ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 JURASSIC WORLD DOMINION
作曲:マイケル・ジアッキーノ
Composed by MICHAEL GIACCHINO
指揮:アルフォンソ・カサード、クリフ・マスターソン、ルートヴィヒ・ヴィッキ
Conducted by ALFONSO CASADO, CLIFF MASTERSON, LUDWIG WICKI
(米Back Lot
Music / 665415408843)
2022年製作のアメリカ=中国=マルタ合作映画。監督は「(未公開)彼女はパートタイムトラベラー」(2012)「ジュラシック・ワールド
」(2015)「(未公開)ザ・ブック・オブ・ヘンリー」(2017)等のコリン・トレヴォロウ(1976〜)。出演はクリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン、サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラム、ディワンダ・ワイズ、マムドゥ・アチー、イザベラ・サーモン、キャンベル・スコット、BD・ウォン、オマール・シー、ジャスティス・スミス、ダニエラ・ピネダ、スコット・ヘイズ、ディーチェン・ラックマン他。デレク・コノリーとコリン・トレヴォロウの原案を基にエミリー・カーマイケルとコリン・トレヴォロウが脚本を執筆。撮影はジョン・シュワルツマン。スティーヴン・スピルバーグが監督した「ジュラシック・パーク」(1993)「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」(1997)、ジョー・ジョンストンが監督した「ジュラシック・パーク
III」(2001)、コリン・トレヴォロウが監督した「ジュラシック・ワールド
」(2015)、J・A・バヨナが監督した「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(2018)に続くシリーズ第6作。イスラ・ヌブラル島の大噴火から4年が経ち、オーウェン・グレイディ(プラット)は人里離れた山奥でクレア・ディアリング(ハワード)と14歳になったメイジー(サーモン)と3人で暮らしていたが、ある日、近くに棲むヴェロキラプトルのブルーの子供とメイジーとが密猟者たちによって誘拐されてしまう。一方、巨大イナゴの大発生による農作物被害を調査していたエリー・サトラー博士(ダーン)は、ルイス・ドッジスン(スコット)が経営するバイオテクノロジー企業バイオシンが関係していると考え、アラン・グラント博士(ニール)に協力を求める……。新シリーズと旧シリーズの主要登場人物を集合させ、いずれのキャラにも見せ場を用意することで全体をうまくまとめている。デヴィッド・マメット監督の「スパニッシュ・プリズナー」に主演したキャンベル・スコット扮するドッジスンの悪役設定が薄っぺらく、ドラマがあまり盛り上がらないのが難点。製作費は約1億6500万ドル、全世界興行収入は約10億114万ドル(2022年10月時点)。
音楽は「ジュラシック・ワールド
」(2015)「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(2018)に引き続きマイケル・ジアッキーノ(1967〜)が作曲。「Jurassi-Logos
/ Dinow This」は、ダークで不吉なタッチからストイックな主題、重厚でドラマティックな主題へと展開するオープニング。「It's
Like Herding Parasaurolophus」は、躍動的でダイナミックなサスペンス音楽からジェントルな主題へ。「Upsy-Maisie」は、ピアノによるメインの主題を織り込んだ静かに荘厳でリリカルな曲。「Clonely
You / The Hunters Become the Hunted」は、ジェントルでリリカルな主題から後半ドラマティックなサスペンス音楽へ。「The
Campfire in Her Soul」も、ジェントルでリリカルなタッチの曲。「Hay of the Locusts」は、巨大イナゴを表現したパーカッシヴなサスペンスアクション音楽。「A
Sattler State of Affairs / Alan for Granted / Sattler? I Barely Know Her」は、サトラー博士とグラント博士が再会するシーンでの、ジョン・ウィリアムス作曲の1作目の主題からピアノによるジェントルな主題へと展開する曲。「The
Wages of Biosyn」は、静かにドラマティックなタッチ。「Free-Range Kidnapping」は、抑制されたサスペンス調からパーカッシヴでダイナミックなサスペンスアクション音楽へ。「A-Biosyn'
We Will Go」は、ピアノによるリリカルな主題から躍動的でヒロイックな主題へ。「This Dodgson Burns
Bright / The Maltese Dragons」は、抑制されたサスペンス調から、ラテン・ギター、ブーズーキをフィーチャーしたパーカッシヴな主題へ。「In
Contempt of Delacourt / Dance of the Atrociraptors」は、パーカッシヴでダイナミックなアクション音楽。「The
Geneticist's Gambit / Cicadian Rhythms」は、抑制されたサスペンス調から後半ダイナミックで重厚なアクション音楽へ。「A
Dimetrodon a Dozen」も、抑制されたタッチからダイナミックなアクション音楽へ展開し、最後にウィリアムスの1作目の主題で締めくくる。「She
Shoots, She Scorches」は、リズミックなサスペンス音楽から後半ダイナミックなアクション音楽へ。「Gigantosaurus
on Your Life」は、ウィリアムスの1作目の主題を織り込んだジェントルなタッチの曲。「Ladder and
Subtract / What's You Major Malcolm Function / Six Degrees of Evacuation」は、ウィリアムスの主題を含むダイナミックでパワフルなアクション音楽。「Gotta
Shut Down the Blah Blah Blah」は、ストイックなタッチのサスペンス音楽。「Wu-ing for Redemption」は、ダイナミックでドラマティックな曲。「Battle
Royale with Reprise / Six Days and Seven Denouements」は、ダイナミックでパワフルなアクション音楽から後半ウィリアムスの主題を含むジェントルなタッチへ。「All
the Jurassic World's a Rage」は、チェロ・ソロによるメインの主題を織り込んだ静かにジェントルでドラマティックなタッチから後半ダイナミックに盛り上がる。「Suite,
Suite Dino Revenge」は、メインの主題等がメドレー風に展開する約9分のエンドクレジットの音楽で、最後はハープによるウィリアムスの主題で締めくくる。
アクションシーンの切れ味の良さは職人的に巧い。オーケストレーションはジェフ・クリカ、ジェニファー・ダーケス、ミック・ジアッキーノとカーティス・グリーン。コーラスはロンドン・ヴォイシーズ、フレンチホルンのソロはマーティン・オーウェン、チェロ・ソロはキャロライン・デイルの演奏。
(2022年10月)
Michael Giacchino
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