(TV)ウォリアーズ 歴史を動かした男たち:「アッティラ大王 大帝国の果てに」「ナポレオン
英雄の誕生」
HEROES AND VILLAINS: ATTILA THE HUN, NAPOLEON
作曲:ダニエル・ペンバートン
Composed by DANIEL PEMBERTON
指揮:ミリアム・ネムコヴァ
Conducted by MIRIAM NEMCOVA
演奏:プラハ市フィルハーモニー管弦楽団
Performed by the City of Prague Philharmonic Orchestra
(スウェーデンMovieScore Media / MMS-09020)2009
2007〜2008年製作のイギリスBBCによるテレビ・シリーズ。歴史上の英雄を描いた1話完結のシリーズで「ナポレオン
英雄の誕生」「アッティラ大王 大帝国の果てに」「スパルタクス ローマへの挑戦」「コルテス アステカの最後」「獅子心王リチャード 聖なる戦い」「徳川家康
決戦!関ヶ原」の6話が製作されている。このCDには「アッティラ大王
大帝国の果てに」「ナポレオン 英雄の誕生」にダニエル・ペンバートン(1977〜)が作曲したスコアを収録。
「アッティラ大王 大帝国の果てに(ATTILA THE HUN)」(2008)の監督は「モンスターズ/地球外生命体」(2010)「GODZILLA
ゴジラ」(2014)「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(2016)等のギャレス・エドワーズ(1975〜)。出演はローリー・マッカン、ケヴィン・エルドン、ミック・ウォルター、ニコラス・ブールトン、アレン・リーチ、マイケル・マロニー、ジョニー・フィリップス、イアン・バーリット、イアン・リンゼイ、オリヴァー・コットン、ニコレイ・ムタフキエフ、シェロ・ローフ、イワン・サショフ他。脚本はトニー・エッチェルス。撮影はロブ・ゴールディー。現在のロシア・東欧・ドイツを結ぶ大帝国を築き上げたフン族とその諸侯の王アッティラ(406?〜453/マッカン)の生涯を描く。
ダニエル・ペンバートンのスコアは、「Opening」がエスニックなタッチを加えた重厚でパーカッシヴなオープニング。「Impalement
Alley」「Take Naissus」「Naissus Aftermath」「It Will Be Suicide」「It Was Easy」「Heading
East (Reprise)」「What Am I Saying」「Leaving Constantinople / Aeitus Awakes /
Orleans」「Fugitives and the Broach」「Assassination Attempt」等、抑制されたタッチのサスペンス音楽が連続。「Heading
East」は、躍動的でストイックなタッチ。「Naissus Battle」は、ダークで重厚なサスペンス音楽からダイナミックでヒロイックなアクション音楽へ展開。「Call
Yourself a King」「Punched in the Head」は、不気味なタッチ。「Scarecrow」は、ダークで重厚なサスペンス音楽。「Royal
Tour / Bath」は、サスペンス調から後半静かにリリカルな主題へ。「The Greatest Coalition」は、ダイナミックでヒロイックな曲。「I
Had a Dream」は、不吉なサスペンス調から後半ストイックでヒロイックな主題へ。「I Have to Face
Him」「The Battle for the Ridge」は、ストイックなタッチの曲。「Funeral Pyre /
Ending」は、静かにドラマティックなタッチから後半ダイナミックで躍動的な主題へ展開。エスニックな味付けのオーケストラにノーローズ(Nawroz)によるソロ・ヴォーカルを加えたスコア。
「ナポレオン 英雄の誕生(NAPOLEON)」(2007)の監督・脚本は「(TV)ザ・ローマ
帝国の興亡」(2006)「アウェイクニング」(2011)「(未公開)ランズエンド −闇の孤島−」(2012)「(TV)逃亡者 デッドエンド」(2014)等のニック・マーフィ。出演はトム・バーク、ロブ・ブライドン、リチャード・マッケイブ、ローラ・グリーンウッド、アリス・クリージ、アレックス・ロウ、ケネス・クランハム、ジーナ・ベルマン、ダレン・ケラルト、ロジャー・アシュトン=グリフィス、アンソニー・ヒギンズ他。撮影はクリス・ハートリー。フランス第一帝政の皇帝を務めフランス革命後の混乱を収拾し、軍事独裁政権を樹立、幾多の勝利と婚姻政策によってイギリス、ロシア、オスマン帝国の領土を除いたヨーロッパ大陸の大半を勢力下に置いたナポレオン・ボナパルト(1769〜1821/バーク)の生涯を描く。
ダニエル・ペンバートンのスコアは、「Opening」がダイナミックでヒロイックなオープニング。「Busy
Street」は、ヴァイオリン・ソロをフィーチャーしたドラマティックな曲。「Commander of Artillary」は、重厚でダークなタッチの曲。「The
Argument」「Doppett Attack」は、ダイナミックでドラマティックな曲。「Spotting the
Brits」は、ピアノをフィーチャーしたメランコリックな曲。「Building the Battery」は、ダイナミックでドラマティックなタッチからストイックなマーチ調の主題へ。「Napoleon
Alone」「Field Hospital」「Always Be Kings」は、静かにドラマティックな曲。「Cannon
Fire」は、重厚でダイナミックな曲。「The Final Battle」は、静かなイントロから徐々にドラマティックに盛り上り、女声ヴォーカルをフィーチャーしたダイナミックな主題、後半ピアノによるメランコリックな主題へと展開。「Conclusion」は、静かにメランコリックな主題からドラマティックな主題へ。
異なる英雄を描いた2つのスコアだが、同一のシリーズ内であるためか、全体のトーンはよく似ている。オーケストレーションはアンドリュー・スキート。
(2021年3月)
Daniel Pemberton
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