花嫁の家族 THE McCULLOCHS

作曲・指揮:アーネスト・ゴールド
Composed and Conducted by ERNEST GOLD

(米Monstrous Movie Music / MMM-1966) 2012

 ★TOWER.JPで購入


1975年製作のアメリカ映画(日本公開は1976年4月)。製作・監督・脚本は「(TV)じゃじゃ馬億万長者」(1962〜1971)「大いなる砲火」(1967)「空中大脱走」(1971)等に出演した俳優で「ビリー・ジョー/愛のかけ橋」(1976)等の監督作があるマックス・ベア・Jr(1937〜)。出演はフォレスト・タッカー、ジュリー・アダムス、マックス・ベア・Jr、ジャニス・ハイデン、デニス・レッドフィールド、ドン・グラディ、チップ・ハンド、ウィリアム・デマレスト、ハロルド・J・ストーン、ヴィトー・スコッティ、サンディ・マクピーク、リリアン・ランドルフ、マイク・マザーキ、ビフ・エリオット、ケネス・トビー他。撮影はフレッド・J・コーネカンプ。昔気質の頑固親父を中心とするマッカラー一家の悲喜劇を描くドラマ。1949年、アメリカは朝鮮戦争に突入しようとしていた。マッカラー運送会社の社長J・J・マッカラー(タッカー)は腕っぷしが強く、毎晩のように喧嘩する彼を妻のハンナ(アダムス)は黙って見守っていたが、子供たちは少なからず反発していた。繊細な三男のスティーヴン(レッドフィールド)は粗野な父にことごとく反撥し、次男のゲイリー(ハンド)も自分の生き方を貫くために家を出ていった。長男のR・J(グラディ)だけは父を尊敬していたが、彼は戦争へと徴兵されていった。ある日、スティーヴンが酒に酔って喧嘩になり相手を殴り殺すという事件を起こし、更にR・Jが戦死するという悲劇がー家を襲うのだった……。ジョン・フォード監督の「静かなる男」(1952)やジョージ・スティーヴンス監督の「ジャイアンツ」(1956)を意識したドラマ。

音楽は「渚にて」(1959)「栄光への脱出」(1960)「ニュールンベルグ裁判」(1961)「おかしなおかしなおかしな世界」(1963)「愚か者の船」(1965)「戦争のはらわた」(1977)「さよならミス・ワイコフ」(1979)等のオーストリア出身の作曲家アーネスト・ゴールド(1921〜1999)。「The McCullochs Main Title Theme」は、大らかでヒロイックな西部劇調のメインタイトル。「'40's Plus 1 - Radio Source」は、ビックバンドジャズのソース曲。「Keep on Truckin」「Montage」は、メインの主題のバリエーション。「Get Out」「Sentencing」「R. J.'s Dead」は、ダークなタッチの曲。「Goodbye R. J.」「Hay Ride」「It's Your Life」「Culver & Ali」「One Last Beer」は、ジェントルなタッチ。「Drag Race」は、陽気で快活なマーチ。「I Love You」は、ハーモニカとギターをフィーチャーしたリリカルな曲。「Organ Postlude」「Holy Communion」は、オルガンによる讃美歌風の曲。「Arrest」「Goodnight Hannah」は、静かにドラマティックな曲。「Montage」は、ミリタリスティックなスネアドラムによるダイナミックなイントロから静かにリリカルな主題へ。「They're Fighting」以降の「See a Good One」「Becky - Becky」「Let's Go」「Beer Break」は、映画のクライマックスで、マッカラーの1人娘アリ(ハイデン)に求婚したカルヴァー(ベア・Jr)とマッカラーとの10分半におよぶ殴り合いのシーンの音楽で、劇中に起こる様々なコミカルなショットにつけた10〜30秒ほどの短いフレーズの積み重ねとなっている。「Mendelssohn's Wedding March」は、喧嘩の翌日、青あざだらけになった花婿がアリと結婚するシーンのオルガンによる結婚行進曲からメインの主題へ展開して締めくくる。最後にボーナストラックとして劇中のソース曲4曲を収録。オーソドックスなアメリカーナ音楽にアイルランド民謡風の味付けやビッグバンドジャズを加えたスコア。
(2020年10月)

Ernest Gold

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2020  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.