インディアン狩り THE SCALPHUNTERS

作曲・指揮:エルマー・バーンステイン
Composed and Conducted by ELMER BERNSTEIN

(スペインQuartet Records / QR500)

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1967年製作のアメリカ映画(日本公開は1968年4月)。監督は「泳ぐひと」(1968)「追憶」(1973)「ザ・ヤクザ」(1974)「コンドル」(1975)「出逢い」(1979)「トッツィー」(1982)「愛と哀しみの果て」(1985)「ハバナ」(1990)「ザ・ファーム/法律事務所」(1993)「ランダム・ハーツ」(1999)「ザ・インタープリター」(2005)等のシドニー・ポラック(1934〜2008)。出演はバート・ランカスター、シェリー・ウィンタース、テリー・サヴァラス、オシー・デイヴィス、ダブニー・コールマン、ポール・ピサーニ、ダン・ヴァディス、アルマンド・シルヴェストレ、ニック・クラヴァット、トニー・エッパー、チャック・ロバートソン、ジョン・エッパー、ジャック・ウィリアムス、グレゴリオ・アコスタ、ペドロ・アギラー他。原作・脚本はウィリアム・ノートン。撮影はデューク・キャラハンとリチャード・ムーア。ロッキー山脈を歩き回って多数の毛皮を手に入れた猟師ジョー・バス(ランカスター)は、町へ帰る途中でトゥー・クロウズ酋長(シルヴェストレ)率いるカイオワ・インディアンに行く手を阻まれ、黒人奴隷のジョゼフ・ウィンフィールド・リー(デイヴィス)と引き換えに毛皮を全部引き渡すよう命令された。バスはやむ無く毛皮を渡したものの、諦めきれずにリーを連れてカイオワ族の後を追う。そこにジム・ホウイー(サヴァラス)を首領とした無法者たちが現れてカイオワ族を襲撃し、一緒にバスの毛皮も奪っていったので、バスとリーは今度はホウイーたちを追跡する。無学で粗野なバスに対し、奴隷のリーは教養のある男で、2人は行動を共にするうちに次第に友情で結ばれていく……。バート・ランカスター自身がプロデューサーとして参加しているコメディ・タッチのウエスタン。

音楽は「荒野の七人」(1960)「コマンチェロ」(1961)「ビッグトレイル」(1965)「エルダー兄弟」(1965)「勇気ある追跡」(1969)「100万ドルの血斗」(1971)「ビッグケーヒル」(1973)「ラスト・シューティスト」(1976)等、西部劇作品のスコアを多数手がけているエルマー・バーンステイン(1922〜2004)。このスコアは、公開当時の1968年に米United Artistsレーベルから全12曲/約28分半収録のサントラLP(United Artists UAS 5176)が出ており(このバージョンは何度かLP、CDで再発されている)、その後2005年に米Varese Sarabandeレーベルが全14曲/約33分半収録の限定2000枚プレスのCD(Varese Sarabande CD Club VCL 1105 1043)を出していたが、2022年10月に(バーンステイン生誕100周年を記念して)QuartetレーベルがリリースしたこのCDは、全32曲/約79分収録で、前半に当初のサントラLPと同じ12曲(再録音)、後半に映画で使われたスコア(モノラル)を収録。1000枚限定プレス。

アルバム用に再録音された前半の1〜12曲は、バンジョーをフィーチャーした静かなイントロから明るく快活で大らかなメインの主題へと展開する冒頭の「Prologue」や、メインの主題のバリエーション「Joe Bass and the Scalphunters」「Horseplay」「More Tricks」「Moving On」等、全体に軽めのタッチのアレンジメントになっている。一方、今回初収録された13曲目「Main Title」以降のフィルムスコアは、重厚なアクション音楽を主体としたオーケストラル・スコアで、聴きごたえがある。「Where We Going? / Horse-Whistle」は、メインの主題から後半ダイナミックで躍動的なタッチへ。「Battle / Massacre」「Leaving」「Fight」は、重厚でダイナミックなアクション音楽。「Food / Camp」「Wild Guitar」は、ギターをフィーチャーしたジェントルなタッチの曲。「Forced March」は、ミリタリスティックなマーチ調の曲。「Lee Rides / Snow Job」は、重厚でダイナミックなアクション音楽から快活なサルーン・ピアノ曲、ジェントルな主題へと展開。「Chase」は、重厚でダイナミックなアクション音楽から、後半躍動的でヒロイックな主題へ。「Mountain / Horse Sense」は、抑制されたサスペンス音楽。「Loco!」は、メインの主題を織り込んだダイナミックでヒロイックな曲。「Uphill / Booze / More Tricks」「Comrades」も、メインの主題のバリエーション。「Exit Howie」は、ダイナミックでパーカッシヴなサスペンス音楽。「The Victor / Wait Joe / Here We Go Again」は、メインの主題を織り込んだダイナミックで躍動的な曲。「Square Dance」は、ギターとバンジョーをフィーチャーした快活なダンス音楽。「In Our Lovely Desert」は、アコーディオンをフィーチャーしたジェントルな曲。最後にボーナストラックとして、(映画でもアルバムでも使用されなかった)陽気な男声ヴォーカルによる「Talking Blues」と、メインの主題の男声ヴォーカル版「I've Been to Saint Louis」を収録。オーケストレーションはレオ・シュケンとジャック・ヘイズ。
(2023年3月)

Elmer Bernstein

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