリア初期のスコア。「Main Title」は、明るく軽快なタッチのディキシーランド・ジャズによるメインタイトル。「C'mon / Walking at College」も、明るく快活な曲。「Lila」「The Cops and Moses」は、マイク・ラングの演奏によるリリカルなピアノから明るくジェントルな主題へ。「Moses and the Boys / Hold It」は、ドラマティックかつ躍動的な主題からサスペンス調へ。「Moses to Lila's」は、サックスをフィーチャーした明るくリズミックなジャズ。「News Men」「Moses Sees the Car」は、サスペンス音楽。「Moses Fighting Tears」は、ピアノとストリングスによるリリカルでドラマティックな主題から明るくジェントルな主題、リズミックな「ロッキー」風のディスコへと展開。「Moses Walks Out」は、ギターをフィーチャーした短い曲。「Exchange of Envelopes」は、快活かつドラマティックな曲。「Hiding the Boys」は、リズミックなアクション音楽。「Moses Driving Through Town」は、オーケストラによるダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Son and Father」は、静かにジェントルなタッチ。「End Credits」は、メインの主題のリプライズによるエンドクレジット。最後にメインタイトル等の代替テイクやソース音楽の計13曲を収録。ベースはチャック・バーグホファーとマイヤー・ルービン、トランペットはトニー・テラン、トロンボーンはディック・ナッシュ、ドラムスはラリー・バンカー、ギターはジョー・ディ・ブラシとソム・ロテッラの演奏。
このスコアの初リリースで、1500枚限定プレス。
(2020年6月)

Bill Conti

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