(TV)シークエスト SEAQUEST DSV

作曲・指揮:ジョン・デブニー
Composed and Conducted by JOHN DEBNEY

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Varese Sarabande / VCL 0520 1202) 2020

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1993〜1996年製作のアメリカのテレビシリーズ(全3シーズン/60分×59話/日本では1996年8月5日〜1997年1月13日に日本テレビで第2シーズンまで放映)。近未来の海底を舞台に深海潜水艦シークエストの航海と冒険を描く海洋SFアドヴェンチャー。企画・原案は「エイリアン・ネイション」(1988)「(TV)コンスタンティン」(2014〜2015)等の脚本や「(未公開)フィアー/超能力殺人ゲーム」(1989)「(未公開)ホーネット」(1995)等の監督を手がけているロックニ・S・オバノン(1955〜)。パイロット・エピソード(日本放映第1話)「シークエスト号 発進!(To Be or Not to Be)」の監督は「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(1980)「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983)「ロボコップ2」(1990)等のアーヴィン・カーシュナー(1923〜2010)。出演はロイ・シャイダー(日本語吹替:阪脩)、ステファニー・ビーチャム(野沢由香里)、ステイシー・ハイダック(湯屋敦子)、ドン・フランクリン(大川透)、ジョナサン・ブランディス(石田彰)、ジョン・ダキーノ(田中正彦)、ロイス・D・アップルゲイト(辻親八)、テッド・ライミ(清水明彦)、マルコ・サンチェス(松本保典)、シェリー・ハック、スコット・コフィ、エリック・ダレー、W・モーガン・シェパード、マイケル・パークス、リチャード・ハード他。脚本はロックニ・S・オバノンとトミー・トンプソン。撮影はケネス・ザンダー。製作は「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」(1992)「ゴッド・アンド・モンスター」(1998)「(TV)トゥルーブラッド」(2009〜2014)等のグレッグ・フィーンバーグ。製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグが参加している。2018年、UEO(地球連合海洋機構/United Earth/Ocean Organization)の主力潜水艦シークエストDSV(Deep Submergence Vehicle)が完成。UEO幹部のノイス提督(ハード)は、シークエストの設計者で現在は孤島に隠棲しているネイサン・ブリッジャー元大佐(シャイダー)に艦長就任を依頼する。その頃、元シークエスト艦長でブリッジャーの教え子でもあったマリリン・スターク(ハック)が指揮を執る海賊船デルタが海を荒し回っていた。その目的は、シークエストをおびき出して破壊することにあった……。
シリーズを通したゲストスターではチャールトン・ヘストン、ウィリアム・シャトナー、マーク・ハミル、マイケル・アイアンサイド、マイケル・ヨーク、ジェームズ繁田、デニス・クリストファー、ウド・キア、ヤフェット・コットー、デヴィッド・マッカラム、トポル、ルイス・ガスマン、ブリタニー・マーフィー、バーニー・ケイシー、ドム・デルイーズ、ロバート・フォックスワース、デヴィッド・モース等が出演している。

音楽は「カットスロート・アイランド」(1995)「エンド・オブ・デイズ」(1999)「パッション」(2004)「アイアンマン2」(2010)「グレイテスト・ショーマン」(2017)等のジョン・デブニー(1956〜)で、これは彼がキャリアの初期に手がけたスコア。このスコアは1995年にVareseレーベルが全14曲/約29分収録のサントラCD(VSD-5565)を出していたが、この同じVareseレーベルによる“The Deluxe Edition”はCD2枚組(全58曲/約131分)で、1枚目にパイロット・エピソード「シークエスト号 発進!」のスコア、2枚目に第1シーズンのハイライト(全6エピソードのスコア)を収録。1500枚限定プレス。

CD1枚目の冒頭「SeaQuest Opening Credits」は、幻想的なコーラスをフィーチャーした大らかなイントロからマーチ調のヒロイックなメインの主題、ダイナミックなサスペンス音楽へと展開。このキャッチーなメインの主題は「To the Island」「Come See Her」「SeaQuest」「Playon to SeaQuest」「Hitchcock Retreats」「Damage Assessment」「Impending Battle/Play On」「Bridger Returns」等、全体を通して何度も登場するが、どこかで聞いたことがあるようなフレーズなのは、まあご愛嬌。「SeaQuest Arrives」「Stark Plots」は、抑制されたサスペンス音楽。「Military Welcome」「Act in to Seaquest」「Hyper-Probe」は、ヒロイックなタッチの曲。「Darwin Speaks」「Transition」は、ジェントルな曲。「Stark Prepares」「At the Precipice/Into the Rift」「Caught」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「Attack Formation」は、ヒロイックなタッチからサスペンス音楽へ。「Battle Stations」は、ダイナミックなアクション音楽。「To the Bottom of the Sea/A Tag to Bonnie the Bad Girl」は、抑制されたタッチから徐々にサスペンスが盛り上がる。「To the Ocean」は、大らかでジェントルな主題から後半メインの主題へ。「SeaQuest: End Credits」は、メインの主題のリプライズによるエンドクレジット。最後にメインタイトルの別バージョン2曲「SeaQuest Opening (alternate version with Choir mixed down)」「SeaQuest (alternate version)」を収録。

