X−メン X-MEN

作曲・指揮:マイケル・ケイメン
Composed and Conducted by MICHAEL KAMEN

演奏:LA・オールスター管弦楽団
Performed by the LA All Star Orchestra

(米La-La Land Records / LLLCD 1504)

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2000年製作のアメリカ映画。監督は「ユージュアル・サスペクツ」(1995)「ゴールデンボーイ」(1998)「スーパーマン リターンズ」(2006)「ワルキューレ」(2008)「X-MEN:アポカリプス」(2016)「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)等のブライアン・シンガー(1965〜)。出演はヒュー・ジャックマン、パトリック・ステュワート、イアン・マッケラン、ファムケ・ヤンセン、ジェームズ・マースデン、ハリー・ベリー、アンナ・パキン、タイラー・メイン、レイ・パーク、レベッカ・ローミン=ステイモス、ブルース・デイヴィソン、マシュー・シャープ、ブレット・モリス、ローナ・シェクター、ケネス・マクレガー他。トム・デサントとブライアン・シンガーの原案を基にデヴィッド・ヘイターが脚本を執筆。撮影はニュートン・トーマス・サイジェル。製作総指揮に、この7月5日に他界した「オーメン」(1976)「スーパーマン」(1978)「グーニーズ」(1985)「リーサル・ウェポン」(1987)「マーヴェリック」(1994)「16ブロック」(2006)等の監督リチャード・ドナー(1930〜2021)が参加している。

「マーベル・コミック」原作の『X-メン』の実写映画化第一作目。遺伝子の突然変異により特異能力をもって生まれたミュータントが社会で迫害される現状に、マグニートー(マッケラン)率いるミュータント集団「ブラザーフッド」が反発。そんな彼らの魔の手から人類を救うため、チャールズ・エグゼビア教授(ステュワート)率いるX-メンが立ち上がる――。不死のミュータント、ウルヴァリン(ジャックマン)は失った記憶を求めて世界を彷徨っていたが、ある日、触れた者の力を奪う能力を持った少女ローグ(パキン)と出会う。大男のミュータント、セイバートゥース(メイン)に襲われた2人を、サイクロプス(マースデン)とストーム(ベリー)が救い、彼らは「恵まれし子らの学園」に運ばれてジーン・グレイ(ヤンセン)の治療を受ける。そこは、プロフェッサーXことエグゼビア教授によるミュータント専門の学校だった……。製作費は約7500万ドル、全世界興行収入は2億9634万ドル。その後シリーズ化され「X-MEN2」(2003)「X-MEN:ファイナル ディシジョン」(2006)が製作された他、テレビアニメーション、ウルヴァリンを主役にした「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(2009)のシリーズ、キャストを一新した「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(2011)のシリーズが製作されている。

音楽は「デッドゾーン」(1983)「リーサル・ウェポン」(1987)「ダイ・ハード」(1988)「ロビン・フッド」(1991)「三銃士」(1993)「陽のあたる教室」(1995)等のマイケル・ケイメン(1948〜2003)で、これはケイメンがキャリア後期に手がけた大作のスコア。このスコアは、公開当時の2000年にDeccaレーベルが全12曲/約40分収録のサントラCD(Decca 289 467 270-2)をリリースしていたが、これは米La-La Landレーベルが2021年5月にリリースしたエクスパンデッド盤で、全61曲/約151分を収録。CD2枚組となっており、1枚目にフィルム・スコア、2枚目にDecca盤のトラックと追加音楽を収録。3000枚限定プレス。

CD1枚目の冒頭「Death Camp (Film Version)」は、静かなピアノによるイントロからドラマティックなタッチへと展開する曲。「Rogue's Kiss」は、繊細な主題からダークなタッチへ。「Senate Discussion」「They Knew / Laboratory」「Magneto Stand Off」「Kelly Dies」「Jean Uses Cerebro」は、ダークなサスペンス音楽。「Bar Fight」「Helicopter Hijack」「Kelly in Prison / Beach 」「Bobby and Rogue」「Land of Tolerance」は、不吉なタッチのサスペンス音楽。「Logan Drives」「Xavier Reads Kelly's Mind」は、ドラマティックな曲。「Ambush」は、ダークなサスペンス調から後半ダイナミックなアクション音楽へ。「School Montage」は、明るく快活な主題から後半サスペンス調へ。「Kelly's Transformation」は、不気味なタッチからドラマティックに盛り上がる曲。「Jean Reads Logan's Mind / Nightmare / Rogue Heals Logan」は、ハンマーのようなSEを織り込んだ不吉なサスペンス音楽。「Cerebro」は、ダークなタッチから後半ダイナミックでリズミックなサスペンス音楽へ。「Logan and Rogue in Train」は、ヒロイックなX-メンの主題からメランコリックなタッチへ。「Train」「Xavier Falls」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「The X-Jet」は、X-メンの主題を織り込んだリズミックなサスペンス音楽。「Over the Wall」「Logan Kills Mystique」は、ダークでダイナミックなタッチ。「Museum Fight (Film Version)」「Museum Fight (Continued)」「Fight on the Head」「Final Showdown (Film Mix)」は、ダイナミックなアクション音楽。「Logan Holds Rogue」は、メランコリックでドラマティックな曲。「Jean and Logan」は、ピアノをフィーチャーしたリリカルなタッチの曲。「Logan Says Goodbye / Why Ask Questions / Finale」は、静かにリリカルなフィナーレ。
映画自体の暗めのタッチを反映した、オーケストラとシンセサイザーの組み合わせによるダークでドラマティックなスコア。
(2021年7月)

Michael Kamen

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