シェイマス SHAMUS
作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス
Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH
演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony
(米Intrada / Intrada Special
Collection Volume 469)
1973年製作のアメリカ映画(日本公開は1973年10月)。監督は「消えた拳銃」(1966)「戦うパンチョ・ビラ」(1968)「ハンター」(1980)「(TV)ケインとアベル/権力と復讐にかけた男の情熱」(1985)等のバズ・キューリック(1922〜1999)。出演はバート・レイノルズ、ダイアン・キャノン、ジョン・P・ライアン、ジョー・サントス、ジョルジョ・トッツィ、ロン・ウェイアンド、ラリー・ブロック、ビーソン・キャロル、ケヴィン・コンウェイ、ケイ・フライ、ジョン・グローヴァー、マーウィン・ゴールドスミス、メロディ・サンタンジェロ、アーヴィング・セルブスト、アレックス・ウィルソン他。脚本はバリー・ベッカーマン。撮影はヴィクター・J・ケンパー。私立探偵のマッコイ(レイノルズ)は、ダイヤモンド鉱山や油田を経営する資本家E・J・ヒューム(ウェイアンド)から仕事の依頼を受ける。100万ドル相当のヒュームのダイヤを盗んだ後で2人組の賊に襲われて妻と一緒に焼き殺されたパパスという男の焼殺犯人と、ダイヤの行方を捜してほしいというのだ。情報屋のスプリンギー(ブロック)からパパスがレバレッジ輸出という会社に関係があったことを聞き出したマッコイは、その会社の社長であるフェリックス(ウィルソン)のマンションを訪ね、彼の姉である女アレクシス(キャノン)と出会うが……。エド・マクベイン(1926〜2005)原作の『87分署シリーズ』がベースになっているとともに、レイモンド・チャンドラー(1888〜1959)原作の『大いなる眠り(The
Big Sleep)』へのオマージュになっている。原題名の「SHAMUS」は私立探偵を意味するスラング。
音楽はバズ・キューリック監督と「消えた拳銃」(1966)「(未公開/TV)Crawlspace」(1972)「(TV)愛のメダリスト」(1975)でも組んでいるジェリー・ゴールドスミス(1930〜2004)。彼のフィルモグラフィー中でも長らくサントラ盤が出ていなかったスコアの1つで、これが初リリース(限定プレス)。「Main
Title」は、フェンダーベース、オルガン、ピアノをフィーチャーしたジェントルなタッチのジャズによるメインタイトル。「A
Real Dog No. 1」「A Real Dog No. 2」は、ダイナミックなジャズ。「The Warehouse」は、不気味なタッチのジャズ・ベースのサスペンス音楽。「Here
I Come - Part I」「Here I Come - Part II」「A Broken Limb」は、追跡シーンでのジャズ・ベースの重厚でダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Getting
Acquainted - Part I」「Getting Acquainted - Part II」は、ジェントルでリリカルなタッチの曲。「Surprise
Visit」は、ギター、オルガン、ハープ、パーカッションとストリングスによる快活なタッチのジャズ。ラストの「Stay in
My Life」は、メインの主題によるジェントルなタッチのジャズ。106分の映画に対し全体で26分程度の短いスコアで、音楽が不要なシーンには敢えてスコアを付けないとのゴールドスミスの姿勢が表れた例。
(2021年9月)
Jerry Goldsmith
Soundtrack Reviewに戻る
Copyright (C) 2021 Hitoshi Sakagami. All Rights Reserved.