ひきしお LIZA
(未公開)LA DERNIÈRE FEMME
作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE
(スペインQuartet
Records / QR456)
「女王蜂」(1963)「歓びのテクニック」(1965)「豚小屋」(1969)「最後の晩餐」(1973)「町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語」(1981)「I
LOVE YOU」(1986)等のマルコ・フェレーリ監督(1928〜1997)とフィリップ・サルド(1948〜)とのコラボレーションによる2作品のカップリング。500枚限定プレス。
「ひきしお(LIZA)」は、1972年製作のフランス=イタリア合作映画(イタリア語題名は「LA
CAGNA」、英語題名は「LOVE TO ETERNITY」)。出演はカトリーヌ・ドヌーヴ、マルチェロ・マストロヤンニ、コリンヌ・マルシャン、ミシェル・ピッコリ、クローディーヌ・ベルグ、ルイジ・アントニオ・ゲーラ、パスカル・ラペルーサ、ドミニク・マルカス、ヴァレリー・ストロー、エンリコ・ブラシ、クラウディア・ビアンキ、ファブリツィオ・ベネデッティ。エンニオ・フラヤーノの原作を基にエンニオ・フラヤーノ、ジャン=クロード・カリエールとマルコ・フェレーリが脚本を執筆。撮影はマリオ・ヴルピアーニ。地中海の孤島で文明から逃避して生活する男と女の愛情を描く。家族をパリに残し、コルシカ島南部の半球型の家で文明から逃避して生活する中年のイラストレーター、ジョルジョ(マストロヤンニ)のもとに、恋人と喧嘩してヨットを飛び出したリザ(ドヌーヴ)がやって来て、ジョルジョと暮すようになった。しかし、ジョルジョは愛犬メランポにだけ語りかけ、リザを無視する。リザはメランポを海へ誘い出し、沖へと泳がせて溺れさせた。メランポを殺したことをジョルジョに告げたリザは、犬の首輪を自分の首に巻くと、彼の足元にうずくまった。ジョルジョは、そんなリザを犬として扱うようになるが……。
フィリップ・サルドのスコアは、冒頭の「Générique」が明るく軽妙でジェントルなトランペット・ソロとヴァイオリン・ソロをフィーチャーしたジャズ・ベースのメインタイトル。このメインの主題がスコア全編を通して様々なジャズのアレンジメントで繰り返される。「Retour
dans l'île」はクラリネット、「Le bunker」はトランペットとギター、「Souvenirs」はヴァイオリン・ソロ、「La
nage」はピアノ、「Liza (Suite)」はヴァイオリン・ソロとギター、「Melampo」はトランペット・ソロとヴァイオリン・ソロ、「L'avion」はトランペット・ソロ、「Le
départ」はクラリネットをフィーチャーしたメインの主題のバリエーション。「Le gramophone」は、ノスタルジックなダンスミュージック(古いレコード音源)。「Liza」は、ドラマティックなタッチから後半メインの主題のダンスミュージック風アレンジメントへ。最後にアウトテイクのメドレー「Liza
(Outtakes Medley)」を収録。
オーケストレーションとクラリネットはユベール・ロスタン、ヴァイオリンはステファン・グラッペリ、ベースはフランソワ・ラバット、トランペットはピエール・デュトゥール、ピアノはレイモン・ル・セネシャル、ギターはディディエ・デュプラの演奏。
このスコアは公開当時の1972年に仏Epicレーベルから全10曲/約25分半収録のサントラLP(Epic Records EPC
64994)が出ていたが、このQuartetレーベルのCDは全12曲(コンプリート)を収録。
「(未公開)LA DERNIÈRE FEMME」は、1976年製作のフランス=イタリア合作映画。出演はジェラール・ドパルデュー、オルネラ・ムーティ、ミシェル・ピッコリ、レナート・サルヴァトーリ、ジウリアーナ・カランドラ、ズーズー、ナタリー・バイ、ダニエラ・シルヴェリオ、ヴィットリオ・ファンフォーニ、ゲリーノ・トティ、ベンジャミン・ラボネリ、ソランジュ・スカイデン、キャロル・パール、ダヴィッド・ビガーニ。マルコ・フェレーリの原案を基にラファエル・アズコーナ、ダンテ・マテッリとマルコ・フェレーリが脚本を執筆。撮影はルチアーノ・トヴォリ。エンジニアのジェラール(ドパルデュー)の妻ガブリエル(ズーズー)は、フェミニスト活動に従事するため、生後9カ月の息子ピエロを残して出て行ってしまう。ジェラールは保育所で息子の世話係だったヴァレリー(ムーティ)と恋仲になり、彼女はジェラールと一緒に住むようになるが……。グラフィックな性描写のためにX指定になっている作品。
フィリップ・サルドのスコアは、冒頭の「Générique」が静かにメランコリックでドラマティックなタッチのメインタイトル。「Si
me quieres aún」は、明るくジェントルな挿入歌。「Tahiti Drink」は、トロピカルで軽快なタッチの曲。「Like
a Bird in the Wind (Vocal: Bob Martin)」は、ボブ・マーティンの英語のヴォーカルによるジェントルな挿入歌。「Centre
commercial」は、軽快でリズミックなディスコ調の曲で、ビル・コンティ風。「Thème de Valérie」は、ジェントルでリリカルなタッチのヴァレリーの主題(アンダースコアは冒頭のメインタイトルとこのヴァレリーの主題だけで、後の4曲はソース音楽)。オーケストレーションとクラリネットはユベール・ロスタン、フルートはミシェル・サンヴォワザンの演奏。
このスコアは公開当時の1976年に仏EMI Patheレーベルから「ひきしお」とカップリングになったサントラLP(EMI Pathe 2C066
14306)が出ていたが、このQuartetレーベルのCDは全6曲(コンプリート)を収録。
尚、2007年に仏UniversalレーベルがリリースしたコンピレーションCD「Le Cinéma De Marco Ferreri」(Universal
France 98487785)には、マルコ・フェレーリ監督とフィリップ・サルドとのコラボレーションによる以下作品が収録されている。
ひきしお Liza
(未公開)La Dernière Femme
町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語 Storie
Di Ordinaria Follia
最後の晩餐 La Grande Bouffe,
バイバイ・モンキー/コーネリアスの夢 Ciao Maschio
(未公開)Touche Pas à La Femme Blanche
ピエラ・愛の遍歴 Storia Di Piera
(2021年11月)
Philippe Sarde
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