CD2枚目の冒頭は、第5話(日本での第6話)「海底の子供たち(Brothers and Sisters)」のスコアで、このエピソードの監督は「コンボイ」(1978)等の脚本や「恐竜伝説ベイビー」(1983)「(TV)バフィー〜恋する十字架〜」(2001〜2002)等の監督を手がけたビル・L・ノートン。脚本はアート・モンテラステリ。デブニーのスコアは「SeaQuest Series Promo」が、コーラスによるイントロからメインの主題のマーチ、ダイナミックなサスペンス音楽へ展開する曲。「Of Treasures in the Deep」は、大らかなタッチ。「The Discovery」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「Mind Meld #2」は、抑制されたサスペンス音楽。「Big Tension」は、静かにドラマティックなタッチから後半ダイナミックなサスペンス音楽へ。「Exploring the Depot」は、不気味なサスペンス音楽。「Saying Goodbye」は、ジェントルでリリカルなタッチからメインの主題へ。

続く第7話(日本での第8話)「幽霊船に潜む黒い愛(Knight of Shadows)」の監督はヘレイン・ヒード。脚本はメリンダ・スノグラス。「Into the Ghost Ship」「The Possesion of Kristini」「Lukas Confronts Captain」は、ダークで不吉なタッチのサスペンス音楽。「The Forgiving」は、静かにドラマティックな曲。

第9話(日本での第10話)「生きていた闇商人(The Regulator)」の監督は「(TV)特攻野郎Aチーム/地獄島からの大脱出」(1986)等のレス・シェルドン。脚本はデヴィッド・J・バーク。「Vern Leaves」は、スリリングなタッチ。「Monkey Fish」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「Inside Us All」は、大らかなタッチ。

第21話(日本での第22話)「虐殺の町からの脱出(The Good Death)」の監督は「ビバリーヒルズを乗っ取れ!」(1991)「(TV)ザ・グレイズ 〜フロリダ殺人事件簿」(2010)等の脚本を手がけたデヴィッド・J・バーク。脚本はハンス・トビーソン。子供たちを虐殺しようとする邪悪な独裁者(ルイス・ガスマン)との戦いを描いたエピソードで、全体にラテン風の味付けによるスコア。「Attacked」は、ダイナミックなアクション音楽。「Cynthia」「Drug Store」「The Plan」は、ギターをフィーチャーしたややメランコリックなタッチの曲。「Narrow Escape」「Close Call」「The Escape」「Darwin Save Malik」は、ラテン風のタッチのサスペンス音楽。「Cheo Checkmate」は、メインの主題。

第20話(日本での第21話)「UFO海底に出現(Such Great Patience)」の監督は「パワーレンジャー」(1995)「(TV)24 TWENTY FOUR」(2001〜2002)「(TV)Dr.HOUSE -ドクター・ハウス-」(2004〜2005)「(TV)BONES」(2006〜2007)等のブライアン・スパイサー。脚本はデヴィッド・ケンパー。「Discovery」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「Of Gods and Astronauts」「Encounter」「Wolf in the Fold」「Communication 」「Understanding/Possible Pickup」は、抑制されたサスペンス音楽。「Intruder」は、ダイナミックなアクション音楽。「Invitation Extended」は、静かにドラマティックなタッチからメインの主題へ。

第1話(日本での第2話)「深海の熱水噴出孔(The Devil's Window)」の監督は「(TV)新スター・トレック特別編/ミスター・スポックを救出せよ!」(1991)「(TV)地球最後の男」(1999)「(TV)スター・トレック エンタープライズ」(2001〜2002)等のレス・ランドー。脚本はデヴィッド・J・バークとハンス・トビーソン。このエピソードからはメインの主題による「SeaQuest: End Credits」を収録。

(2021年2月)

John Debney

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