(TV)ロンドン指令X THE SECRET SERVICE

作曲・指揮:バリー・グレイ
Composed and Conducted by BARRY GRAY

(英Silva Screen Records / SILCD1681)

 ★TOWER.JPで購入

   ★AMAZON.CO.JPで購入 (Rambling CD) 


1969年製作のイギリスのテレビシリーズ(30分×全13話/日本では1970年11月5日〜1971年2月21日にNHKで放映された)。「(TV)サンダーバード」(1964)等のプロデューサー、ジェリー・アンダーソン(1924〜2012)が、「(TV)謎の円盤UFO」(1970)で俳優を使ったドラマに移行する直前に製作したスーパーマリオネーション作品で、クローズアップは人形、ロングショットは俳優を使って撮影されている。監督はレオ・イートンアラン・ペリーブライアン・ハードケン・ターナーピーター・アンダーソンイアン・スパリアーが各エピソードを分担。声の出演はスタンリー・アンウィン(日本語吹替は久松保夫)、ゲイリー・ファイルズ(同、堀勝之祐)、ジェレミー・ウィルキン(川久保潔)、シルヴィア・アンダーソン(鈴木光枝)、デヴィッド・ヒーリー、キース・アレクサンダー、デヴィッド・グラハム他。日本でのオープニングナレーションは中江真司。脚本はジェリー・アンダーソン、シルヴィア・アンダーソン、トニー・バーウィック、ドナルド・ジェームズ、パット・ダンロップ、ボブ・ケステンとシェーン・リマーが各話を分担。撮影はパディ・シール、テッド・ウールリッジとジュリアン・ラグリン。VFXはジミー・エリオット、デレク・メディングス、ビル・キャンプ、ショーン・ホイタッカー=クックとアラン・ベリー。

イギリスの片田舎にある教会の牧師スタンリー・アンウィン(アンウィン)は、実はイギリス情報部聖職者作戦課「BISHOP(Britishi Intelligence Service Headquarters Operation Priest)」の諜報部員で、作戦課のビショップ(ウィルキン)から指令を受けると、助手(普段は庭師)のマシュー・ハーディング(ファイルズ)を、聖書に隠されたミニマイザーと呼ばれる人体縮小装置で1/3のサイズにして作戦を遂行させる。ファイナンシアー(出資者)のルー・グレイド卿は、ジェリー・アンダーソンから“スパイ・シリーズ”を製作したいとの提案を受け、過去作品の実績から彼を信頼して内容は任せて契約したが、完成した最初の数話の試写を見て、あまりに“イギリス的”な設定やユーモアのセンスに海外セールスが困難と考え、製作をストップさせたため、13話のみで終了となった。

音楽はジェリー・アンダーソン作品の常連作曲家であるバリー・グレイ(1908〜1984)。「Century 21 Logo」は、冒頭の短いロゴミュージック。「Robbery at Healey Automation」は、ダークでミステリアスなタッチから「サンダーバード」調のヒロイックなマーチへ。「The Secret Service Main Titles」は、鐘の音のイントロからコーラスとオルガンによる荘厳な主題、マイク・サムズ・シンガーズによるリズミックなスキャットをフィーチャーしたバッハの賛美歌調のメインの主題へと展開するメインタイトル。このいかしたメインの主題は全編を通して何度も繰り返される。「Calling Father Unwin」は、これも「サンダーバード」調の明るくヒロイックな主題からリズミックなスキャットとオルガンをフィーチャーしたサスペンス音楽へ。「Operation Intercept」は、メインの主題を織り込んだアップビートなサスペンス音楽から、ヒロイックなマーチへ。「250 Hours」「Bufflers Halt Reopens」も、メインの主題を織り込んだサスペンス音楽。「Sabotage」は、不吉なタッチのサスペンス音楽で、最後はオルガンによる荘厳なタッチで締めくくる。「Aerial Spies」は、快活なマーチからサスペンス調へ。「The Unwilling Accomplice」は、スキャットを織り込んだドラマティックなサスペンス音楽。「Feathered Bombers」は、不吉なタッチの主題から、メインの主題を織り込んだアップビートなサスペンス音楽へ。「Ambush」は、マーチ調の主題を織り込んだサスペンス音楽から後半ダイナミックなタッチへ。「The Train Hijack」は、疾走する列車を表現したリズミカルなサスペンス音楽で、こういうタッチは実に巧い。「The Secret Service End Titles」は、リズミックなスキャットによるメインの主題のリプライズによるエンドタイトル。

このスコアは、2007年にイギリスのFanderson Recordsより全21曲/約52分収録のサントラCD(Fanderson Records FANSS11)が出ていた(Fanderson会員のみ購入可)が、Silva Screenレーベルが2022年7月にリリースしたこのCDは、全14曲/約41分半を収録し、リマスターされている。

Fanderson盤の収録内容は以下の通り。

●Fanderson Records FANSS11

1. Century 21 Sting (0:10)
2. Main Titles (1:16)

A CASE FOR THE BISHOP(コンピューター・スパイ/ビショップの命令)
3. Robbery at Healey Automation (1:32)
4. Calling Father Unwin (4:17)
5. Intermission Tag 1 (0:08)
6. Operation Intercept (3:25)

A QUESTION OF MIRACLES(潜水艦スパイ/奇跡が起これば)
7. 250 Hours (3:11)
8. Sabotage (5:35)

THE FEATHERED SPIES(航空写真スパイ/空飛ぶスパイ)
9. Aerial Spies (0:52)
10. The Unwilling Accomplice (3:31)
11. Intermission Tag 2 (0:10)
12. Feathered Bombers (4:04)

LAST TRAIN TO BUFFLERS HALT(特急列車強盗/現金輸送車 〜クランフォードからロンドンまで〜)
13. Ambush (2:47)
14. Bufflers Halt Re-opens (4:20)
15. The Train Hijack (4:58)

16. End Titles (1:26)

LAST TRAIN TO BUFFLERS HALT (Deleted Cues)
17. Father Unwin at Home (0:42)
18. Mystery and Suspense (2:57)

SCHOOL FOR SPIES(にせ神父スパイ/スパイになるためには…)
19. Radio Music (1:54)
20. The Archdeacon's Recital (1:37)

21. The Secret Service - Extended Titles (2:42)

※()内は邦題/再放送時邦題

Total Running Time 51:55

(2022年10月)

Barry Gray

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2022  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.