パリタクシー UNE BELLE COURSE

作曲・指揮:フィリップ・ロンビ
Composed and Conducted by PHILIPPE ROMBI

(仏Music Box Records / MBR-215)

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2022年製作のフランス映画(日本公開は2023年4月7日/英語題名は「DRIVING MADELEINE」)。製作・監督は「戦場のアリア」(2005)「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」(2009)「(未公開)戦場のブラックボード」(2015)「(未公開)凍える追跡」(2017)等のクリスチャン・カリオン(1963〜)。出演はリーヌ・ルノー、ダニー・ブーン、アリス・イザーズ、ジェレミー・ラウール、グウェンドリーヌ・アモン、ジュリー・ドゥラルム、アドリエル・ルール、トマ・アルダン、クリストフ・ロシニョン、エリ・ケムファン、クリスチャン・カリオン、レオニー・カリオン、フィリップ・ボーティエ、メリル・ムーレイ、ナディール・ルグラン他。脚本はクリスチャン・カリオンとシリル・ジュリ。撮影はピエール・コットロー。郊外の家を出てパリの反対側にある老人ホームに入居することになった92歳の老女マドレーヌ・ケレール(ルノー)は、シャルル(ブーン)の運転するタクシーに乗った。パリ市内の思い出の場所を通ってほしいとのマドレーヌの願いを聞き入れたシャルルは、彼女の驚くべき過去を知ることになる。1950〜60年代に粗暴な愛人による暴力と凌辱に苦しみ、25年の刑期を務めることになった若き日のマドレーヌ(イザーズ)の体験が、フラッシュバックにより語られていく……。

音楽は「(未公開)Une hirondelle a fait le printemps」(2001)、「戦場のアリア」(2005)でもクリスチャン・カリオン監督と組んでいるフィリップ・ロンビ(1968〜)。「Un Nouveau Jour」は、ピアノとストリングスによる繊細でメランコリックかつドラマティックなタッチから、トランペットによるジェントルな主題へ展開する曲。「Le Départ de Madeleine」「Une Dernière Ballade」「Partir」は、ピアノとストリングによる静かにジェントルなタッチの曲。「La Lettre de Matt」は、ミュージックボックス風のリリカルな曲。「This Bitter Earth」は、アメリカのジャズ・シンガー、ダイナ・ワシントン(1924〜1963)のヴォーカルによるノスタルジックなタッチの挿入歌(作曲:クライド・オーティス、編曲:ベルフォード・ヘンドリックス)。「Dans les Rues de Paris」は、トランペットによるジェントルな曲。「Ray」「La Gifle」「Vengeance」「Le Jugement」は、抑制されたサスペンス音楽。「Sortie de Prison」「Le Destin de Mathieu」は、ドラマティックなタッチの曲。「Seul」は、静かにメランコリックな曲。「At Last」は、アメリカのブルース/R&Bシンガー、エタ・ジェームズ(1938〜2012)のヴォーカルによるノスタルジックなタッチの挿入歌(作曲:ハリー・ウォーレン、マック・ゴードン、編曲・指揮:ライリー・ハンプトン)。「Une Belle Course」は、ピアノとストリングスにジェントルなタッチのトランペットを加えたメインの主題。最後にボーナストラックとして「Vengeance (version film)」の映画で使われたバージョンを収録。ピアノはフィリップ・ロンビ、トランペットはクロード・エゲア、ベースはローラン・ヴェルネリーの演奏。
クリスチャン・カリオン監督は過去のシーンの演出でかつてのヒッチコック作品のタッチを意識したとのことで、フィリップ・ロンビのスコアもバーナード・ハーマン風となっている。
(2022年12月)

Philippe Rombi

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