シシリアン THE SICILIAN CLAN

作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE

(スペインQuartet Records / QR507)

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1969年製作のフランス=イタリア合作映画(日本での公開は1970年4月/フランス語題名は「LE CLAN DES SICILIENS」、イタリア語題名は「IL CLAN DEL SICILIANI」)。監督は「地下室のメロディー」(1963)「ダンケルク」(1964)「華麗なる大泥棒」(1971)「恐怖に襲われた街」(1975)「追悼のメロディ」(1976)等のアンリ・ヴェルヌイユ(1920〜2002)。出演はジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、イリナ・デミック、アメデオ・ナザーリ、フィリップ・バロネ、カレン・ブランゲルノン、イヴ・ブランヴィーユ、ジェラール・ビュア、エリサ・セガーニ、ラウール・デルフォッス、イヴ・ルフェブル、マルク・ポレル、シドニー・チャップリン、サビーヌ・スン他。オーギュスト・ル・ブルトンの原作を基にアンリ・ヴェルヌイユ、ジョゼ・ジョヴァンニとピエール・ペルグリが脚本を執筆。撮影はアンリ・ドカエ。1年前にル・ゴフ警視(ヴァンチュラ)に逮捕されて投獄されていた“五月の蠅”の異名を持つ宝石泥棒ロジェ・サルテ(ドロン)は、パリに住むシシリアン・マフィアのボス、ヴィットリオ・マナレーゼ(ギャバン)の計画により、ヴィットリオの2人の息子アルド(ルフェブル)とセルジオ(ポレル)、アルドの妻ジャンヌ(デミック)の助けを借りて刑務所から脱獄した。その後しばらくの間ヴィットリオに匿われていたサルテをジャンヌが誘惑し、2人は人知れず愛し合う仲になる。マナレーゼは、サルテから持ちかけられた宝石強奪の話に乗り、ニューヨーク・マフィアのボスであるトニー・ニコシア(ナザーリ)を仲間に引き入れた。数億ドルもの展示用の宝石を、パリからニューヨークへ運ぶ飛行機から強奪するとの大胆な計画は、見事に成功した。この仕事を最後に勇退し、故郷シシリーへ帰ろうとしていたヴィットリオは、孫の口からサルテとジャンヌが不倫の関係にあることを知ってしまう。面目を潰された彼は、サルテをパリに呼び戻して殺そうとするが……。日本でのテレビ放映時の日本語吹替キャストはジャン・ギャバン(森山周一郎)、アラン・ドロン(野沢那智)、リノ・ヴァンチュラ(田口計)、イリナ・デミック(藤波京子)、アメデオ・ナザーリ(寺島幹夫)、イヴ・ルフェブル(森川公也)、マルク・ポレル(納谷六朗)、シドニー・チャップリン(渡部猛)他。

音楽はアンリ・ヴェルヌイユ監督と「サン・セバスチャンの攻防」(1968)「華麗なる大泥棒」(1971)「エスピオナージ」(1973)「恐怖に襲われた街」(1975)等でも組んでいるエンニオ・モリコーネ(1928〜2020)。このスコアは公開当時の1969年にフランスの20th Century Foxレーベルから全11曲/約30分収録のサントラLP(20th Century Fox 940 006)が出ており、同内容のLPが各国から出ていた他、1996年にイタリアのCAMレーベルから同内容のCD(CAM 493098-2)が出ているが、2022年12月にQuartetレーベルがリリースしたこのCDは、第1世代のマスターテープからリマスターされた全22曲/約55分収録のエクスパンデッド盤で、1000枚限定プレス。

「Tema Italiano」は、口琴(Jew's Harp)とエレクトリックギターをフィーチャーしたミステリアスな主題からストリングスによる情感豊かでメランコリックかつドラマティックなメインの主題へと展開するメインタイトルで、独特のユニークなタッチが秀逸な名曲。このメインの主題はヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「前奏曲とフーガ イ短調 BWV 543」に影響を受けていることを、モリコーネは後から気づいたという。「Snack Bar」は、ジェントルなトランペットをフィーチャーしたスローなジャズ。「Mostra dei gioelli」は、口琴をフィーチャーしたドラマティックなサスペンス音楽。「Dialogo Nº1」「Dialogo Nº2」「Tema per Nazzari e Delon」「I Francobolli」は、アレッサンドロ・アレッサンドローニの口笛をフィーチャーしたメインの主題のバリエーション。「Jeanne e la spiaggia」「Tema Italiano Nº2」も、メインの主題のバリエーション。「Tema per Le Goff」は、ダイナミックでリズミックかつスリリングなル・ゴフ警視の主題。「Finale」は、メインの主題のリプライズによるフィナーレ。ここまでがオリジナルの20th Century Fox盤の内容で、これ以降は今回初収録の追加音楽。「The Sicilian Clan M0」「The Sicilian Clan M4」「The Sicilian Clan M20」は、メインの主題の口笛バージョン。「The Sicilian Clan M15」は、ジェントルなスロー・ジャズ。「The Sicilian Clan M18」は、ラウンジ風のライトなタッチの曲。「The Sicilian Clan M8」は、抑制されたサスペンス音楽。「The Sicilian Clan M16」「The Sicilian Clan M19」「The Sicilian Clan M14」「The Sicilian Clan M016」は、メインの主題のバリエーション。「The Sicilian Clan M5」は、ダイナミックなル・ゴフ警視の主題。
モリコーネが手がけた数多くの犯罪映画スコアの中でもベスト作の1つ。
(2023年5月)

Ennio Morricone

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