野性の呼び声 THE CALL OF THE WILD

作曲・指揮:ジョン・パウエル
Composed and Conducted by JOHN POWELL

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Intrada / INT 7164)

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2020年製作のアメリカ=カナダ合作映画。監督は「リロ&スティッチ」(2002)「ヒックとドラゴン」(2010)等のクリス・サンダース(1962〜)。出演はハリソン・フォード、オマール・シー、カーラ・ジー、ダン・スティーヴンス、ブラッドリー・ウィットフォード、ジーン・ルイザ・ケリー、マイケル・ホース、カレン・ギラン、コリン・ウッデル、ミカ・フィッツジェラルド、ヘザー・マクフォール、アダム・ファーガス、ステファニー・チャジコウスキー、エイブラハム・ベンルビー、トーマス・アドゥーエ・ポーク他。「海の狼」(1941)「ホワイトファング」(1991)「マーティン・エデン」(2019)等のアメリカの作家ジャック・ロンドン(1876〜1916)の原作『野性の呼び声(The Call of the Wild)』(1903)を基にマイケル・グリーンが脚本を執筆。撮影はヤヌス・カミンスキー。

1890年代後半。極寒のアラスカで人類未踏の地を目指すジョン・ソーントン(フォード)は、犬ぞりの先導犬となったバックと出会う。カリフォルニアにあるミラー判事(ウィットフォード)の豪邸で快適な生活を送っていたセント・バーナードとスコットランド牧羊犬の雑種バックは、4歳の時に男にさらわれ、ゴールドラッシュに沸くカナダのユーコンで郵便配達のそり犬として働かされていた。固い友情で結ばれたソーントンとバックは秘境を求め突き進むが、自然の脅威が彼らを待ち受けていた……。この映画に登場するバックはCGIで表現されており、監督のクリス・サンダースと妻ジェシカ・スティール=サンダースのペット犬バックリーがCGのモデルになっている。製作費は約1億3500万ドル。全世界興行収入は約1億1111万ドル。

同じジャック・ロンドンの原作は「野性の叫び(CALL OF THE WILD)」(1935/監督:ウィリアム・A・ウェルマン、出演:クラーク・ゲイブル、ロレッタ・ヤング)、「野性の叫び(CALL OF THE WILD)」(1972/監督:ケン・アナキン、出演:チャールトン・ヘストン)、「(TV)荒野の呼び声(THE CALL OF THE WILD)」(1976/監督:ジェリー・ジェームソン、出演:ジョン・ベック、ベルナール・フレッソン)、「(TV)野性の呼び声(CALL OF THE WILD)」(1993/監督:マイケル・トシユキ・ウノ、出演:リック・シュローダー、ミア・サラ)、「(TV)ザ・サバイバル(THE CALL OF THE WILD: DOG OF THE YUKON)」(1996/監督:ピーター・スヴァテク、出演:ルトガー・ハウアー、リチャード・ドレイファス)等、過去に何度も映像化されている。

音楽は「フェイス/オフ」(1997)「シュレック」(2001)「ボーン・アイデンティティー」(2002)「Mr.&Mrs. スミス」(2005)「ヒックとドラゴン」(2010)「PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜」(2015)「ジェイソン・ボーン」(2016)「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」(2018)等のイギリス出身の作曲家ジョン・パウエル(1963〜)。「Wake the Girls」は、フィドルを加えたケルト風の躍動的な曲。「Train North」は、不気味なタッチのイントロからコーラスをフィーチャーしたドラマティックでストイックなタッチの主題へ。「Skagway, Alaska」は、バンジョーやフィドルをフィーチャーしたジェントルな曲。「Snowy Climb」「Joining the Team」は、躍動的でダイナミックかつヒロイックな曲。「First Sledding Attempt」は、静かにジェントルなイントロからリズミックでストイックな主題へ。「The Ghost Wolf of Dreams」「Animal Nature」「What an Adventure」は、静かにドラマティックな曲。「Ice Rescue」「Sometimes Nature's Cruel and Gods Fight」は、コーラスを織り込んだダイナミックでドラマティックなアクション音楽。「Buck Takes the Lead」は、バンジョーとハーモニカをフィーチャーしたジェントルなタッチから後半リズミックかつダイナミックでヒロイックな主題へ。「We Carry Love」は、ピアノによるジェントルで大らかな曲。「Couldn't Find the Words」は、ジェントルでリリカルな主題からダイナミックでヒロイックなタッチへ。「Overpacked Sled」は、ダークなサスペンス音楽。「Newfangled Telegram」「They're All Gone」は、ギターをフィーチャーしたジェントルなタッチの曲。「In My Bed?」「Come Say Goodbye」は、静かにジェントルな曲。「Buck & Thornton's Big Adventure」は、静かにドラマティックなタッチから躍動的でヒロイックな主題へ。「Finding Bears and Love in the Woods」は、ジェントルなタッチから躍動的な主題へ。「Rewilding」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「The Call of the Wild」は、ジェントルで大らかなイントロからリズミックでヒロイックな主題へ。大自然を舞台にしたアドヴェンチャー作品にふさわしい、90人編成のオーケストラと60人編成のコーラスによるドラマティックなスコア。
(2021年10月)

John Powell

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